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奈落の空  作者: ぴこ
跳梁跋扈編
75/179

75話 隠れた名店

「で、どこ行くのジロー?」

地下道を私たちは歩いていた。

「とりあえず腹ごしらえだな。」

ジローはズボンに手をいれてダラダラ歩いてる。

すべての所作がチンピラなのよね…

「そこ登るからな。」

通路の途中の横穴から上に登りはじめた。

しばらく登ると少し大きな通路にでた。


「ねぇご飯にするなら下に行かないとスーパーとかコンビニ無いんじゃない?」

「あるんだよ。いいからついてこい。」

しばらくすると向こうから光が射した。

電気の光?

闇の中から現れたのは手引きの屋台だった。

チャララーララ♪チャラララララァ~♪

スピーカーじゃない。

ガチのチャルメラだ!初めて見た。


「お~い!じいさん!」

ジローの呼びかけに応え屋台が動きを止めた。

「ラーメン二つ!」

ジローは慣れた感じで屋台に向かい勝手にテーブルに載った丸椅子を二つ下ろして座った。

「ほら、お嬢ちゃんもこっち来い。」

暖簾を押し分け椅子に座ると

おじいさんが鍋に火をかけていた。

「ビックリしたろ!」

「はい…」

「都市伝説にもならない隠れた名店てやつだ。」

「隠れすぎだよ」

「はははははっ!昔からじいさんには世話になっててよ。二日にいっぺんはここに来るんだよ。」

「あの、おじいさん外がどうなってるか知ってる?」

おじいさんはこちらを見て首を横にふった。

眉毛が長く。防止を目深にかぶっているから表情はわかりにくい。

「外は大変なことになってるんだよ。」

「じいさんには関係ない話だ。じいさんここから出ねぇし」


おじいさんは黙々とラーメンの準備をしていた。


「ずっとここに?」


コクりと一度だけ頷いた。


「世の中がこんななっちまった時、心配で見に来たんだよ。屋台とかぶっ壊れちまったんじゃないかって思ったからよ。

でも、普通に屋台ひいてんだぜ?笑っちまったよ。」


一体どうやってこの天地逆転を乗りきったんだろう?謎は深まる。

そうこうしてる間にカウンターにラーメンが二つ出された。

「おー待ってました!」

ジローがはしゃいでどんぶりを取る。

私もどんぶりを手元に持ってきた。

「ほら、箸。」

ジローが箸立てから竹箸を一膳とってくれた。

「いただきます!」

「…いただきます。」

ジローは勢いよく麺をすする。

私も控えめにすする。


うわぁ…美味しい!


味は醤油。トッピングは海苔3枚味タマ一個。メンマにナルト、チャーシューも薄いのが二枚、

ネギも少々と質素なラーメンなのに凄くおいしい!

「かぁ!相変わらずここのラーメンは絶品だなおい!」

「ホント!すごい美味しい!」


私たちはそこから食べ終わるまで無言だった。

美味しいものを食べるとつい無言になってしまう。


カウンターの向こうに紫煙が見える。

一仕事終えておじいさんが一服しているのだろう。

「じいさん俺にも一本頂戴♪今切らしててよ。」

おじいさんがカウンターにPeaceと書かれた缶とライターを置いた。


「サンキュー♪」

そうゆうとジローは缶から一本煙草を抜き

火をつけると暖簾の向こうに消えた。

一応は気を使ってくれているらしい。

私はラーメンのスープを飲みながら

ユウマとルシルとロボのことを考える。

二人は無事だろうか?

虎に私は追われていなかったのか?

二人の方に行ってなければいいけど。


どんぶりの底が見えた。ラーメンを最後まで食べきったのは久しぶりだ。

それほど美味しかった。


「ごちそうさま、おじいさん。」


特に返事は無い。無口な人だ。

「食い終わったか?」

ジローが暖簾から顔をだした。


「うん。おいしかった。」

「だろ?よし、じゃあ行くぞ。」

「あっ、お代!」

「じいさん、つけといて。」

「ダメだよ!」

「いいの、そーゆう店なのここは。」

「でも!」

おじいさんの方を見ると黙ってこちらを頷いた。

いいってことなんだろうか?

「…じゃあ。また来ますねおじいさん。」


おじいさんは既に片付けを始めている。


「じゃあまたな。じいさん」


ジローはスタスタ歩き始めた。

「ちゃんと払ってるのつけ」

「…そぅいや払ったことないな。」

「クズですね。」

「お前だって払ってないだろ!」

「私は払う気を見せてます!」

「一緒、一緒。」


振り向くと屋台はまた闇の中に消えていく。

なんだかこの世の出来事じゃないようだ…


「よし、じゃあ本格的にお嬢ちゃんの母ちゃん探すか!」


「あてはあるんですか?」

「まぁまず人が集まるとこからだな。」

「へ?」


この何日も一つなんて見てない。

そんな場所あるんだろうか?


「どこです?」

「困ったやつが集まる場所はいくつかあるが…」


ジローは立ち止まりこちらを見た。


「お巡りさんのとこだ。」


警察…自体はそんな状況を越えている気もするけどユウマ達の情報がはいるかもしれない。


「さあ行くぞ!」


私達は警察署を目指し再び歩き始めた。










腹が減りました。

ちょっとラーメン食いに行ってきます。

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