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奈落の空  作者: ぴこ
旅立ち編
21/179

21話 ロリと青春の旅立ち



「コハルちゃんね。よろしく。」


あぁ…首上で切り揃えられた茶系の髪。

前髪に見え隠れする細い眉。

タレ目気味の大きな目。

蕾のような小さな唇。

まだまだ成長の余地を残している体のラインにはほんのり花開く前の大人の香りが既に漂っている様だ…

フぁっ…

悦に入りそうな俺を咎めるかの様なタイミングでコハルちゃんが口を開いた。


「お兄ちゃんは何て…」


グウ~


俺の腹の音が彼女の声を遮ってしまう。

ダメな腹めっ!ダメな腹めっ!


「あはっ♪お腹減ってるんだね。とりあえずご飯にしよっか?」

「それはありがたい♪」


俺たちはリビングに移動した。


「お兄ちゃんはソファーとテーブル用意しておいて」

「よろこんで!」


俺はひっくり返ったソファーやローテーブルを整えた。


「おまたせ♪」


彼女は何処から出してきたのか皿にチャーハンを乗せてこっちにやってきた。


「うわっ!美味そうだ!」

「作り置きでチン出来ないから、冷めちゃってるけど…」

「全然OK!いただきます!」


それから二人は無言でチャーハンに食らいついた。

二人とも空腹だったのだ。

うまい!

ほぐしたチャーシューとか入ってる。

この焦がした醤油とネギがいいな。

やっぱこーゆーベタなのが一番美味い。


「ごちそうさま。」

「おそまつさまです。」


なんだか人妻のような風格のある幼女だな。

ドキドキします。


腹もこなれて落ちついたら情報の共有だ。


「コハルちゃんご両親は?」


彼女は面食らったような顔でこちらを見ている。

テーブルセッティングしてる時、床に落ちている写真が目に入ったのだ。


千葉のネズミの帝国らしきとった2ショット写真。

ラブラブだな。

子供がいる夫婦には思えん。


「仲良さそうなご両親だね。」

「あっ…うん♪人に紹介するのちょっと恥ずかしいくらいで…」

「そっか…うちは仲良かった頃なんてあったのかな?記憶に無いや。」


「え?」


「いや、生きてるよ二人とも離婚しちゃったけど」

「ごめんなさい。」

「別にコハルちゃんが謝るようなことじゃないよ。昔過ぎて記憶にもないし。」

「うん。」

「それで、コハルちゃんのご両親は?」

「えっと…あ…起きたらっ!

起きたら居なくなってたの…」


なんだそれ?娘を置いて行ったってのか?!


「居なかった?コハルちゃんを置いて外に出たってこと?」

「わかんない…」

「ごめん、何処に行っちゃったか心当たりある?」

「ん~お母さんはせんぎょー主婦だから買い物かな?お父さんはテイユーの店長さん。」

「テイユー?じゃあ出勤しちゃった可能性あるのか…」


通勤時間帯に出ていたら…もうダメかもしれないな。

…いや、まだわからないじゃないか!


「コハルちゃん!」

「何?」

「よかったらお兄ちゃんと一緒にご両親探しに出ようか?」


彼女の表情がパッと明るくなった。


「ホンとに?一緒に探してくれるの?」


「あぁ一緒に探そう。お兄ちゃんはテイユーの近くにある病院に行きたいんだ。ついでだよ。」


まぁほんとは近くは無いけど方便だよね。


「ありがとうお兄ちゃん♪」

「よし、暗くなる前に出よう。着替えは…」


そーいえば彼女はダボッとしたズボンにおとうさんのものとおぼしきTシャツ姿。

ようは寝巻きだ。


「服全部上の階…」


また登るのもあれだしな…

やむえないか。


「そままでもいいかな?」

「うん!行こうお兄ちゃん♪」


守る、俺絶対この子守らなきゃ!


俺は手早く出発の準備にかかった。

冷蔵庫物色して見つけたハムは鞄に、飲料水は…ないか。

まぁしかたない。


その側でコハルちゃんは余った袖などを短い紐でまとめたりしてる。

足元はベランダにあったサンダルをはいていた。

靴くらい探してもいいんだけどなぁ。

一刻も早く探しに行きたいんだな。


しっかりした子だ…


ゲットしたゴルフグラブを持ち、

階段に結んであった浮輪をベランダに引っ張ってくる。

団扇ってけっこう何処のいえでも探せば見つかるのな。

テイユーの印刷がされた団扇を手にいれた。


さて、出発だ!


俺は浮輪にけつ入れベランダから外に浮かんだ。


「ホントにダイジョブなのお兄ちゃん?」

「もちろん!ここまではゴムボートで来たんだけど余裕だったよ!」


男の子は見栄を張らなければならないときがある!


「ほら、おいで!」


両手でパンパン膝をたたく!

なんだろ…すごく嫌そうだ…

乗り物が浮輪である以上こう乗るしか無いと想うんだが?これが正しいスタイルだろ!


「ほらほら!」


「…わかった。」


彼女はオズオズと俺の膝の上に座った。

お姫様ダッコの形である!


ふあああああ!柔らかい!暖かい!柔らかあああああい!


「絶対変なことしないよね?」

「?なんのこと?」

「信じてるからね」

「まかせろ!コハルちゃんは操船してもらうつもりだけど、最初は俺がやって見せるから後で代わって。」

「わかった。」


俺は団扇を横に扇ぐと横向きにススッと浮輪は進み始めた。

コハルの顔が向いてる方向に進むように配慮する。


「うわあああっ♪スゴーイ!空!空飛んでるよお兄ちゃん!」


無邪気だわぁ…

めっちゃ、まぶしいよコハルちゃん。


俺には最初はけっこう恐怖だったから、子供ってスゴいなって思う。


「出発進行っ♪」

「おう!」


そして俺の旅はロリとの二人旅になったのだった。








話が合法の範囲から出ないように善処する予定であります。

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