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奈落の空  作者: ぴこ
跳梁跋扈編
78/179

78話 巨像

バトル回が頻発してます。

あれ?象は?

マンションの駐車場には虎ともう一人獣人がいた。

何…あれ…

確かに獣人なんだけど私が知る獣人と少し違う。


顔は人なのだ。

髪もなく眉もないが確かに人の顔だった。

非常に筋肉質な体型だがフォルムは人のそれに

見える。

ただその左腕は象の鼻だった。

そして右腕には二本の象牙の牙が生えてる。

足は…見たことある。あれは象の足だ。

何より肌の色が完全に象のそれだった。


さっきの象があぁなったの?

ならあの象も私達と同じような…


パオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

象がその鼻を鞭のように虎に打ち込んだ!

虎は右腕でその鼻を止める。

巻き付いた鼻が一瞬燃えるがすぐ煙をあげ火が消えた。


何で燃えないの?


腕を巻かれて右腕を封じられたところに象牙の牙が振り下ろされる。

虎は左腕で象牙を受け止める。

左腕に力が入らないのか肩口まで押し込まれる。

そういえばオラウータンに鉄骨喰らってたわね。


ゴウン!

虎の両足が床に沈む。

象の右腕に火がつくがまた消える。


何が起きてるの?

虎の熱はすさまじい。

それが2連続で不発なんて。


象は両腕でさらに虎を床に押さえつけると

虎に頭突きを喰らわせる。

バコーン!

虎の頭が下に弾ける。

さらに膝蹴りをいれる。

お腹に一発顎に一発。

虎が仰け反り後ろに下がる。

そこに象は右腕を振り抜く。

虎が避けようとするが右腕に巻き付いた鼻がひかれ体勢を崩され避けきれず、左頬が裂けた。

しかし虎は体勢を崩しながらも傷めた左腕をアッパー気味に突き上げた。それが象の脇腹に突き刺さる。

象は微動だにしなかった。

一発だけなら。

虎は象に密着する距離まで詰めると左腕でフックぎみなパンチを同じ場所に叩き込んだ。

象はたまらず左腕の鼻を引いて虎を引き剥がそうとする。

すかさず虎は象が引っ張った方向に離れ鼻を左腕でつかみ握りつぶした。

ゴッ!延焼はさはしないが潰された鼻の先は燃え上がった。

象は離れて燃え上がった鼻を駐車場の柱に擦り付け消しにかかる。


そこに虎がダッシュをかけ左肩から体当たりをかます。

怪我してんじゃないの?マゾなのかしら?

体当たりを喰らって怯む象の鼻を左手で掴む。

ジュー!

今度も燃え上がることはなかった。

だけど大量の蒸気が噴出する。

まさかあの象…

よく見れば床には大量の水が撒き散らされてる。

常に大量の水分を分泌してる?

でもそんなことしてたら…

象は虎に鼻を掴まれてるのを振りほどくと更に後ろに下がった。

明らかに皮膚から潤いを失って体が縮んでいる。

ナメクジかあの象…

ここぞとばかりに虎が象に攻めかかった。


虎の拳一発ごとに象の体から水蒸気があがり

後ろに押し込まれる。

流石に決まったわね。

そう思ったとき床のダクトを虎が踏みぬいた。

ジリリリリリリリリリリリリ

警報音と共にスプリンクラーが起動した。

虎の体に触れた水が蒸発し水蒸気が辺りを包む。


スプリンクラーはまずい。

虎の熱が奪われるだけじゃなく…


水蒸気の向こうから体を元よりも一回り大きくした象が体当たりをかましてきた。


虎が私のいる辺りまで吹っ飛ばされてきた

辺りはスチームサウナみたいな状態になってる。


虎がこちらを見た。


「まだ逃げてなかったのかお嬢ちゃん」

「やっぱりジローか…」


なんの捻りもない。まぁ当然のようにジローだった。

虎、もといジローは立ち上がった。

象はゆっくりこちらに歩いてくる。


「手伝わなくていいニャ?」

「まぁ見てろって!」


象の体はさらに大きくなったように見える。

ジローは左手で右腕をつかみ力を溜める。

目に見えてジローの右腕の熱量が高まる。

金の体毛が熱を帯び肘から上が赤色化する。

ジローを中心に蒸気が増す。


見る間にジローの右腕が燃え上がった。

自分さえも燃やす熱量。


ガオオオオオオオオオオオオオオオン!

虎の咆哮と共にジローが駆ける。


パオオオオオオオオオオオオン!

象もその象牙の右腕を握りしめ振りかぶる。

その二本の象牙はネジくれ一本の巨大な牙に

変化していた。

拳と拳がぶつかった。

その瞬間蒸気が噴出する。

またもジローの熱量が象の水気に抑えられたかと思えた。

しかし確かに蒸気は噴出したままだが象牙は飴のように溶け虎の手刀に突き崩される。

象牙が裂け腕が裂ける。

そしてジローは手刀を拳に握り直すと

その拳は象の顔面をとらえた。

燃えはしない。

燃えはしないが象の頭が弾けた。

よろけた象の顔面にさらに左拳が突き刺さる。

右、左、右!

連続して拳が象の顔面を打つ。

エンジンがかかってきたのか、さらにボディに四発、また顔面に三発パンチがはいる。


ついに象が膝をついた。

身体中から蒸気を発するジローは膝をつく象の頭にハイキック!

ズダーン。

象は顔面から床に倒れ臥した。

一歩近寄る。


そして倒れた象の頭を踏み潰した。

そしてその左胸に腕を突き入れ手を引き抜いた…

ゴッ!

象の遺骸は燃え上がった。


ジローはその腕を濡らす血を舐めた。


その姿はまさに獣のそれだった。


ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


獣の咆哮と共に獣達の戦いは終わりをつげたのだった。





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