50話 月と猫(4)
けっこう大事な話になりました。
ドン!ソファを蹴っ飛ばされて私は起きた。
そこには仁王立ちのルシルがいた。
「あっお姉ちゃんおはよう♪」
「はい、おはようございます。まさかこんなに簡単に見つかるとは思わなかったので拍子抜けです。」
「…えーっとどうやって探してくれたの?」
「ベランダの緊急避難口を上に上に上がってきたんですよ。後は窓が壊されてる部屋に入ったら一発でした。」
「さすがお姉ちゃん!でもどうして追いかけてきたの?お兄ちゃんは?」
「黒滝は置いてきました。連れてきた方がよかったですか?」
ルシルは反対側に回ると転がっている椅子を直して座った。
服がヒラッヒラなお嬢ちゃんワンピから
青いチエックのロングスカートと白いブラウスに変わっている。
髪は後でポニテにまとめている。
白い多きなリボンつき。
相変わらず状況にあってないチョイスだ。
「服変えたの?」
「前のはボロボロになってしまったので、
あの家にあった福を拝借してきました。」
「可愛いね♪」
「ありがとうございます。」
あの凶悪なスティックは握りしめたままだ。
私が誉めても動じないか。
なら。
「前の服はどうしたの?」
「脱衣所に置いてきましたが?」
「じゃあ今頃お兄ちゃんにクンクンかがれてるね。」
「!!!」
「おー!これがルシルの汗の臭いかぁ!みたいな?」
「あ…あれは、そのレベルの変態でした!どうしましょう?!」
立ちあがりオロオロし始めた。
チョロいお姉ちゃんだなぁ…
私は床にあった時計をルシルの手に投げつけた!
その衝撃でスティックを取り落とす。
飛び込んでそれを拾いあげるとルシルの太股をおもいっきり叩いた!
膝をつくルシル。
私は彼女の顔にスティックを突きつけた。
「で?何しに来たのお姉ちゃん?」
「貴方を探しに…」
ヒュンっ!ルシルの顔の前でスティックを短く振る。
「何しに来たの?」
私を探しに来たなら。あのポンコツお兄ちゃんも
一緒のはずだ。ルシルの単独行動なら別の理由があるはず。
「…」
「まぁ見当はついてるけど。私を殺しに来たんでしょ?」
私が変身したとき驚きより警戒を強めたルシル。
この選択は予想範囲内。
「お兄ちゃん連れてたら止められるもんね。」
「あの男は甘いですから…」
「甘くないお姉ちゃんは何を知っててここに来たの?」
「貴方は危険です。」
「へぇ…どこが?」
「貴方は獣に堕ちかけています。」
「!!昨日今日会ったアンタが、何を知ってるって!?確かに私は変身出きる。だからって獣になったりしない。私は私のまま気ままに暮らすのよ。」
「私は同じような人間をたくさん見てきました。」
「たくさん?世界がこんなになったのは昨日の話でしょ?いつそんなに見る機会があったってのよ?」
「私がこの世界に来たのは昨日ではないです。」
「??」
「この前の世界もその前の世界もここまでにいくつもの世界を私は渡ってきました。
私が覚えているだけで8つの世界を見てきました。」
「8つ?」
「あなた方は星ごとここに召喚されてきたんですよ。」
「星ごと?召喚?」
「そして私はそれをずっと見てきたんです1000年もの間」
私は今とんでもないことを聞かされてる…
あぁあのバカお兄ちゃんもいれば少しは気楽だったのかな…
そんなことを思い天井をみあげるのだった。
ファンタジー色がバク上ゲです。




