37話 塔に潜む魔王
しかし、なぜあんなものがいたのか・・・
「今の・・・何?」
「説明して、白」
俺にもわからない・・・と言いたいが、さっきの事からして信じてもらえないだろう。
「(叡智)」
「(さっきのは何だ)」
「・・・(魔力の塊だよ、あの塔から出ている防衛用の魔物)」
「魔物・・・らしい、あの塔を守っていると聞いた」
「そんなものが・・・」
ひとまずは納得してくれた。しかし、謎が多すぎる。
まずなぜ塔が急に危害を加えるようになったのか。
そして、塔自身が魔物を使い自分を守るようにしている・・・そのわけは何だ?
そもそもあの魔物は一体何なんだ・・・
「とにかく進めそうなの?」
「進める・・・」
不安なところはあるが、その時はその時だ・・・死んでも問題なく生き返って戻れる。
そう、[ララ]が居るから・・・
そのうち自分の中で目標が切り替わっていった。
そう、エリュシオンを探索、負傷者を救出ではなく、あの塔自体を攻略するということに。
「そろそろ・・・着くな・・・」
「まさか運動会をさせられることになるとは思わなかったぞ・・・」
「うんどうかい?何、それは」
「暑い中体を動かす大会さ」
来る瞬間にしゃがみ、吹き飛ばされそうになるほどの強風に耐え。また来る瞬間にしゃがみ強風に耐える。
こんな競技があったら間違いなくやる人はいないだろう。
「もうあの魔物は来ないみたいだな」
塔の近くまで来ると魔物は襲ってはこなくなった。
塔に被害が出るからか?と思いララに聞いてみたところ、
「(あの魔物はこちらを近づけさせないためで、奥に見られたくないものがある可能性が強いよ)」
・・・奥とは、あの塔のことだろうか。
「帰りも来たりしないよな・・・?」
「大丈夫だと思いたいわね・・・」
「そうだな。帰りも来られちゃこっちが持たない。」
「何後の事考えてんだ、今は探索が先だろ?」
探索・・・いつの間にか自分たちは崩壊したエリュシオンの前に立っていた。
そして、自分自身の目標が塔を目指すことに切り替わっていたことに気付いた。
あの魔物は一体なぜこちらを執拗に狙ってきたのか。
まるでこちらをエリュシオンへ誘い込むように攻撃を続けていた。
・・・ララの言葉と真逆だ。
とにかく奥に何かがある。それだけの希望を胸にエリュシオンの探索を開始した。
「こんなになって・・・賑やかだった街の面影もない・・・」
元々がこの街に住んでいたので探索は捗った・・・が
街がこうまで壊滅的だと探索するたびに何か辛いものがこみ上げてくる。
・・・「(ララ)」
「(名前で呼んでくれましたね♪どうしました?)」
「(・・・あの塔には何がある)」
「(ちょっとまってね・・・居住スペース、ダンジョン、祭壇・・・)」
「(祭壇か。どんなのだ?)」
「(そこまではわからないです・・・)」
「(まあいい、ありがとう)」
「あの塔へ向かうぞ」
「あの塔へ行くったって道がないんじゃ話にならないぞ」
「何が何でも行くんだ」
「・・・わかった。行けそうな所を探すか。」
「ラース、頼んだ」
・・・さて、自分達は負傷者を探す。
なるべく頼んだ位置から離れないように。
家のガレキ、店の前、くまなく捜索する。
「見つからないか」
「駄目だわ・・・死んでる。」
「こっちもだ」
「おーい!こっちだこっち!」
「ラース、見つかったのか!」
「ああ、なんとか通れそうな道があった、こっちだ」
仲間を呼び集めついていく。
なんとか通れそう・・・とは言ったが、完全に大きいでこぼこ斜面である。
「仕方ないだろ、ここしか通れそうな場所が無かったんだから」
「・・・行くか」
どんどん飛び移っていく。
少しずつ進んでいくと、まるで待っていたかのように塔の窓らしきものが見える。
「塔に窓っておかしくないか」
「?」
「いや、こっちの話だ」
「とりあえず叩き割るぞ。」
「「「了解」」」
薙刀の柄で殴る、
バリッ・・・ガラガラと音を立てて崩れ去る。
「しっかし割ったあとも大変だな」
「足元に気を付けろよ」
塔を進んでいく。完全に廃墟と化した居住スペース・・・27層まで進んだ・・・
ここら辺から攻略が進んでいないダンジョンとなっている。
「モンスターは簡単に倒せるか。無視して進むぞ」
ダンジョンを一気に走り抜け、35層ぐらいまで来た所・・・
「ここなら安全そうだな・・・」
「ここで飯にするか」
軽く飯を食い終わり、近くの壁に手をつけると。
ガタッ・・・ガコンと音がなり、仕掛けが作動する音らしきものが鳴る。
「まずい、逃げるぞ!!」
そう叫んだが、無駄だった。
「これは・・・隠し通路?」
「ぅ・・・誰じゃ」
「「「・・・」」」
声だけが聞こえてきた。
まさかと思いララに聞く。
「(ここは祭壇か?)」
「(そうですね!多分ここで合ってます!)」
・・・ビンゴ。
で、もう一つ
「(この声は誰だ?)」
「(魔王・・・)」
「(ノーム)」
・・・シルフの時はそれほど思わなかったけど・・・
「(精霊じゃねーか!!)」
あとは攻撃的な性格でないことを願う。




