38話 誘導尋問
「・・・少し中を見てくる」
そう言いつつもなかなか足が出ない。
いや、ものすごい威圧感がこの空間を支配していた。
「一体誰じゃこんな時間に・・・」
・・・あちらからやってきてくれるようだ・・・
「・・・あ」
姿が見えたと思ったらさっと隠れて隠し扉を閉じようととしている。
見た目はただの人だが目が赤い。
「どうかここは・・・な?」
「できるか!」
ものすごく話しかけ辛いが、とりあえず聞きたいことがある。
「お前が街をこうした犯人か」
「ち、違うぞ」
「シラを切るつもりか・・・なら食べ物あげるから本当のことを話しなさい」
「食べ物とはどんな物だ?」
「・・・これだ」
肉団子。
これを見た瞬間目がキラついたが、すぐさま冷静になる・・・
「これが欲しくないなら今ここで食べるが、・・・」
「待て待てわかったからそれをくれ」
「なら私がやりましたと言うんだな」
「私がやりました」
肉団子を優しく投げそれを見事口でキャッチ。
「ということでどうするか」
「この子が街を壊したとは思えないわね・・・それに白、よくこの威圧感で喋ることができるわね・・・」
肉団子を食べ終わったようで我に返る。
「しまったああああああああああ!!」
とにかくこの子?が犯人で間違いなさそうだ。
「キミぃ・・・一体何をしたのかなー」
「知らない、何も知らんぞ」
肉団子。
「魔物を召還しました」
「(めんどくせぇ・・・)」
ゆっくり質問していったことをまとめる。
魔王はずっと前からここに潜んでおり、魔物を生み出していた。
ジェネラル系が最近出現していたのもそのせいで、生み出した魔物の状況は把握できるようになっているためそのジェネラル系魔物を俺たちから守るためにゴブリンを大量発生。
途中で生み出す場所を間違えたからあの大惨事に・・・・
「けどなぜあっちはゴブリンでこっちは魔獣だったんだ?」
「わしに近いほうが強い魔物を生み出せるから・・・です」
どんどん声が小さくなっていく。
「もういいじゃろ!これ以上続けるなら街にもっと出すぞ!」
「もう街は壊滅して生み出してもほぼ被害ないんだよなぁ・・・」
「・・・え?」
「本当にごめんなさい」
「そういうつもりじゃなかったんです」
などと供述しており。
「わかったから。・・・街にまだ逃げ遅れた人がいるかもしれない。だからそれの救助はできないか?」
「無理じゃ♪」
この子は一体どうしたいのか。
「じゃあ、助けてくれたら肉団子をいくらでもやる。」
「もう肉団子は飽きた」
「・・・じゃあ、助けてくれたら他の食べ物を持ってきてやろう」
「ほしいんじゃがな・・・無理なもんは無理なんじゃ」
悲しげな目でそう言う。
「なんでか聞いてもいいか?」
「魔物は魔物。だから人を助けるようには出来ておらんのじゃ」
「そういえば、この子は魔物をどうして生み出せるのかしら」
「言っておらんかったか?魔王に不可能なことなどない!」
人を助けるのは不可能なようですけどね。
「ま、魔王・・・」
まずい、スイッチが入りそうだ。
「無理に倒す必要もないだろ。」
「え、ええ・・・そうね」
「よく見るとお前、大蛇から何か力をもらっているようだな」
「加護がないが・・・どうしたのじゃ?」
「消された」
ララというかシステムに。
「ちょっと使って見せてもいいか」
「何をするつもりなの・・・?」
――竜変身。
目の前が真っ暗になり、やがて視界が晴れる。
ゴンッ
「ガアアア!」(あああ!)
「アイガアアア!」(あ痛ぁぁぁ!)
「緑色の竜・・・」
天井が低めだったことに気付いていなかった。
すぐさま解除し頭をさする。
「ほ、本物のようじゃな」
「あなた一体いつの間に」
「仕方ないだろ託されたんだから」
「あの大蛇に」
「あの時・・・いたのね?」
その感情は怒りでもなんでもない。
ただの驚きだった。




