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奈落の空  作者: ぴこ
跳梁跋扈編
76/179

76話 シャチ

地上まで出た私が見たのはシャチだった。

もちろん生きてるシャチじゃ~ない。

海とかプールで見るあれだ。


ジローはそれにまたがった。

「乗れよ。」


何…そのドヤ顔。

確かに私の見かけの年齢なら喜ぶかもしれないけど、これでもそれなりに大人だ。

それは恥ずかしい。

「えっでも…」


「定員の心配か?お嬢ちゃん小さいし余裕だぜ!」

「別に心配とかじゃなくて…」

「あーめんどくせぇなっ!」


ちょっ何?!

ジローは私の襟首をつかんで持ち上げると私をシャチに乗せた。

自分の足の間に座らせる。

もう観念するしかない。


「よし、出発!」

ジローは壁を蹴った。

「え?」

シャチは一気に飛び出した。

「ジロー?どうやってコントロールするの?」


「最初は団扇扇いでたんだけどよ。めんどくさくなっちまってな。今はこれだ。」

そうゆうと鉤爪とロープを取り出した。

それをブンブン振り回す。

「これを…こうして…こうだ!」

投げた。

電線に引っ掛かりそれを引っ張る。


「こんな方法考えつきませんでした。」

「かっけーだろ?!」

「…そうだね。」


すごい体力任せな方法。

扇ぐ方が楽だと思う。


投げる、引く、外す。

投げる、引く、外す。

その繰り返しで進んだ。

時おり壁を蹴ったり電柱蹴ったり


そのうち目の前に大きな建物が見えてきた。

あれが警察署かな?


「むっ…」

「どうしたの?」


ジローはシャチを進めるのをやめ少し前の路地に

シャチごと隠れた。


「見ろ…」


警察署の辺りに何かいる。

地面に立ってるってことは人間じゃない。

しかもどのシルエットも大型の動物ばかり。

犬猫やネズミなんかは町にいる動物だけど

あんな大きなのはいない。

うわっ象とかサイとかいる。

キリンとか逆さだと異様ね。


「なんであんなのいるの?」

「うーん。あっ!わかった!ほら、あれだ!」

「え?」

ジローは山の方を指差した。

バカなの?山に象なんていないでしょ。

「山にキリンはいないと…」

「違う違う、知らないのか?あそこに動物園あるだろ?」

「動物園?ほんとですか?」

「そんなにデカイのじゃないけどな。」


ってことは最悪なんじゃないの今の状況。

獣の声に混じって発砲音や喧騒が聞こえる。


「どうするの?」

「逃げるに決まってんじゃねぇか!

どうすんだよアソコ行って!」


「…そうだね。」


キキッ


嫌な声が聞こえた。

路地の先に猿がいた。

一匹か。路地を塞ぐように立っている。

「ジロー…」

「わかってる」

そっとシャチを路地から蹴りだした。

キキッ!キキッ!キキキキッ!

路地の向こうにさらに6匹の猿が現れた。

うち一匹はオラウータンだ。


これはヤバイ!

もっと遅い系ならなんとかなるかもだけど…

猿はこの世界では危険だ。


ジローが全力で壁を蹴った!


グオオオオオオオ!

警察署にいた中で像と熊がこちらに向かってきた。


こいつらも!


ジローが鉤爪を全力で投げた。

15メートルくらい向こうのビルの窓に鉤爪は飛び込んで引っ掛かる。


「とりあえず建物の中に入んぞ!」

「うん。」


グングンロープをひきビルの2階の窓から

シャチごと突っ込んだ。

中は飲食店だったようでテーブルや椅子がひっくり返っていた。


「上に行くぞ!」


私たちはビルの一階を目指して部屋の扉にたどり着くと同時にガラスが割れる音と猿たちが飛び込んできた。

もう追いついて来たの?


さらにガラスが割れる音が廊下から聞こえた。

ヤバイ廊下に先回りされた。



私たちは完全に猿に包囲されたのだった。










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