34話 パーティ
寝ると朝になる。
それは常識だ。
白は絶望的なまでのニートだが、体内時計はしっかりしていた。
「今日も朝が来た」
目覚めの良い朝。
ギルドへ行く準備をして、また何か良いクエストを探しに行く。
「俺もすっかりこの生活に馴染んできたな・・・」
そう独り言を言いつつ、クエストが張り出される掲示板を見ていると、
「あ、白さん、ちょっとこちらへ」
「?」
そう言われて連れてこられたのは面接室のような場所。
「話があります。」
「オーガジェネラルを討伐してもらえますでしょうか。」
「え?」
「この街の近辺でS級個体が確認されました。そして、この街の最大戦力は白さん、あなたしかいません。」
「あなたはトロルジェネラルを4体、オーガを1体討伐しましたよね。」
「その時点でもうあなたはA+、いや、Sランクに相当します。」
「討伐作戦は明後日決行します。できるだけ少数で行くのが望ましいため、パーティメンバーは4人までとさせていただきます。」
つまり緊急クエスト?
…結局一人で行きそうになった。
作戦当日。レイカから声をかけられ、
「一人とは、気取り過ぎにも程があるわ」
「レイカさん、どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもないわよ・・・」
「オーガジェネラルを倒しに行くんでしょう?それも一人で・・・」
「私も連れて行ってもらわないと勇者の名が廃る。」
と半ば強引に仲間になっていった。
その他にも次々と、
「よう坊主、オーガジェネラル討伐に行くんだってな?」
「武器屋のおっさん!? 店はどうしたんですか?」
「おい、俺の名前が「武器屋のおっさん」だと思ってないだろうな?俺にはラースというちゃんとした名前があって・・・」
「で、何の用ですか?」
「おいおい、いや、おい、・・・はぁ。俺もそれにつれて行ってくれよ。」
「お、ラースゥー、お前もコイツに同行頼みに来たのか?」
「ジョー、お前もか」
「今はこの町の最高ランクだからな、コイツに抜かされるまでは・・・な?」
人数が揃ってしまった。
まあ良いに越したことはないのだが・・・
「では、行ってらっしゃい」
「絶対帰ってきてくださいね!」
何かのフラグが立った音が聞こえたが、まあいい、今はオーガジェネラルだ。
報告のあった森に行く・・・
あれ?
ここは・・・
前に来た事がある。
あの洞窟、ゴブリンのいた洞窟だ!
「ちょっと待っててください。」
「「おう」」
「わかったわ。」
懐かしいな・・・と思い出す。
しかし、そうのんびり思い出していられる時間はなかった。
すぐに後ろからどかん、と音がし、慌てて戻る。
「こ、こいつが・・・」
オーガジェネラルと遭遇した。
戦闘準備に入る。
全員一斉に武器を取り出す。
レイカは杖、ジョーは剣、ラースは大剣だ。
オーガジェネラルとオーガの大きさはそれほど変わらないが、オーガなら普通は身に着けてはいない、「防具」を装備している。
まずは突っ込んでみる。そう言い俺は突っ込む。
・・・ガキーン。
堅いっ!
オーガジェネラルの拳が来る。
・・・ここだ!!
一瞬、閃いた事を実戦してみる。
パンチを受け流し、足を斬る。
そして威圧感から切り払いで離脱する。
「ブレイブスター!」
と技名は叫んだが、感覚で攻撃する。
味方には当たらないように前方だけに向けて攻撃する。・・・いや、ここは縦切りのほうがいいか。
と思い、綺麗な縦切りを力強く繰り出す。
・・・味方は何をしてる?
ふと気になり、周りを見ると、
「っく、一体どこから沸いたというの!?」
「ラース!白の援護を!」
「分かった!」
なんとゴブリンの集団が押し寄せてきている。
このオーガジェネラルが原因か?
「(叡智)」
「(こんにちは、何でしょう?)」
「(この事態はオーガジェネラルが原因か?)」
「(いえ、これは魔王の魔力によって大量にモンスターを生み出しているものと推測されます。)」
「(そうか、ありがとう)」
・・・考える暇がない。
戦いながらなので少し油断すれば致命傷が来る。
さっきの会話だって半分しか覚えていない。
「ここが頑張り時・・・だろ!!」
大剣を振り回し、一番威力の高い構えで力を溜める。
その間は無防備になる。中断し即防御することも出来るが、ここで中断したら攻撃は当てられない。
「・・・・・・・・今だ!!」
「頼んだ白!!」
100%以上の力を出し切り、なおかつ防具の弱い場所ピンポイントに切り付ける。
普段武器防具を見ているラースだからこそ出来る技だ。
防具の弱点を突いた所で、少し防具が剥がれた。
「ありがとよ!」
ここはチャンスだ・・・MPなど気にしない。
クリアバーストッ!!
いつもと違う構えで、薙刀を地面に突き刺す。
辺りに白い霧のような物が出、それを薙刀を振り回し集めていく。
・・・・・・一閃。
薙刀が白い霧の効果で槍のような切れ味を持っている。
突いた所、前方からすさまじい爆発が"連鎖"する。
そして、さっき切りつけた足、離脱するときに切り付けた胴にも爆発が及び、オーガジェネラルの「防具」は爆発に耐えきれず散った。
そして、オーガジェネラルはこの爆発、一閃を受けてもなお生きている。
全身血だらけになりながら咆哮を上げ。
「(危険・・・危険・・・)」
「・・・?」
システムが警報を鳴らす。
にも関わらず白は、
「畳みかけるぞ!!」
・・・自身の力を過信し、すべてを失う結果となる。
(テーレッテー テーレッテー)
何とか剣豪ララに相打ちという結果にしたものの、勝ち負けをハッキリさせたい白は再戦を申し込む
その言葉がララの琴線に触れ、これ以上戦うのなら殺し合いにするという話を受ける。
命を賭けた決闘に白は挑むことを決意。ララからエリクサーをもらい、真剣勝負が始まる!
次回へ続く!




