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奈落の空  作者: ぴこ
旅立ち編
19/179

19話 置いてきぼり




…置いていく?


普通…この状況で…

わかるよ…わかるけど、お互い様じゃないの?


もうベランダの庇から彼女の姿は見えなくなっていた。


俺は鬱々たる気分で部屋に戻った。

どーすんだよ、こんな文字通りの陸の孤島で。

来るときに見た感じだと隣の家まではそれなりに距離があるし、飛び移ったりは難しい。


一軒飛び移れたからと言っても次々家を渡れるものじゃない。


…ああっ!

なんだあの女っ!


まぁ、落ち込んでもいられない。

ケツが見れたから良しとしよう!


とりあえず使えそうな物探そう。

まずはこの部屋から。


書斎らしいその部屋は机やらパソコンやら本棚やらが散乱している。


使える物は明らかになさそうだ。

ってか使えるものってなんだ?


俺は今何を必要としてるんだろ?


目的無く物を探すのって効率悪い気がする。


よし、なんか食い物を物色しよう。

困ったときは飯食って寝る。

これが一番。


俺はリビングに戻ることにした。

部屋に入ると人影は無くボートもない。

ルシルはがもういないことを再確認した。


「ホンとに行っちゃったのか…」


まぁ初めて出会った時も見捨て行こうとしてたしな。

もともとそうゆう女なんだよ、うん。


さあ、メシメシ!


キッチンに向い冷蔵庫開いて物色開始。

ベーコンやらチーズとかゲット!

チーズは今食べよう。

ベーコンて常温でも日持ちする…かな?

後は日持ちしなそうだな。

おっ卵あるじゃん!

日持ちしないけど…


ドン!。


突然上階から物音が上から聞こえた。


マジかよ…またなんかいるのかよ…


俺は回りを見回し、武器になるものを探した。

…包丁あるな…

シンク下ってか今は上だが、棚が開いて落ちたのか床に包丁が転がっている。


悪くないけどリーチに不安があるな。


後は…おっ!


リビングの隅にゴルフバックを見つける。

ジッパーを開くと中に何本もゴルフクラブが入っていた。


やたらファンシーなヌイグルミが先にカバーとして着いている。

豚のヌイグルミの着いた物を手に取り外してみる。


おおっ!

これなら取り回しいいな♪


トルトテュッテュルー♪チ~タ~ンドライバ~♪


いや~1回振り回して見たかったんだよこれ。

腰だめに構えて斜めに切り上げる。


「大地斬!」


調子に乗って振り回したら白い壁に直撃してヘッドがめり込んでしまった。


おお…我が力は壁をも砕くというのか!

よし、これならいける!


ドライバーを構え、音がした方へ向かう。

ほんとは逃げたいが今は足が無い。

どうせ逃げられないならやるしかない!


でも、熊みたいな犬…チャウチャウ的なのとかいたら…とりあえず確かめるてから考えよう。


音は上からした。

もう一度階段の所に行ってみよう。

階段は相変わらず崖になってる。


まぁ見に行きたくても無理なんだよな…

降りてこないなら放っておくって手も…ないな。

脱出の目処が、たっているならまだしも。


ドタドタドタドタ!


今度は逆の方向に音がした。


俺は音の向かった先にゆっくり歩いていく。

今度はベランダの方に移動したようだ。

これ陽動で後ろから…なんて頭はないよね…


一階のベランダでは何やら物音がするが構造上、確認するためには下にしゃがんで手摺を…


ふと先ほどの光景を思い出してしまった。

俺あーゆう光景見たの生まれて初めてなんじゃ…今はそんなこと考えてる時じゃない!


…だから、そんな時じゃない!


落ち着けジュニア!

お前は変態なのか?


俺は目をつぶり深呼吸して先程の光景を打ち消す。


片膝をついて頭をベランダから出して上を見上げる。


タイミングバッチリだった。

向こうと目があってしまった。

あれ、ドキドキする。

これが恋?


俺の見上げた先。

一階のベランダから恐る恐るこちらを覗きこむ10歳くらいの女の子がいる。


すげーかわいい…


「えっと…こんに…」


彼女はベランダに引っ込んだ。


「ちょっ、待って!怪しい者じゃないんだ!」


反応が無い。


女の子がなんでこんな家に一人で?

親はどうしたんだ?

いないなら俺が育てるぞ!


「俺は母さんを探してる途中で、道に迷ってて休もうとこの家にお邪魔したんだ。

決して怪しい人間じゃない!

一緒にここに来た奴にトイレしてたら置いてきぼりにされてしまって…困ってるんだ!

すごく、困ってるんだ!」


何を言ってるんだ俺は?


そう正直俺は困っている。


世界はひっくり返ってしまって、落ちたら死んじゃうリアルスーパーマリオ状態。

(キノコ無し、フラワー無し、スター無し

ヨッシー逃走。)


やっと出会った女は何かにつけて暴力振るうシリアルキラー系お嬢様だし、

母さん探そうと思ってるのに全然逆方向に連れてこられた上に変な動物がわんさか襲いかかってきて、

平穏に生きてたらお目にかかる事は無かっただろうグロ展開遭遇するし。


トイレしたら変態容疑かけられて、こんな一軒家に置き去りにされる。


なんかした俺?


正直、こんなとこでかわいい幼女のご機嫌とりなんかしたくない…訳じゃないけど、

全然そんな場合じゃない。


あっ…なんか泣けてきた…


ウオッ!


目から汗が…汗が止まらない…


なんだか力も抜けてきて、立て膝状態から仰向けに転がってしまった。


あぁ…疲れた…疲れたよ俺…

もうこのまま寝ちゃおうかな…


「…お兄ちゃん泣いてるの?」


天使が鳴らすベルの様な清んだ甘い声が聞こえた。

なんだ?

お迎えが来たのか?

神様まだ早いです。

俺まだ童貞なんです。

チュウもまだなんです!

チャリで2ケツとかもしてみたいんです!

放課後、彼女を待ってる俺はうっかり寝ちゃって…痛っ!


俺の顔面に鉢植えが直撃していた。


「…生きてる?お兄ちゃん?」


俺が身じろぎすると顔面にあった鉢植えは顔から空に落ちていった。


遮蔽物も無くなり俺はゆっくり目をあけた。


再び女の子がこちらを覗きこんでいた。


「今の君がやったの?」

「違うよ。」


そうか、事故か。


「泣いてるの?」


彼女は少し楽しげに聞いてきた。


「汗だ。」

「泣いてるよね?」

「汗だ。」

「むちゃくちゃ泣いてるよね。鼻水すごいよ。」

「今日は花粉が多いな。」

「…」


どうだ誤魔化せたか?


「もうそれでいいよ。」


うわ…幼女に蔑まれた…


「お兄さん弱そう」

「そうだね。超雑魚だね。」

「ならダイジョブだ♪」


なんだろ俺あの娘の中で世界最弱な安心生物認定されたんじゃない?


「あのね、お願いがあるの。」


彼女は可愛い笑顔で俺におねだりしてきた。

なんだ?

なんでも買ってやるぞ!


はっ?!


恐い!幼女のおねだり恐い!

つい全てを投げ出してもかまわない気持ちになってしまった。


危ない危ない。

今は緊急時。

人としてどうかと思うがこんな幼女に関わる余裕は俺にはない!


「私、下におりたいの。」

「わかった!任せろ!」


こうして新しいミッションが発生したのだった。




母さんもうちょっとだけ寄道させてください。

ロリは至高

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