49話 月と猫(3)
勢いで飛び出してきてしまった…
なんだろう?恥ずかしかった…?
私が?バカらしい…
うっかり変身してしまったのは迂闊でしかない。
この変身はポンポン出来るものじゃないし
したらしたですぐ解けない。
いやぁヤラカシタ。
しかもあいつらの驚いて呆けた顔見てたら
なんか無性にムカついて…ルシルなんて私を敵みたいな目で見やがって!
何回助けてやったと思ってんだよ!
むかつく…たまたま入った部屋にあったパンやらサンドイッチを食べながら
外を眺めた。
いいソファだ。座り心地を楽しみながら
牛乳を飲む。
もう変身は解けている。
なのに月を見ていると自分が獣のような気持ちになる。
クソッ!
どうしようこれから。
変身すればここを出るのも
生き抜くのも難しくない。
だが燃費が悪いのだ。
変身中の汚染されてる感も不快だ。
今も私の意識を刈り取ろうとあの猫が
私の心の隙間に身を潜めているんじゃないか?
そして油断すればあの化け物共みたいに…
次に変身して戻れるのか?
そして戻った私は私なのか?
そもそもこの今の体…若すぎる。
私は確かに28の立派な大人の女性だったはずなのに。
あれ以来こんな幼い体になりはててしまった。
おかげで、あのバカな少年達をだまくらかして
あの家から出ることは出来たんだけど。
別にあいつらが居なくても出れたはず。
けど、あの子達といれたから
しばらく人らしくあれたのかもしれない。
今の私を占める喪失感はそれなのかもしれない。
ヤバイ眠い…
今は1人なのに…
私は変身の反動の眠りに飲み込まれていった。
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ははっ!話せたニャ!
話せたニャ!
聞こえてるかニャ?
私ニャ私!
「だれ?」
もう何度呼んでも全然反応ニャいんだもんニャ~
「何?何にも見えないんだけど。」
私には見えてるんだけどニャ~
「私には見えない」
まだ私が見えにゃいんだにゃ…
「見えないわ何も」
でも、もうすぐニャ…
もうすぐ会えるニャ
あいつもすぐ近くにいるニャ
「あいつ?」
すぐ思い出すニャ…すぐ…
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まだ月が出てる。
なんで、私泣いてるの?
だめだ眠い…私はふたたび眠りに飲み込まれた…
ニャ語尾って、書きにくい




