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奈落の空  作者: ぴこ
月と猫編
53/179

53話 インセクツ(2)

俺、Gのデザインて美しいと思うんだよね。

まさかGと会話する日が来るとは夢にも思わなかった。

生理的嫌悪感はんぱない。

「ソファでくつろいで待っててくれ今着替えるから。」

「おっおう。」

やつは風呂場に入っていった。

Gが風呂?


俺は言われるがままにソファーに座った。

なんだこの状況は?

ロボが頭から降りてくる。

「ユウマ…あれは敵だぞ。」

「分かってるよ」


田辺コージ。そう名乗ったな。

しゃべれるのか?

理性があるのか?

今まで獣だろうが人間(?)だろうが

問答無用で襲いかかってきた。

こいつは俺達の敵なのか?


「迷うと死ぬぞ。」


ロボ…だってよぉ

ガチャリ。

ドアが開いて奴が出てきた。

バスローブ着てるよ…

「やっぱお湯は出なくてもシャワー浴びたくなるよな?帰ってくると。君も浴びるか?」


「いや、水はちょっと。」

「あんまり不潔にしてたら女性に嫌われるぞ」


おお…Gに不潔の指摘されたんだけど。

なんだろゴリゴリ俺のメンタル削ってくるな。


髪(?無いよな?)をふきながら奴はキッチンに向かった。

「酒…は飲めないよな?コーヒーでいいか?缶だけど。」

「あっ…はい。」

なんかかしこまっちゃうな。

「俺はやらせてもらうけどな。」

奴は俺の前に缶コーヒーを置くと

向かいのソファーに座った。

プシュッ!

ビールをあけ一気に煽った。


「プハー不味い!」

「不味いのかよ!」

俺もコーヒーを開け一口すする。

不味い。

「ハハハハハッ!やっぱ不味いか?温い飲みもんて、ヤッパ駄目だな!ハハハハハハハハハッ!」


バカにフレンドリーな奴だな。


「で、君誰?」

そこからかよ。

「昨日河原で騒いでた人たちの仲間かな?」


これは慎重に答えなきゃヤバイかな。


「なんのことですか?」

「…慎重だな。まぁこの状況じゃあまり意味無いんだけど。」

「…あんたは何なんだ?」

Gはビールを煽った。


「今度はえらく雑だな。」

「むっ…」

「まぁいいや。腹芸とか出来なそうだしね。」

「バカにしてんのか?」

「半々だな。少し会話に飢えてたから。

普通の人間に会うのなんてかなり久しぶりだし。」

「他に話せるやついないのか?」

「ん…まぁいいかそれくらい。会話出来るやつはいない。ってゆうかいなくなった。」

「いなくなった?」

「昨日の晩くらいまではまだ話せるのもいたんだがな。君らを見つけて完全にみんなイッちゃったみたいだな。」

「イッちゃった?」

「もう少し人らしいのやら話せるやつらいたんだがな。もう帰ってこない。

みんな体がおかしくなって、部屋に閉じこもったり。家から飛び出してきたりしてここに身を寄せあってたんだがな…

まぁここに来た時からもう人間辞めちゃってるやつらも結構いたな。

けど、そいつらも俺らを襲ったりはしなかった。

けど、昨晩お前たちを見つけて変わってしまった。

まともだったやつらも大人しかった奴らも軒並みあんな感じだ。

さっきも俺が話しかけたらじゃれてきたから殺さない程度に痛めつけてたんだがな。」


なんかしれっと物騒なこと言ってるよこいつ。


「お陰で一帳羅がズタボロになっちまってな。

部屋に着替えに帰ろうと思ったら君がいたわけだ。」

バキ、缶を握りつぶしゴミ箱に投げた。

ハズレ。

「ちっ!」

さっきから表情は虫だからわからないけど。

表情豊かに感じるから不思議だ。


「で、君はどうしてあんな所に?」


俺は昨晩の顛末を語って聞かせた。

コハルちゃんとのことなんかは割愛したが

なんでこのタワーマンションにいるかは

概ね伝えた。


「ハハハハッ!とんでもないな君ら。

追い詰められたからって普通やらんぞ、そんな一か八かの賭け。」

「助かったんだからいいだろ。」

「この状況が助かったと言えるならな。」

「うっ…」

「仲間とも離れてしまったんだろ?」

「…まぁな。」

「手伝おうか?」

「はあ?」

「私としては君らには早く出ていってもらいたい。君らが近くにいると仲間たちが正気に戻らないと思うんだよ。」

「なら、殺せばいいだろ?人間ぶってんじゃねぇよ!」

ダンッ!

奴は足を強く踏み鳴らした。

「俺達は人間だ。」

「…」

「確かに俺もいつ正気を失うかわからない。

だがなここにいる人の形を失ってしまったやつらを大事に思ってるし守りたい。

君を今ここで殺すのは簡単だ。

だがそれをしたら私は本当に人で無くなってしまう気がするんだよ。」


「俺はあんたを信じられない。」

「…だろうな。すでに俺はここに来る前に

大切な人間を傷つけ失っている。

だから今回りにいる奴らを守りたい。

私の協力を拒むならそれもいいだろう。

なら、大人しく出ていってくれないか?」


バリン!隣の部屋で窓が割れる音がした。

さっきのあいつか?


「ミナミちゃんは相変わらずお転婆だな…」

「ミナミちゃん?」

「君を追いかけて来た娘だよ。」


「ちょっと大人しくさせてくるから待っててくれないか?」

「…わかった。」

そう言ってやつはバスローブを脱いだ。

なんだろ?全身虫で人間らしいのはフォルムだけなんだが、妙に変態な感じがするな。


「5分で戻る。」


やつはバルコニーから身を踊らせた。







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