16話 4度目の世界-8
6・11 手加減→力加減に変更しました。
「全く、倒したのに証ごと消滅させてしまうとか、一体何をやらかせばできるんですか!!」
ギルド受付の、若い男性員の一言目がそれだ。自分でも消滅させるほどの威力があるとか思いもしなかった。
「えーと、消えてしまったのはゴブリン三匹で、代わりにジャイアントベア一体とホブゴブリン一体・・・一体何やらかせばできるんですか!!」
二度も言われてしまった・・・
この討伐ギルドにはランク付けがされており、Fから順にF+、E、E+・・・という風にSSS+ランクまである。当然俺はFランクからのスタートなのだが・・・
そしてこの街で一番ランクが上の人はB+とのこと、なんでSSS+まで作ったんだ。
「まあこれだけの実力があるならば一気にD+まではいけますね。昇格試験受けられますよ、よかったですね。」
「よかねーよ、全く、何でアイツと戦わなきゃならないんだ」
ギルドは素性の不明な俺を快く拾ってくれた。しかも歓迎会付きでだ。
ただ歓迎会の内容は、ギルドのみんなが見ている中で試験官と戦えというものだった。
得意な槍ではなく剣で戦えというものだったので実力は認められずFからのスタートとなった。
そしてその試験官は、とても戦い辛い。隙を的確に突いてくるという点で。
そしてその試験官は、この街でランク最上位のB+の方だ。
そしてこの試験官は、とても・・・・
「試験開始」
審判の声で一斉に走り出す白と試験官「ジョー」。
武器は白は槍を認められ、槍を使い、ジョーは剣(しかも木)を使っている。
やがて先にジョーが白の間合いに入り、槍で突いてくるがジョーはやすやすと避ける。
ジョーが突いた隙を見逃すまいと槍に向かって剣を入れてくるが、白は即座に槍を手放し、足払いでジョーの体制を崩す。
槍が剣に当たって少し遠くに行くが、そんなことを気にしている余裕はない、ジョーがすぐ体制を立て直し、後ろへ下がる・・・下がった先に槍がある。槍の飛んだ先をジョーは見逃さなかった。
しかし、白はまだ諦めてはいなかった。疾風突きの構えを取りながら拳に力を集める。
ジョーは槍のすぐそばに来るその瞬間まで気がついてはいなかった。
「疾風突き」
その掛け声と同時にジョーが剣でガードをするが、白にはその行動は分かっていた。
剣の持つ「手」に向けて突きを放つが・・・
「終了!」
「勝者、白!」
わああっと歓声が響き、白は安堵した。
何が起こったかというと、
剣を持つ手に攻撃するも、剣を「真下」に投げられさらに掌でガードされる。
ガード後、ジョーが急降下する剣を足で白に向けて飛ばす。
足元を狙われたが間一髪回避し、たまたまその位置に槍があった。
それを拾う代わりにこけたが、白がこけたことをを好機と思ったジョーが追撃をしようとしたところで、槍をジョーに向けた。
かなり運が良かっただけなのだが、どうもぱっとしないのは序盤から槍を捨ててしまったことだろう。
槍を捨てていなければ違う未来があった可能性もある。ただその未来を知るためだけに死ぬわけにはいかない。
これが実戦だったら死んでいるところだと心に刻み、晴れてD+ランクへと昇格した白。
そしてこの試験官は、・・・とても力加減がうまい。
序盤、槍を狙わず体を狙われていたらやられていた。
ただ安全とはいえ木剣(+ジョーの腕力)なので槍を狙って無力化しようとしたのだろう、しかし白は本来ならば武器の種類ごとにしか使えない「スキル」を他の武器でも扱えた。
例えそれが拳であっても。
「ありがとよ、お前が腹を狙っていたら負けていた。」
「そっちこそ、拳でスキルが使えるとは思ってなかったさ。」
「じゃ、乾杯!!」
歓声に包まれた宴はこうして開かれた。
作者のポンコツ頭よ、動け。




