69話 迫り来る
おっいたいた。ロボはキッチンにいた。
「よっ!」
「何だ?」
「何してんの?」
ロボは木を削っていた。
「武器を作ってるんだよ。」
「ふーん。」
俺はコップに氷をいれ麦茶を注いだ。
ぷはー
やっぱり濃い目がいいな麦茶は。
「私にもくれ。」
「あいよ。」
俺はロボのぶんを注ぎ机に置く。
「時間かかるのか?」
「そうだな削り出すのも時間かかるし、仕上げも面倒なんだよ。」
「お世話をかけます。」
俺はソファーに腰かけた。
「少しは慣れたか?」
「何が?」
俺はペラペラ雑誌をめくる。
「この状態だ。」
「お前との同居のことか?」
「…そうだ。」
「まぁ居心地は悪くないよ。部屋の掃除とかしてくれるし。」
「私の家でもあるからな。」
「さいですか。」
ロボは手を止めこちらを見た。
「それにしてもお前から意識してここに現れるとはな。」
「ないしょ話に最適じゃん。ここ。」
「あの娘のことか?」
「…うん。どう思う?」
「黒だろ。」
「うぅ…ん」
ロボは再び作業に戻った。
俺はソファーに寝転ぶ。
「確実に私たちやコハルと同じものだ。」
「そうなの?」
「さっき見たが、そうでなければ助かる絵じゃないだろ?あれは。」
俺達のルール。共有したい記憶はリビングのHDに。
見せたくないものは自室に。
ロボしか見てないものも見れる。
めっちゃ便利。
「私的にはお前の面倒だけで手一杯だ。」
「そう言うなって。」
「おい起きろ。あの娘が動いたぞ。」
「了解!」
俺はロボとの会話を打ち切った。
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目を覚ますと空が青くなっていた。
もうじき朝だ。あの娘は…あっちか…ロボが見たもの聞いたものは俺も知覚出来る。
出来ることが増えてるな…
俺はベランダに出た。隣との壁は何かが突き抜けて来たように壊れている。
隣の部屋。外からは鍵がかかっていたが
窓は開いていた。
ひっくり返っているが荒らされたとかではないみたいだ。
ここかな…部屋にはいる。気配がない。
奥か?キッチンに出てそっと扉を開けた。
「あっ…」
「えっ…」
彼女は服を脱いでいた。
下着姿だ。
「うわああっ!ごめん。」
扉を少しだけ開けたとこまで閉める。
「いえ…」
隙間から消え入りそうな声が聞こえた。
細い娘だな…
「あんまり記憶の反芻するのはやめてくれないか?私が恥ずかしい。」
足元からロボがお小言をもらす。
(しょうがないだろ!男の子なんだから!)
「あの…何かご用でしょうか?」
「いや、違うんだよ!覗きとかじゃなく!
姿が見えなかったから探しに!
ほんとにごめん!」
「いえ、この三日間ぼーっとしててお風呂にもはいれなかったから。シャワーでも浴びようかと…」
「りょっ了解!」
もとの部屋にいるから。
俺は部屋を出ていく。
きっとロボの考えすぎなのだ。
少し前はルシルにもコハルちゃんにも気を許すなとか言ってたしな。
「そこは私は今だにそう思ってるがな。」
心配しすぎなんだよ。
信じないと何も始まらない。
それで俺はいいんだよ。
彼女がシャワーをあびてる間に他の部屋も見て回る。
他の部屋も別段あれた様子はなかった。
ベランダ付近で鳥の羽が所々に落ちている。
またカラスみたいな生き物がいるのかもしれない。
回りを見回した。
向かいの一軒屋のベランダに何羽か鳥が
とまっているのが見える。
特に襲ってくる様子はないが
念のために刺激しないよう。
俺は部屋に戻った。
植松さんはまだ戻っていない。
そういや俺も風呂とかはいってないな。
俺は部屋にある風呂に向かった。
パパッと全裸になり、
中に入った。
トイレとユニットバスがある。
隣と作りが逆になるんだな。
そして上下も逆だと。
さて、どうやって使えばいいかな?
水が出るってことは
ここも貯水タンク式なんだろな。
シャワーを取り出し蛇口を捻ってみた。
案の定シャワーノズルから出た水は
上の浴槽に吹き上がった。
これ?どうやって浴びよう。
首を捻る。
「こうやって使うんですよ。」
後ろから小柄な誰かが腕を回してきた。
背中に柔らかな感触が伝わる。
うわっ!
俺は風呂場の壁まで下がる。
マジかよ…
俺の目の前には全裸の植松イツミが
イタズラっぽい笑みを浮かべて立っていたのだった。
ご注文は18禁ですか?




