42話 ダークネス
別にトラブルの次の話だから
ダークネスとつけただけで深いイミハありません。
とりあえず今日はもうここでキャンプだ。
涼しいし。
日がくれるまで浮き輪の浮力調節実験やら
タンクの水抜きなんかを行うことになった。
これはルシルの担当。
どうも今この場の浮力ならガロンタンク1個に捕まれば水面から充分離れた場所に浮いていられるようだ。
ボートも浮き輪も水量半分くらいでちょうどいい感じ。
ざっくり浮力倍ってとこか。
俺は見はり。
場所が場所だけに恐いのは魚類だ。
だが魚は拍子抜けするほどおとなしかった。
襲って来るかとヒヤヒヤしたが
ただ流れに逆らって泳いでいるだけだった。
なんだっけ?こうゆう習性。
釣って食えるかと模索したが餌がないし。
銛もない。
変に刺激して襲われるのは勘弁だ。
ロボは興味があるのか棚に登ってずっと魚を見てる。
頼むから変なことするなよ。
「みんな!ごはんだよ!」
わーいご飯だご飯だ!今日の晩御飯はぁ~ドュルルルルルルッ
ドン!カレーライスぅ~♪
まぁ見るまでまでもなく匂いで分かるんだけたどね。
もしかしたらドライカレーかもしんないしな。
まもなく日も暮れる。灯りはもったいないから点けないことにした。
町に明かりがないから、星灯りでも充分明るい。
あれ?月が見えないな…新月だっけ?
そーいえば初の野営じゃないか!
ホームセンターでは呑気に寝てしまったが
今度は見はりは立てた方がいいかな。
「見張りはどうしようか?」
「二時間おきでどうでしょうか?」
ルシルも見はりについては考えていたようだ。
「それなら6時間は最低寝れるしな。」
「賛成♪」
「私もするのか?」
「これからずっとペット扱いでいいなら寝ていてかまいませんよ。」
「もちろんやろう。仲間だからな。」
空気読める犬ロボ。
「私は狼だ。」
こいつも当然のように心読んでくるな。
「では、黒滝→私→黒滝→ロボさん→黒滝→コハルさん。→黒滝でよいですね?」
「ふあっ?」
「異議無し!」×3
「いや、おかしいから。」
「ちゃんと2時間おきですよ。」
「シフトバランスの話だよ!」
なんだこいつら、何故こいつ頭悪いのみたいな目で見てくる?
「あぁもうそれでいいよ!ほら、さっさと寝ろバカども!」
俺、相変わらず立場弱いな。
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最初の番の時、甲板の縁に座っているとホームセンターでゲットした缶コーヒーを差し入れにコハルちゃんがやってきた。
少しあけて隣に座る。
もっとピタッとくっついてくれていいんだよ。
「寝なくていいの?」
「いくら暗くてもまだ早いもん。」
「だな。」
「寝るまで横で…」
「ねえお兄ちゃん!」
俺の邪な提案は遮られた。
「お兄ちゃんていつから変身なんて出来たの?」
「唐突だな。」
「聞いちゃダメ?」
「いいよ。そうだなあれが初めてだよ。」
俺が覚えてる範囲で。
「どんな感じ?すごい強かったよね!襲ってくる動物を
バンバンやっつけちゃうし。」
「あぁそうだな。でもあんまり実感はないんだよね。
自分で動かしてるんだけど、自分の体じゃない感じなんだよなぁ…操縦してるってか、されてるってゆうのか。」
どうしたんだろ?キョトンとした顔して。
「それはロボちゃんが主導権を握ってる的な?」
「ん~そうゆうのでは無かったかな?俺がしたいことが
あいつのしたいことで、あいつが思うことが俺の思いみたいな?」
「へぇ~お兄ちゃんがコントロールしてるわけじゃないんだ。」
「そうだな。今変身しろってもやり方わからないし。」
「そっか…」
あれ?興味ない?
コハルちゃんが聞いたんじゃないの?
「そろそろ寝るね。おやすみなさい♪」
「おっおう、おやすみ。」
なんだろ?機嫌損ねたかな?
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また、しばらくすると今度はロボがやってきた。
口にゴムボールを咥えてる。
いや、待て遊ばないからな。
「おい、ユウマ」
「遊ばないから。」
「…」
「遊ばないからな。」
「そうか…残念だ。」
こんな狭いとこでどうやってボール遊びする気だったんだ?
横にとことこ歩いてきて膝に乗る。
「お前は私が何者か聞かんのだな。」
「聞けば教えてくれるのか?」
「教えない。」
「なら聞かないよ。いづれわかるんだろ?」
「お前が答を求めるなら。」
「そうか…」
ならしばらくはわからないな。
生きるのに精一杯すぎる。
「遊んでくれないみたいだから眠る。」
おう。自分勝手なヤロウだな。
「そうだ。その娘達に心許してはいけないぞ。」
はあっ?
何言ってんだ?
「忠告はしたからな。」
ロボは自分の座布団に戻って行った。
あの二人の何処が気に入らないってんだ?
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そろそろルシルの番だから起こさなきゃな。
腰をあげ振り返ると懐中電灯で顔を照らすルシルがいた。
何やってんのこいつ?
「なぜ驚かないんですか?コハルさんがこうすれば貴方が失禁して気絶すると教わったのに。」
しないよ失禁。
気絶してもしないよ失禁。
見たいの失禁。
顔にかけてやろうかコノアマ。
「なんだ?また失敬なことを考えていませんでしたか?」
「全然。」
「次は泣かします。」
「それはもう主旨が違うよね。」
そんなくだらない会話しながらルシルは横に座った。
1メートル以上空いてる。
これが心の壁の厚さか。
「もしかしたらなんですが…」
なんだろ…このタイミングで告られたらどうしよう。
睨むな睨むな。
「もしかしたら貴方、あのホームセンターで私たちを助けてくれた獣人を知っているのですか?」
………はい?
「我々の窮地を救い風のように去っていった。あの獣人。
美しかったなぁ…」
え?まさか?
「もう一度会えたら…」
「会えたら?」
「あの毛並みをじっくりとモフモフ…」
「モフモフ?」
「いや、私は命の恩人に対して何を!」
「モフモフ…」
「ぜひ礼が言いたいのです!」
「おっおう。」
そこのトイプーです!とも
あっ、それ俺俺。俺だよ~ん。
とも言えない。
ってかさんざんみんなの前で変身やら獣化やら単語出てた気がするんだが何を聞いていたんだ。
やっぱバカだろこいつ?
だから睨むな睨むな。
「どうなんです?知っているんですか?」
こいつに嘘は通用しない。てか俺が下手なのか。
「今は会えないんだよ。」
だからホントのことを言わない選択肢を選んだ。
「でもいつか合わせてやるから。」
きっと俺が答を誤魔化したのはバレてる。
でもこう言うしかない。
「約束ですよ。」
俺に小指を突きだしてきた。
なんかハズイな。
俺はルシルの小指に俺の小指をからめた。
「ゆーびきーりげーんま~ん♪嘘ついたら♪
手足先から一センチずつノゴキリ引きににして
プードルの餌にしてコーロす♪」
怖いわ!目が本気だわ!
絡めた指が万力みたいだよ!
ほどいて!この指ほどいて!今すぐホントのこと言うから!
「ゆーび切った♪」
うわっ切られた…切られてしまつた。
死刑宣告みたいな指切りされた。
「ほら、さっさと寝なさい。すぐ交代ですよ。」
そうだった。指切りが衝撃的過ぎて忘れてたわ。
「ほら、もう一時間半ないですよ。」
えっタイマーはもう動いてたんですね。
俺はグッタリと疲れて寝袋に潜り込んだのだった。
意味なくサブタイつけたら。
意味あるサブタイになってしまいました。




