46話 月と猫(2)
コハルちゃんは居なくなってしまった。
俺たちを残して…
「黒滝!」
よくわからん…悲しいんだかくやしいんだか…
「黒滝!!」
強い衝撃。前が見えない。
あのルシルさん顔面前げりてパンツ…
さらに踏みにじられた。
はい、見ません。見ませんが…
「ルシル、格好スゲーことなってるな。」
「え?」
俺の顔から足を下ろしたルシルは自分の姿を壁付けの鏡に写した。
「お気に入りだったんですが。」
真っ白だった服はもう、血とか泥で汚れ布もけっこう裂けてなかなか際ど…
ズパンっ!
ソフトボールが俺の顔面に直撃する。
いつも思うんだけど、それどこから出してんの?
まさか産んでるの?
「まだ殴られたいと?」
ブンブンっけっこうです。
「とりあえず明日はルシルの服を調達しよう。」
「…そうですね。」
散乱した床を踏みしめルシルはベランダへ向かった。
俺も続く。
見上げると大地までけっこうな高さがある。
川原にはまだちらほら松明らしきものが見える。
「俺たちが死んだと思っていてくれたら助かるんだけどな。」
「知能が低そうには見えませんでしたしね。
取り囲まれたらやっかいですね。」
「まぁ今日のところはこの部屋で休もう。」
調べてみたら寝室が二つあったので、
今晩はそれぞれ眠ることとなった。
ロボをつまんで頭にのせると俺は寝室にはいった。キングサイズのベットがひっくり返っている。
気合いが必用だな。腰を落し持ち上げようとするが胸くらいまであげるのが限界。
俺非力だわぁ…
?突如ベットが持ち上がった。
横を見るとルシルが手伝ってくれていた。
「さんきゅ!」
「別に…」
「よし!反対に倒すぞ!」
スドンっ!とけたたましい音をたててベットが倒れた。下敷きになっていたかけ布団やらをベットに放り投げた。
「さて、次ぎはルシルの部屋のベットひっくり返そうぜ!」
手伝ってもらって自分だけ寝るってわけにもいかない。
「あの…」
「なんだ?」
「この部屋で一緒に寝ませんか?」
ふあっ!
「ダメですよ!絶対不埒なことはしないでください!」
えっと…信用ならないなら、隣の部屋で寝たらいいんじゃないですか?
「今は非常時ですし何かあった時にバラバラなのはどうかと…」
「了解。」
俺はかけ布団とかだけもらい。床に転がった。
「え?貴方はベットで寝てください。私が床で寝ますから。」
「いや、そうゆう訳にはいかんだろ?」
「でも!」
「ほら、明日も、早いだから早く寝ようぜ!」
「わかりました。では二人でベットを使いましょう。大きなベットですし。」
…ルシルさん…ルシルさん!ルシルさあああん!
メリッ!ルシルの渾身のストレートが俺の顔面にめり込みベットにぶっ飛んだ。
心で叫んだだけなのに…
「ハレンチな!」
疲れもあいまって俺はそのままやってきた睡魔に抵抗しないことにした。
横のマットが沈む感触が伝わってきた。
「…おやすみルシル…」
「おやすみなさい黒滝。」
もう今夜は何も起きないでくれと切に願いながら俺は眠ったのだった。
そして目覚めるとルシルの姿は無かった。
一回仕切り直したらタワー攻略です。




