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奈落の空  作者: ぴこ
インターバル
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一人の夜に

爆風に飛ばされ私が落ちたのは先程と似たような

貯水施設だった。

一瞬もとの場所に一人取り残されたのかと焦ったが見れば天井も先程に比べて低いし狭い。

何本も管が地面から突きだしている。


あの虎と同じ空間に取り残されたのではない。

安心したのもつかの間、もうひとつの懸念が頭を過った。

「黒滝!コハルさん!ロボ殿!」

返事がない。

非常灯の赤い灯りの下、見渡してみるが誰の姿もない。

孤立した。

急いでみなと合流しなければ。

部屋の中央にはマンホールの穴が空いている。


覗けば別の空間に続いているようだ。

足場もある。ここにいてもしかたない。

私はマンホールを下り穴から飛び降りた。

足場は何かのダクトの上だった。

高さは3メートルほどあったがぶら下がってから降りたので実質1メーター50くらい。

たいした高さでなかったので踏み抜かずに済んだ。


そこも非常灯が灯る小さな部屋で、

パイプやダクトちょっとした配電盤のようなものが所狭しと配置されていた。

何かの調整室みたいな場所か?

よくわからないが、とりあえず目の前の扉を開ける。考えてもしかたないことは考えない!


扉を開くとそこは駐車場だった。

さほど車があるわけじゃない。

まぁなければ私にはそこが駐車場かの判断もつかなかったが。

グルルルルルル


数匹の犬が現れた。

まぁこの程度なら数のうちにもはいらない。

…私はスティックを…うん?

リュックの脇に差してあったスティックがない。

不味い…

私は囲まれる前に走り始めた。

さっきの爆発で落としたか!ついてない!


下りのスロープが見える。先がどうなっているかわからない。けど、行くしかない。

私はスロープに駆け込んだ。

スロープは鉄で出来ていて非常に滑る。

まるで滑り台だ。

私は走るのをやめ滑るに任せた。

追ってくる犬達も足を滑らせ後ろから滑ってくる。

獣は獣だな。壁を走れば滑ることもなかったろうに。

スロープは斜度は急だがゆったりとしたカーブを描いている。

曲がりきった先に出口があった。

が、向かいのビルと夜空が見えた。


不味い、落ちる。

私は壁際に体重を移動して寄り

壁の照明に手をかけ止まろうとする。

一瞬止まった。が、しかし照明はあっさり壊れ

再び滑り始めた。

落ちる!必死で手足をのばすが引っ掛かりがない。

さほどのスピードではないが

スロープから飛び出した。

目の前にINと書いた看板が目に入り手を出す。

本来は入り口にぶら下がっていた駐車場の看板だ。

太い鎖で吊るされていたようで私の体重を力強く支える。


私の上を犬達が飛び越えていく。

そのまま空に落ちていった。

助かった。

しかしこのままでは私も犬達と同じ運命だ。

回りを見回す。


1メートル弱ほど後ろ

下に2メートルくらいの位置に鉄骨のアーチがある。

あそこに跳ぶしかない。

鎖が持つうちに。

体を振って鉄骨に飛んだ。

飛びすぎた!

鉄骨の位置を越え落ちそうになるが手を伸ばし掴まった。

ギリギリだったな。

次ぎは…あそこだ。

ビルの庇が足場になっている。

2メートルくらいならなんとかなる!


私は鉄骨を走り庇に飛び移った。


かなりの広さのガラス張りの庇を歩く。

ガラスは強いものの様で割れる様子はない。

もともと地上にあった物がいくか落ちてきて

ガラスを砕いている箇所があるが

さして問題はないだろう。

足元がガラスのせいで空が真下にあるのはなかなか怖いがまぁダイジョブだろ。


庇の際まで行き回りを見渡す。

オフィス街だろうか?

高めのビルが散見される。

私がいるビルもそれなりに高い。


すっかり夜だな。


建物に入る手段は今のところない。

まぁ武器のない今中に迂闊に入るのも危ないか。


朝までここで過ごそう。


一人か…久しぶりだ。

少し前までは一人でいても特に不安に思うことは無かった。

私にはやらなければならないことがある。

だが、今すぐどうにか出きるわけじゃない。


この世界もほどなく滅びるんだろう。


もう何度も繰り返したことだ。


でも…

いや、考えてもしかたない。

やれることをするのみだ。


私は久しぶりの一人の夜に不安を覚えつつ

鞄を枕に眠ることにしたのだった。


蓋を開けてみればルシルが一番

当初に予定していた主人公的な苦労してる気が

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