44話 陰謀、そして・・・
「※※※※※※※※・・・※※!?」
いや、何言ってるか全然わからんよララさん。
通じてないと思ったのかララの手を自分の頭に当てる。
「まずいです・・・これだと復活できても会話ができないです・・・」
「まずは言葉を覚えてください!今ここで!」
「目の前の問題なんて後です!ここだと別の空間だし大丈夫です!」
俺には英語の授業 (24時間体制) が待っていた。
ここだと精神の疲労は感じないみたいだがダメージは受けるらしい。
ララから教えられたが、セバスの剣には謎の精神破壊属性がついていたらしい。
―――――――しかし、この英語、ちょっと難しくないか?
「ここは、こう。そう、こう発音する。」
「そうそう、じゃ、次行くよ」
こういったものが延々と続く。
そして、一定の量を覚えたら復習。
その後、これらを使った文を作成する。
出来なければやり直し。これをずっと、何時間も費やし覚える。いや、何十日もぶっ通しでやる。
「終わり!」
「頑張ったねーおつかれさま!」
頭から手を離し、話しかけてくる。
「(ありがとう。で、復活先ってなんだっけ?)」
「セバスとの戦闘前です。」
「先ほど(?)一瞬で首斬りされたので勝ち目はほぼないでしょう。」
「ですが、新しく覚えた技があります。タイム・ドラゴンという技ですね。試し打ちしてみたら何か分かるかもしれません。」
「復活します。よろしいですか?」
「(Y・・・)」
3・・・2・・・1・・・GO!という幻聴のようなものが聞こえる。
パッと視界が明るくなる。
「...ここで斬って捨てましょう。」
「(竜変身!!!)」
[バッ]っと辺りを謎の闇が覆う。
「何だっ!?」
敵が驚いている内に変身を進める。
視界が開けた・・・と同時にある言葉をつぶやく。
「タイム・ドラゴン!!!」
ゴーン・・・と鐘の音が鳴ったかと思えば、辺りは暗闇の世界。
・・・何も見えない。
「(照明になる魔法を教えてください・・・)」
「(仕方ないですね。)」
「フレアライトッ!!」
なんとか見えるようになった。セバスが動かない。まずは近づく。
そこへゴーン・・・と鐘の音が鳴り、時が動き出す。
「っく!!」
振り払い。幸いドラゴンの鱗にかすった程度だったが。
このチャンス、無駄にはしない。
「(ブレス!!)」
炎の息を吐く。セバスは後ろへ下がったかのように見えたが、
「たかがドラゴン、この程度っ!」
着地と同時に居合い切り。
一瞬で背後を回られたと察知した時にはもう遅く、ドラゴンの体は脆く崩れ去った。
切り替わる。薄暗い部屋。
「貴方は死にました。」
「まあ、最初だし気は落さないようにね」
この後の新能力獲得は無く、またさっきの場面へと放り出される。
死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に、死に・・・・
そして、また死にに行く。
「...ここで斬って捨てましょう。」
「お前の顔は見飽きたぜ・・・竜変身!タイム・ドラゴン!!」
ゴーン・・・・
フレアライトはすでに発動した。
「(ウララララララララララララララ!!!)」
爪で引っ掻き、殴り、持てる限りの力を尽くした。
「(〆にブレスじゃあああ!)」
ゴーン・・・・
蓄積した打撃は、一斉に来る。
「・・・がっ・・・!!ぐ・・・油断しました・・・」
「しかし、この程度っ!!」
最初にタイム・ドラゴンを使わなければ一番最初の居合でこちらがやられる。
しかし使えばここから敵が更に強くなる鬼仕様。
敵がこちらへ走ってきたところで竜変身を解除し、手でクリアスマッシュを叩き込む。
狙うのは敵ではなく地面だ。地面に当たった瞬間床が爆発する。爆発の衝撃が大きいが、後ろにもクリアスマッシュを空撃ちする。
ぐ・・・痛いが、死ぬよりマシだ。
「読まれている、か!」
敵は飛び上がり、三角に空を蹴ってこちらへ来る。
その行動は読めている。
幾重もの死による記憶によって。
だから、これの対策も有る。
「影縫い」
薙刀は置いてきた。
だが、代わりの武器は素手で十分だ。
手にブレイブスターのチカラを込め、敵の影を狙い撃つ。
「何っ・・・動けん!」
相手は空中で静止している。
影縫い、それは一定時間敵の影を縫い付けることにより行動を封じるというもの。
効果時間は短いが、相手を混乱させる事には十分だろう。
ここでだ。
俺には武器がない。
ならば。生み出せば良い。
「春の目覚めっ!」
「多重発動!」
桜吹雪の刀・・・二刀流!
そして、・・・クリアスマッシュ・・・だが地面。
わざと自分の足元に二つ、発動させる。
これで飛び上がり退避。
その飛び上がっている間、ブレイブスターで遠距離攻撃を仕掛け、落下寸前で桜吹雪と刀とをダガーシューターで狙い撃つ。
・・・まだだ。
自分の身体が重力に引かれると同時に竜変身。
本来なら変身中は持っている武器はどこかへと消え、解除すると戻ってくるが、これには穴がある。
投げた武器は消えない、と。
MPはまだあるはずだが、タイム・ドラゴンは大量のMPを消費する。
当然だ。時を止めることに大量のデメリットがないはずがない。
しかし、今ここでMPを惜しむことは自殺行為も同じ。
「タイム・ドラゴン!!」
時の止まった世界。
火球を吐きながら、翼を使い一気に距離を縮める。
少し距離があるが、一発食らわせるぐらいには大丈夫だ。
火球を吐きつつ、縮める。
「(・・・ここだっ!!)」
一回転しつつ足で切り裂く。翼を利用し、今度は手で袈裟斬りを繰り出す。この袈裟斬りは首を狙った。
そして 時は動きだす。
まず爪の2ヒット、斬撃2ヒット、火球4ヒット、〆に桜吹雪の刀だ。
「ざっ!?ぐ・・・が、ガアアァァァァ!!!!!!!!!」
しかし、途中で影縫いの効果時間が切れそうになる。
「(これ上書きとか効くよな・・・?)」
敵の影を踏みつけ、延長。
竜変身を解除し、もしもの時のために春の目覚めを使う。
「これで死ななかったら本物の化け物認定だ・・・」
最後の刀が飛来する。
ザシュ・・・といった音だろうか。
刀は、敵の心臓を貫き、貫いたまま勢いを失い、消えた。
やがて影縫いの効果が切れ、バサッと地面に落ちる。
「やったか・・・」
安心したら手に持っていた刀は消えていた。
「はぁ・・・」
疲労、いや、魔力不足だ。
白はふらふらとよろつき、その場に倒れた。
「あなたは死にました」
「・・・まずはこれを見てもらう方が早いと思います。」
・・・苦労は水の泡に。
そして記憶に新しく刻まれるかのような、不思議な感覚がある。
確か、俺は…・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「私をここまで追い詰めたのは貴方が初めてでございます。」
「しかし、残念でしたな。」
セバスの背後に剣が数十本召喚される。
「せめてもの手向けです。一瞬で塵に変えて差し上げましょう」
剣が燃え盛る。
炎の剣といったところか。
2本・・・4本・・・6本・・・と炎が増えていき、
一斉に炎の剣がこちらへ飛んできたところでぷつりと記憶は切れた。
「何なんだよ・・・勝ち目はないのか!?」
「逃げるが勝ち、という言葉を知っていますか?」
「影縫いを当てて逃げに専念したほうが生き残る確率は高いです。」
「無理に勝とうとしなくてもいいんですよ・・・」
優しく、言葉を投げかけてくれるララ。
「ちなみにおそらくあれは吸血鬼という種族です。」
「死ぬ直前で復活できたり、超人みたいな能力を発揮できたり、・・・要するに物(血)があれば無敵です。」
「しかし、こちらには何度でもやり直しができる能力があります!いつか、必ず逃げれるはずです!」
「・・・やり直しますか?」
「少し、考えさせてくれ。」
さすがに持てる限りの力を尽くして結果が得られなかった事は悔しい。
悔しくてたまらない。
例え敵がチートであっても、それは変わらない。
自分は、すべてを攻略する、と・・・攻略し尽して、食らい尽くしてやると。魂に誓った。




