魔法都市崩壊(アナザー)
「やっと街が・・・!?」
声が出ない・・・
街が襲われている!!
一体何が・・・
咄嗟に駆け出そうとしたが、ある思いが足を踏みとどまらせる。
-仲間はどうする?-
・・・もちろん助けるに決まってるじゃないか。
「ラース、近くに街はないか?」
「エリュシオンだろ?」
「助けを呼ぶんだよ!」
「・・・わかった。街は東だ。」
この時から運命の歯車は狂い始めていた。
歩いて三時間。やっと街が見えてきた。
「左に曲がれば治療屋だ、早くしないと死んじまう」
「ああ」
「急いでください!事情は後で話す!」
治療屋にいた怪しげな男に診せる。
やがてその男は悲しげな顔をし、
「ひどい傷だ・・・もう治りそうもない。大魔法ならあるいは・・・」
「それで・・・どんな事情があったんですか。」
「魔法都市が襲われている。」
「俺達はクエスト中でいないから助かったが・・・」
突然周囲の人達が凍り付いたように固まった。
凍り付いた場の中で口を開いたのは怪しげな男だった。
「ここで待っていてください。領主に報告してきます。」
「領主様。報告します。」
「エリュシオンが侵攻されています。援軍はいかがしましょう?」
「兵を出せ。援軍へ向かう。エルフィンは前線で指揮、負傷者の救護を。」
「はっ。」
「・・・大魔法師を借りたい。傷の酷い者がいますので。」
「今はいなくてな。2日はかかる。」
「・・・ということです。申し訳ありませんが、私には治す術はありません。」
「俺に、仲間を見捨てろというのか・・・!」
「本当にすみません・・・」
レイカとジョーの最期を看取り、最初に強く思ったことは、
-もう一度、あの時間に戻れたら・・・!!-
あの時はまだ出血もそれほどではなかった。
問題は3時間傷を放置したからである。
この思いは時空を超え全パラレルワールドの自分へと返還される。
そのことを知る機会はこの世界の白にはもうない。
「・・・戻るぞ」
「魔法都市にか」
白とラース、二人の物語は始まった。
※ここで終わりです。続きは前回からとなります。




