19話 4度目の世界-11
八岐大蛇の首は一斉に飛んできた。
どこからでも攻撃してくるように・・・本当にどこからでも攻撃してきやがる!!
紙一重で「一本目の」首を回避したところに「もう一本」の首が攻撃してくる。
咄嗟にハルバードで首を刺す。
そんなにダメージはないようだ・・・そこへ次の首が来る。
ハルバードを抜いてる暇はない、このまま斬り払う。
そして後ろまでハルバードを持っていき、ギリギリ命中し首の動きが止まる。
「キリがない」
と言ったところでレイカが気になる。
次の首が止まったその瞬間に後ろを振り向くが、
なんとレイカには全くと言っていいほど首が来ていなかった。
「あなた何か怒りを買うようなことをしたの?」
驚きつつレイカが聞く。
「覚えがない」
そう言いつつ首を捌く。
「レイカ!何か攻撃の手段は!」
「睡眠魔法と火の魔術ができるわ」
「わかったとりあえず下がって火の魔術使ってろ!・・・やっぱそっちに攻撃が向かないように下がって待ってろ!!」
火の魔術を使ってほしいと言ったが、首がレイカへ向かったら対処する術がない。
「ハルバードじゃ不安だ![春の目覚め]!!」
片手に刀、片手にハルバードを持っているせいでかなりバランスが危ういが・・・
「・・・」
「桜吹雪、お前が頼りだ!」
桜の花びら達に首の対処をするように「指示」する。
花びらは対処しにくい首を次々と止めていく、そして確実にダメージを与えていく。
「この間に弱点を・・・右!」
花びらは言った方向(言う前に動いているっぽいが)を高速で防ぎに行く。
花びらによる防御、白による弱点探しは少しの時間が経ち、ついに白は弱点を見つける。
「一つだけ 動いて いな い 」
不自然に途切れているのは花びら達に指示をしているからだ。
「ここか!」
疾風突きで近づく。ハルバードで攻撃するもダメージが少ないと見、回し蹴りした後に刀を振り回す。
花びらの防御を越えてきた首が防御に入ってくる。疾風突きで離脱する。
花びらを刀付近に漂わせ、
ハルバードを床に置く。
白は首どもの内部から消滅させる作戦に出た。
疾風突きではない、普通の突きをイメージし、来た首を突いていく。
突いたところで後ろから首が来るが、できるだけ早く後ろに投げ軽くジャンプし刀に首が食いついたところで春の目覚めを再発動させる。
隙が出来た首を斬り落とす。
「あと五体」
その後も順調に行動不能にしていく。
「あと二体」
後一体になったその時に咄嗟に後ろと花びらに指示を出す・・・首に阻まれて動けない・・・!?
春の目覚めを発動し、これでMPが尽きるといっても命には代えられない、「もう一本」の刀に付いている花びらに防御を頼む。
やっと防御ができたが火の粉が見えた・・・火!?
「お前か?レイカ」
「ごめんなさい・・・禁術を使うことは勇者にしか許されていない・・・」
「その勇者は国が認めなきゃなれないとかいう安っぽい物じゃないよな?」
レイカの顔が少し曇る。
返答を待つ間、何故ここで攻撃してきたか考える。
すぐに答えは出た。
首が減った今でなければ例え俺を倒しても戻れないから・・・
首から刀を抜いて二刀流になったところでレイカが喋る。
「なぜあなたは禁術を易々と使えるの?」
「禁術かどうかは知らないけど、コスト(MP)は安いぜ?」
「ありえないわ、例えMPが少なくても多重発動なんてものはできない。」
「そうかぃ・・・グッ!!」
頭がとても痛い。
「チャンスを作ってくれるなんて優しいのね」
火球の準備に入る。
割れるように痛い頭でなんとか桜に指示を出す・・・その前に。
交信スキルを発動させ、名も知らぬ神のようなものに「演算処理」を任せる。
頭の痛みが引いていく。
「!?」
「まさか・・・自力で立ち直る・・・?あなたは一体何者なの・・・」
「俺はただの白、頭だけはいい鱗動 白だ」
「勇者が・・・ふたり・・・」
レイカは座り込んだ。
もう攻撃して来たりはしないだろう。
花びらに防御を任せていた大蛇の首をひとつ斬り、最後の首に勝負を挑む。




