20話 真実と嘘
近くにに落ちていたハルバードを手に取り二刀流を解除する。そして大蛇に挑んだはいい、だが・・・
こちらの攻撃が全く効かないのだ。
まるで他の首が倒されたことでより強くなっているように。
「キリがないどころかちょっとまずいな・・・」
その瞬間大蛇が火球を吐き、その火球が分裂していく。分裂した先はこちらではなく天井と床。
やがて火球は天井や床、壁には当たることなく丸の形で「浮遊」している。
火球の並ぶ形に気付いた瞬間、世界が止まった。
「そろそろお前は言葉が分かるのではないか?」
「だれ・・・だ・・・?」
大蛇が喋って激しく動揺する白。
「なるほど、言葉は分かるか。ならちょっとだけ話に付き合ってもらう。」
「儂は魔王、世界で7体居る内のな。魔王といっても神に大蛇に変えられたただの[日本人]だ」
ここで白以外の日本人というキーワードが出てくるとは思わなかった。
「そちらも日本人という言葉に心当たりはあるのではないか?」
「この世界を知らないのなら何か教えてやろう。何でも質問するがいい。」
「この世界は何なんだ?」
あえて死んでも復活する事は伏せ、話を続ける。
「何のために俺はここにいる?」
「そうだな・・・いうなら儂らはこの世界の[玩具]だ。ただの神の気まぐれに過ぎんのだ。この世界に[召喚]されるということはな。」
「そこのレイカと言った女も魔王と同じく勇者として神の玩具にされている。本来魔王が7[人]、勇者が1人のはずなのだが・・・詳しいことは聞かないでおこう。」
「他には?」
「なぜお前は最初に敵意むき出しで攻撃してきた?」
「はっは、首には単純な命令しか受け付けなくてな、戦うななんて難し...」「嘘だな。」
「お前は俺を見つけた瞬間攻撃体制に入った。それが何か聞いているんだ。」
「すまないすまない、そういうことか。こちらが敵だと思った。ただそれだけのことだ。」
くるっと言っている事が変わった。何か怪しいが、さっき話したことは真実らしいので水に流す。
「犠牲者を出さないためには、お主の協力が必要なのだよ・・・」
犠牲者・・・日本人のことか。
「最後に聞くが本当に聞くことはないんだな?」
「あ、ああ」
「なら最後に力を授けよう。この力で世界を救うことを信じているぞ・・・」
ログには竜変身を獲得したと書かれていた。
やがて時は過ぎ、大蛇はなぜか息絶えていた。
「終わったの・・・?本当に・・?」
レイカが聞く。
「とりあえずはな、でお前は大丈夫なのか?」
白が答え、聞く。
「勇者は一人よ・・・それだけは分かる。」
「あんたは本当に勇者なのか?」
「ええ・・・周りの人達に仕立て上げられた勇者よ。」
「とりあえず俺は勇者なんかじゃない。ただの旅人だ。周りの人々に言われてなるのが勇者なら俺には周りの人なんていないしお呼びでもない。」
「白・・・」
これからは勇者に付いていく旅人として生きていこう。




