表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奈落の空  作者: ぴこ
跳梁跋扈編
68/179

68話 植松 イツミ

植松さん。

ほとんど話したことはない。

顔は知ってる程度だ。


でも見間違えはしない。


確かに植松さんだ。


一体何があったんだ?

とゆうかどうしよう?全力で殴ってしまった。


俺はキッチンに向かう。何か無いか?

とりあえず2リットルペットボトルのお茶があったのでそれでタオルを濡らし

植松さんの鼻血を拭く。


女の子を全力で殴る日が来るなんて…

幸い鼻血は止まった。

俺は彼女の頭に枕をかませてタオルケットをかけてやる。

側に座って様子を見る。


「空に落ちて助かると思うか?」

「無理だな。色んな常識は変わったかもしれないが高所から落ちれば死ね。それは道理だ。」


「落ちたら死ぬ。」

もしそれが前提として崩れるなら…

いや、それはもう何のルールも無くなるってことだ。


濡れタオルを変えてやる。


「う…ん…」


気がついたか。


「…お兄さん…黒滝さんのお兄さん…」

「あぁ。植松さんだよね?」

「はい…」


植松さんは起きあがった。


「大丈夫?」

「えっと私は…なんで倒れて…」

「うん!そうだね。ビックリしちゃったよ!」

「すいませんなんだか記憶が混乱していて。」


ふぅ…殴ったことは覚えていない。

セーフだ。


「そうだな。こんな状況だし。」

「お兄さんが看病してくれたんですね。ありがとうございます。」

「あっうん!いいんだよ。」


心が痛い。お巡りさん!ここですここに犯人が…

いや、お巡りさん。いや、刑事さん。

ここに犯人なんていないんです。

いるのは被害者だけ…

俺が今、聞かなければならないことがある!


「えっと…植松さんは…」

「はい?」

「高校生だっけ?」

「いえ、中2です。」

「そっか…」


会話終了。ダメだ!これくらいの年の子と何を話

ていいのかさっぱりわからない!


ロボが俺の足をテシテシ叩く。

わかってる!わかってるよ!

俺的には日常会話に笑いを挟みつつ彼女に事情を聞くことで信頼を得るとゆう目的がだな!

ロボは飽きたのか寝始めた。


おい!俺を一人にするなよ!


ふと、目があった。

フランクにだ。俺は頼れる兄!俺は頼れる兄!

俺は倒れる兄!


「植松さん!」

「はい!」

「植松さんて死んだよね?」


あっ直球だ。


「はい。」

即答だった。

「私は空に落ちました。」

「でも生きてるよね。」

「そうなんです…」

「一体何があったの?あの日…俺は見たんだ

君が空に落ちていくのを…」


「私はあの日…」




**********************



私は朝起きるとベットの下敷きになっていました。

ベットヘッドが高いタイプだったので隙間が空いていたのは幸いでした。

私がベットから這い出すと回りを見回しました。

家具も全てひっくり反ってめちゃめちゃです。

これ片付けるの…?憂鬱な気分になりました。

地震かなぁ?でもこんなになる?


とりあえず着替えなければと

壁から落ちていた制服に着替えました。

あっ、学校休みかな?

こんな時でも制服に着替えてしまうとは…

なんだか違和感あるけど気にせず廊下に出ました。

そこには母がうずくまっていました。

見れば外履きのままです。


「お母さんどうしたの?」


母は泣いている。


「お父さんが…お父さんが…」

「!!お父さんに何があったの?」


父と母はいい年してラブラブで朝二人で散歩に行ったり。

二人でゴミだししたり。

仕事行くとき、マンションの出口まで送っていったり。

ハッキリ言ってちょっと恥ずかしい親だった。


「お父さん落ちちゃったの…」

「え?」

「お父さんが落ちちゃったの…」

ドブとか?

「何処に?」

「空よ…」

「空?何言ってるのお母さん?」

「落ちちゃったのよぉ…空に…落ちちゃったのよおおおおおおおおおお!」


号泣して泣き崩れてしまった。

何を言ってるんだろうこの人は?

空に落ちる?

意味が解らない。

私は玄関に向かう。クツ箱から落ちていた靴をはきマンションの廊下に出た。


冊越しに見える景色は天地逆転していた。


そんなバカな?


私は冊を掴み回りを見回した。

逆さまだ!

どこもかしこも!

私は家の中に戻った。

そこには母の姿が無かった。


母さん!


私はリビングに走った。

ベランダの窓が開かれ母が立っていた。


「あなた…何処にいるの?あなた…」


「お母さん!」


母は振り返る。

母のこんな無防備な姿を私は見たことがありませんでした。

近寄る私を母の目は写していません。

嫌な予感がしました。

「あっイツミ…お父さんがね…」


その瞬間母は足を滑らせました。


「お母さん!」


フッと姿が下に消えました。

私が駆けつけた時にはもう母はもう

空に小さく見える点でしかありませんでした。


何が起きてるのかまったく解らないまま

家族は誰もいなくなってしまいました。


ふとベランダの角を見ると鳥籠が転がっているのが見えました。

母が飼っているオウムのテッサが入っていたはずでした。

籠は歪み裂けて中にテッサはいません。


「テッサ…」

「ナンダイツミ?ナンダイツミ?」

私は振り返りました。そこに羽ばたくオウムがいました。

あれ?羽根切って飛べないはずなのに…

「ババア シンダ!ババア シンダ」

「テッサ!」

「ジジイ シンダ!ジジイ シンダ!」

「やめて!テッサ!」


テッサは私の上を旋回する。


「 ババア シンダ!ババア シンダ!

ジジイ シンダ!ジジイ シンダ!

ババア シンダ!ババア シンダ!ジジイ シンダ!ジジイ シンダ!ババア シンダ!ババア シンダ!ジジイ シンダ!ジジイ シンダ!ババア シンダ!ババア シンダ!ジジイ シンダ!ジジイ シンダ!」


「やめてテッサ!やめてっ!」


「シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ

シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ シンダ」


「やめて!やめて!やめてぇえええ!」


私は耳をふさぎしゃがみこんだ。


テッサの声が止んだ。

私が体を起こしたと同時にオウムとは思えないほどの重量の何かが右肩にとまった。

恐る恐る見ると私が知るテッサより一回り以上の大きさの鳥がとまっていた。

肩に爪が食い込む。


「痛っ…」


オウム特有の定まらない視線がこちらを向く。


「で?お前はいつ死ぬんだよ?」


グイッ肩が引っ張れてベランダから空に引きずり出されました。

そして抵抗も出来ず空に放り投げられました!


「イマデショ! イマデショ! イマデショ!

イマデショ! イマデショ!」


放り出され、空を落ちる私の目には

飛び去る大きな鳥が写りました。


「いやああああああああああああああああああああああああああああ!」


私は空に向かって落ちていきました。






***************************




「私が覚えているのはここまでです。」


俺の家の上でそんな凄絶な事態が起こっていたのか。

でもそれじゃあ植松さんが何故助かったのかわからない。


「なんでここにいるの?」

「気づいたらここにいました。」

「いつから?」

「はっきりしませんが3日ほど前からです。」

「じゃああの後すぐだな。」


俺は考えた。あの後すぐ誰がどうやってかは知らないが植松さんを救ったのだろう。


なぜここに放置したのかわからないが。


「植松さんはどうしたい?」

「え?」

「僕は仲間を探さなきゃいけないから

明日の朝にはここを出る。」

「そうなんですか…」

「一緒に来る?」

「え?」

「植松さんが良ければだけど。」

「私は…」

「よく考えてくれたらいいよ。俺は一眠りさせてもらうよ。昨日から寝てないんだよ。」


俺はロボに目配せをして眠った。

助けてはあげたい。

だが、まだ信用は出来ない。


俺には今他に守らなければいけない仲間がいるんだから。












一回全部消えて書き直しになりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ