54話 インセクツ(3)
シシジシシジギジシシシシシシシシジギシシシシシシシシ!
蜘蛛の化け物がこちらに気づいて足を壁にかけた。
これはまずいですね。
コハルさんも今しばらく変身は出来ないでしょうし…
はっ!…私は何を!彼女の存在を否定したのに彼女の力に頼るなんて!
ここは私が!
鉄球をスティックに引っかけ投げる!
バキッ!
蜘蛛の前足の一本を砕く。
ギギギギギギギギシシジシシジギジシシシシシシシシジギシシシシシャアアアアア!
よし!もう一発!
「何やってるのよ!逃げるよ!」
ちょっ!コハルさんが私の腕を掴み引っ張る。
「あれじゃ焼け石に水よ」
バカな!確かに効いてるはず!
蜘蛛の足は確かに一本砕いた。
だが気にせず奴は上がってこようとしている。
取って置きの一発だったのに!
「納得した?もら、行くわよ!」
コハルさんに手をひかれ部屋の中へ駆け込む。
ビクッバキッ
今私達をがいた場所に鋭い足が何本も突き刺さった。
速い!
あのままあそこにいたら間違いなく死んでいた。
天井に床に壁に足を突き入れながら
蜘蛛は部屋に入ってきた。
私達はリビングから狭い廊下に飛び込む。
あの体では追いかけてこれないはず。
部屋のドアをあけ廊下に飛び出す。
振り替えって見えた光景は異状だった。
足の長さまでいれれば4メートルはある体を器用に折り畳んで奴は追ってきている。
「二手に別れ…」
コハルさんが叫ぼうとしたとき
やつの口から白い糸が大量に吐きかけられた。
私は足を。コハルさんは運悪く。
いや、私を庇ったのだろう。全身に糸を吐きかけられ身動きがとれなくなる。
私はこんなところで…
諦めかけたその時。
蜘蛛の動きが止まった。
「ミナミちゃん、ちょっとハシャギ過ぎだぞ。」
落ち着いた大人の男性の声がした。
黒滝じゃない。
誰だ?
「ちょっと頭冷やそうか?」
ベキッゴキッ!ブチブチブチッ!
後ろから蜘蛛は足を引っ張られ折られ引きちぎられ部屋の中に引きずり込まれた。
部屋の中には黒い影が蜘蛛の人型部分の顔面を
何度も殴打している。
「よし大人しくなったな。」
蜘蛛が動かなくなると
私たちに吐きかけられた糸をちぎりグルグル巻きにしている。
「しばらく大人しくしてるんだぞ」
圧倒的な強さだ。
これは見方なのか…
影がゆっくり近づいてきた。
そしてその姿を見た私は
「キャアアアアアアアアアアア!」
そのおぞましさに昏倒してしまったのだった。
Gが、得意な女子はあまりいない




