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桜の舞う摩天楼  作者: ハイク
第一章 チュートリアル
16/68

15話 4度目の世界-7

この魔法都市エリュシオンに住むようになって半月、すっかりこの街にも馴染んでいた。

住居はギルドが用意してくれたものの、塔からだいぶ離れた空き家だった。

白は討伐ギルド(レイカの入っていたギルドだ)に転がされるように入れてもらい、日々小銭を稼ぎ食っていた。

この国の貨幣は真ん中に大きな穴が開いた銅貨だ。一枚で1マールと言う・・・そのまんまだなオイ。

マール貨幣は銅、鉄、銀、金、白銀の順で価値が高くなっていき、マール白銀貨は一枚あればなんでも買えるとされている。ただ普通に暮らすのに必要な種類は銅、鉄だけで十分だ。


今回の依頼はゴブリン5匹を狩れというクエストだ。これがわりと難しい。

ゴブリンという亜人種は、基本集団生活をしているので一人で挑めば投石と近接攻撃の連携プレーで低級討伐員は沈んでしまう。

レイカも一人で挑んだらしいが、範囲を広げた睡眠魔法で眠らせて一匹ずつダガーで刺していくだけで終わったとのことだ。

ゴブリンの防御力は皆無なので範囲魔法があれば一瞬で倒せてしまうのだが・・・白は魔法はあっても範囲魔法はない。

死んだら復活できるのだろうかと心配しつつゴブリンのいる森へと進んでいった。


もちろん武器は石の槍、状況判断さんがなくても槍術先輩のお蔭で戦えている。

ゴブリンがいると報告のあった場所に着き、ゴブリン6匹(うち一匹は格が違うようだ)に遭遇した。

ゴブリンが扇状に前衛三匹、後衛三匹と並んでいる。


思いついたことを試すため、春の目覚めを初手で発動させる。

槍を左手に持ちつつ刀を右手に取り横に薙ぎ払う。すると桜の花びらが扇状に散り、前衛ゴブリン達を消滅させる。後衛は花びらの射程が足りず、無傷だ。


当然の様にいつのまにか刀は消えていたので槍を両手に持ち構える。

後衛ゴブリン3匹(真ん中にリーダー格のゴブリンが居る)が慌てて石を投げまくっている。

何発か被弾したがどれも軽傷だ。致命傷になるような飛び方の石は槍術で落としているため無事だった。

やがて石が無くなり逃げようとするゴブリン・・・疾風突きを使い一気に距離を詰め一匹一匹を突いていった。


討伐の証を剥ぎ取った後、3匹消滅させてしまったことをどう説明するかと悩んでいた。

ふとステータスが気になり・・・スキル交信とログの力でステータスだけを表示させる。

Lv16(125654/150000)

HP132/160 MP30/80


経験値のインフレが激しいと思ったが毎日戦ってばかりなのも事実、明日はのんびりするかと決め、ギルドに報告するべく森から脱出しようとしたその時。

「グルアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」

森のくまさんと出会った。

ログにはちゃんとジャイアントベアと出ているが。


爪攻撃に注意しつつ顔を狙うと決め、距離を詰める。

熊がお得意の爪攻撃をしてきた。

避けられない・・・!?気が一瞬緩んだタイミングで襲ってきた。

槍で熊の手に突き刺し、そのまま槍を手放しバックステップ。

あそこで槍を手放さなかったら反対の爪の餌食になっていたところだ。

予備の槍を鞄から出せば、熊は隙を見つけ襲ってくる・・・そんな時だからこそ白は残り一発の春の目覚めを使う。


刀を手に取り構える。集中して刀で突くイメージをする。

熊が隙と「間違えて」とびかかる。

白はゆっくりと研ぎ澄ました突きをスキルに乗せて胸を突く。

「疾風突き!!」

熊の胸は深々と突き刺さり、桜の花びらが内部から熊を消滅させていく。



討伐の証の熊の手だけは残すように祈りながら刀を意識から外していく。

熊の手が消滅する前に刀は消えていた。証の熊の手を剥ぎ取り、魔法都市へと帰って行った。

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