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奈落の空  作者: ぴこ
跳梁跋扈編
96/179

96話 虎と狼

「「ルシル!」」


俺たちがそれを認識するのを待っていたのか?

いや、待っていたんだろう。


蛇は鉄骨を絡み付かせたままゆっくり立ち上がった。


「この野郎!」


ジローさんが蛇の腹に蹴りをいれる。

やはり蛇は微動だにしない。


「くっそ!」

効かないとわかっていても一発いれたいんだな。


俺達はいったん距離をとる。


「どうする兄ちゃん?」

「どうするって…」

「ルシルだにゃあれ…」


奴の頭にある人面。それは明らかにルシルだった。

「お嬢ちゃんたちの仲間か?」

「そうだ!なんとか助けないと!」

「でもどうするニャ…」


そうなのだ鎧の隙間とかならいざしらず

なんであんなとこに埋まってんだあの女!


「案はなさそうだな…」

「ジローさん?」

「恨んでくれていい。」

ジローさんの右腕が赤く燃え上がる。

そしてまだ完全に動けない蛇の頭上に飛び上がるとルシル目掛けて腕を突きいれた!

ジュゥ

防ごうとした蛇の髪が溶ける。

どんな熱量だよ!

蛇は必死に頭を振ってその突きをかわす

何本かの髪が焼き切れるが

同時に何本もの髪がジローを貫いた。


「ちっ!なら…」

「止めてくれジローさん!」


ジローさんは蛇に貫かれたまま蹴りをいれて無理矢理離れると床に腕を突き刺した。


まさか…そのまま蛇の回りを走る。

バスケットゴールがある部分は飛び越えているが

ぐるりと一周し止めとばかりに床を蹴った。

床は砕けた。


蛇は床の鉄骨をからませたまま空に落ちていった。


「ジロオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

俺はジローに飛びかかった。

全身を弓のようにしならせ拳を振り抜く。

拳はジローの顔面に直撃しジローを壁まで吹っ飛ばした。

俺の拳がジローを殴ったことで焼けているが

知ったことじゃない。


殺す!

俺の中なからどす黒い感情が吹き出し荒れ狂った!

そのままジローに向けて走り飛び蹴りを浴びせる。

このまま落とす!

ジローの胸に蹴りはヒットしてジローは壁にめり込んだ。

隙間から空が見える。

死ねクソ虎が!

俺は拳を引き絞り再びジローに打ち出した。

しかしその拳はジローの掌でとめられ握りしめられる。

瞬時に俺の拳が焼きゴテでもあてられたように煙をあげ始める。


「殴られるのはしょうがねぇが殺されるわけにはいかねぇな…」

「いいから死ねよ!」

俺は反対の腕でさらにジローを殴るが

それも掌で握りしめられる。

焼ける…クソ痛い!

ロボ、痛覚切れ!

(ダメだ!落ち着けユウマ!)


ならいい、押し込む!

俺は両手が抑えられた状態から無理矢理ジローを壁の奥へ押し込む。


しかし図体はジローの虎の方がデカイ。

逆に押し返されジローは壁から脱出し

俺は逆に仰け反る。


「一回燃えとくか兄ちゃん?」

ふっ!

俺は足を踏ん張るのを止め体操のつり輪のように腕を起点に逆さになるとジローの顎を両足で蹴りあげた。

ジローは吹き飛びさっきめり込んだ壁の上にぶち当たる。

同時に俺の腕が燃え上がった。

俺は後ろに転がりながら燃える拳を握りしめる。

落ちてくるジローの腹に拳を振り抜いた。


再びジローが壁にめり込む。

ガシっ!俺の両肩が掴まれる。

「燃え散れクソガキ!」

ゴッ!

俺の肩から炎が吹き上がる。

そのままその炎が顔に燃え移る。

グアッ!

俺は燃える手で自分の顔面を押さえるとゆう

自爆もあいまって転げ回る。


「止めるニャ!お前ら!」

「うるせぇ!女は黙ってろ!」

ジローが止めようとするコハルちゃんの手をはらった。

「熱っ!」

「すまね…」


俺は怒りでまっ白になる。

ロボ、火をどうにかしろ

(待て!ユウマ!っくそ!)


どうやったのか体から火が消える。

俺はゆっくり立ち上がった。

火は消えたがヒドイ火傷だろう。

知ったこっちゃないが


「コハルちゃんのいてて」

「そうゆうこった。」


俺はジローに向かって歩く。

ジローもこっちに歩いてくる。

お互いの拳が届く距離に達した瞬間、

同時に拳を放った。

御互いの顔面が弾ける。

右に左に何にも考えずフルスイングで相手を殴る。顔面、腹、肩、側頭部と闇雲に殴った。

同時に俺もボロボロになるが拳はひかない。


こいつだけは…

ただ打撃音だけが体育館に響いていた。


もう何発殴ったかわからなくなった頃。

俺の拳が掌でとめられた。

もう片方も握りしめられている。


俺は頭1つ高いジローの面を睨み付けた。


「俺に勝とうなんて1万年早ぇんだよガキが!」

バコン!

思いっきりのけ反った体勢からの頭突きをくらい


俺の意識は刈り取られた。


クソが…

初対決は虎の勝ちで。

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