74話 チンピラ
ちょっと短めですが
「元気なお嬢ちゃんだなおい。」
私の襟首を掴んだのは虎ではなく
金髪のオッサンだった。
「あの手…離してくれませんか?」
「おう、スマンスマン。」
胡散臭いオッサンだな…
金髪オールバック
無精髭をはやしつま楊枝を咥えてる。
赤茶のラメジャージなんてどこで売ってるの?
なんでラインが金なの?
リストバントは黒だけど悪とかプリントしてあるし。
靴ってかビーサンだし。
総合評価。チンピラ。
そう、私を一応助けたのは場末のチンピラだった。
「で、何してんだ?お嬢ちゃんこんな所で?
母ちゃんは?」
「お母さんは…」
「あっ、すまん!でりかしーが無かったな!
死んじゃったのか?そうか!」
「いや、死んで…ません。はぐれてしまって…」
こいつヤバイ。
「そうか迷子か…交番連れていってやりたいけど今はこんなだしなぁ…」
ケツを掻くなケツを
「オジサンは何してたんですか?」
「オジサン!!これでも26なんだがなぁ」
えっ?年下?これで?老けすぎじゃない?
「で、オジサン。」
「…ジローでいいよ。ジローで。」
「ジローオジサン♪」
「ジローだお嬢ちゃん。もしくはお兄さんだ。」
会ったばっかの幼女にメンチ切るのやめませんか?
「…ジローは何してたの?」
「呼び捨てかよ。まぁいいや!俺か?
俺はな人探しだ人探し。」
「ジローも迷子なの?」
「…」
「痛い痛い!アイアンクローやめて!」
「俺はガキにも容赦しねぇ」
キメ顔で言ってもカッコ悪いからねオッサン。
「じゃあ行くわ。達者でな。」
行くの?か弱い幼女置いて。まぁその方が助かるけど。
1メートルくらい歩いてジローは振り返った。
「ここは一緒にお母さん探してよお兄ちゃんってすがるとこじゃないのか?」
わ~めんどくさい。はやく行けよチンピラ。
私のどっか行けよオーラを気づかない。
流石デリカシー無い男。
「ちっ、しょうがねぇな。俺も一緒に探してやるよ。ついて来な!」
えっ?
「この辺はもう庭みたいなもんだからな。
何処かあては無いのか?」
「えっと…」
ぶっちゃけ迷惑。
「気にすんなって♪困った時はお互い様ってな!」
「あっえっと…」
「ほら行くぞ!」
ジローは私の腕を掴むとズカズカ歩き始めた。
はぁ…しょうがない…しばらく付き合うか…
こうして可憐な美少女コハルとチンピラ、ジローの道行きが始まったのである。
えっと…マジで?
しばらくコハルちゃんサイドです。




