33話 絶対悪
やっとのことでトロル達を撃破した白は、討伐証を剥ぎ取るのに追われていた。
「これで全部かな・・・」
さすがに手では持ちきれないので持ってきた袋に詰める。
「赤い服付けたらまるでサンタだな」
「おかえりなさい!どうでしたか?」
「ちょうどいい相手だったよ」
実際は全然丁度よくもない相手だったが・・・
「これで全部・・・と、合計で512マールとなります」
「ありがとう」
内訳はトロルジェネラルが大半を占めている。
トロル自体はそれほど強くはないが、上位個体のジェネラルが格段に強いといったところだ。
トロルジェネラル一体で100マールという感じである。
ちなみにオーガは60マール・・・ますますオーガがトロルジェネラルを率いていたのか分からなくなってきた・・・
とりあえず報告だけでもしてみよう。
「そういえば、オーガがトロルジェネラルを率いていたんですが、どうしてですか」
「聞いた事のない話ですね・・・」
「一応ギルド長に報告しておきます。今後もこういったことがあれば報告してください。」
とても気になるが、今は情報も何もないだろう。
それよりも、この初めての大金だ。
マール銀貨(500マール分)を初めて持ったうれしさをそのままに、スキップで武器屋へと向かった。
「いらっしゃい。」
「よっす!おっさん、武器をもっと強くすることってできるか?」
「できなくはないが・・・・」
「失敗したら全部消えるぞ。」
この手の強化は格段に強くなる代わりに失敗したら全ロストというハイリスクハイリターンと決まっている!
「じゃあ、どれぐらいかかるんだ?」
「320マールだ。」
・・・大金じゃねーか!
結局320マール支払い、10分ほど待つ。
やがておっさんがやってきて、驚いた顔で、
「成功したが・・・出来栄えが更にいい。」
「大成功だ。」
自分の運の良さに驚きつつ、武器を受け取る。
受け取った瞬間、武器からオーラが出ていることに気付いた。
「そのオーラは俺でも見た事がない。その辺のモンスターでも倒して確かめてくれ。」
薄く、そして強さを感じさせる白いオーラを纏っていた。
「(ステータス)」
鱗動 白
Lv216(156545/432000)
HP 2160/2160 MP814/814
パッシブ:ダガーシューター 叡智 武器術Ⅳ 探索能力Ⅳ 交信
スキル:春の目覚め 夏の空 クリアスマッシュ
スーパーブレイブモード(使用済) 竜変身Ⅱ(MP0)
ブレイブスター 切り払い
螺旋の剣撃 影縫い
「(あれ?前にはなかったスキルが増えている・・・)」
竜変身が竜変身Ⅱになっている・・・
武器屋のおっさんにお礼を言い、軽く外へ出る。
誰もいなさそうな場所を選び、
「(竜変身!)」
雷が落ち、辺りが真っ暗になる。
やがて明るくなり、気がつけば視界が高くなっていた。
いろいろ確かめた結果、前のときより一回り大きくなったようだ。
翼も大きくなり、飛ぼうと思えば簡単に飛べるようになっている。
竜変身を解除し、まだ試していなかったスキルを使う。
「(叡智)」
「(こんにちは。)」
「お前かっ!」
そう、叡智とは「システム(自称自分の本心)」さんが色々教えてくれる。それだけである。
中には知らないことまであるので、とりあえず今聞きたいことを聞いてみる。
「なんでオーガはトロルジェネラルを率いていたんだ?」
「(通常は弱いモンスターが強いモンスターを従えることはできませんが、この世界の魔王の力によって強いモンスターを弱いモンスターに付かせたものと推測されます。)」
つまりこうだ。
所属は魔王だけど魔王の命令により弱いモンスターのところへと出張しているということらしい。
モンスターにも自我はあり、会話ができるらしい。
魔王の命令でなければ強いモンスターが弱いモンスターの所へなど行きもしないといったところだ。
ということは・・・
あのトロルジェネラルは魔王軍の兵士だったのか・・・
「ってまずいじゃん、ここ(エリュシオン)に魔王軍来たらやばいじゃん・・・」
あれで魔王を怒らせたら平和が崩れて戦争になる。
この世界の魔王の存在はあまり知られていない。
モンスターはモンスター、人間は人間という風にそういった認識であるらしい。
モンスターの王だからこそ魔王、人間の王だからこそ王様。
モンスターに人権はなく、人間に倒されるべき存在。「絶対悪」として存在しているらしい。
魔王と会話した時はこういう風には見えなかった。
客観的に見て大半が人間の偏見であるということだ。
色々あって疲れたので、部屋に戻り寝た。
(テーレッテー テーレッテー)
強さを求めるため世界を渡り歩く白。
強い魔物が出没する火山の話を聞いた白はそこで龍狩りへと赴く!
そこでまたも出会った剣豪ララ!そこで白は立場関係なしの手合わせを申し込む!
次回へ続く!




