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奈落の空  作者: ぴこ
旅立ち編
14/179

14話 敵

レベル1にはこれくらいの敵でどうでしょう?


俺がご機嫌に山崎まさよしの「あじさい」をハミングしていると…

なんだ悪いか俺の趣味だ。


右手に広がる林から草木を掻き分けるような音がした。


もちろん林の木々は上からぶら下がるように生えている。

よく落ちないよな…


音がだんだん大きくなってきてすぐそこまで迫る。

「なんだ?」


見ればルシルも読んでいた本を閉じ林を注視していた。


「…急いでここを離れましょう。」

「えっ?」

「急いで!できるだけ林から離れるんです。」

「わかった。」


俺は言われるがままにうちわを大きく扇いだ。

ゆっくりとボートが旋回し始める。


「何やってるんですか?!前後を入れ換える必要なんてないでしょ!」

「えっ?あっそうか!」


あわててそのまま逃げようとする


「助けてくれ!」


林の枝を渡ってきたのか中学生くらいの男子が林から姿を現した。


「大丈夫か?!今そっちに…」


バサバサッ!


俺がボートを寄せる間もなく林から黒い影が飛び出してきた。

影に押されるように木にしがみついていた少年は林から押し出される。


「うわっ!」


俺達の見ている前で空に落ちていく少年。


さらに林から飛び出した複数の影が少年に群がる。

鳥…カラスか!

群がるカラスは少年を嘴で啄み爪で引き裂く。

次々と林からカラス達は飛び出してきて

少年に群がっていく。

あっという間に空に血の花が咲く。


「今のうちに離れますよ。」

「そんな…」

「もう助かりません!次は私達ですよ!」


俺は気持ちがついていかないまま団扇を扇ぐ。


林からカラスはが一羽、俺たちに真っ直ぐ突っ込んできた。

カラスは縁に立つ俺に向かってくる。

その嘴から逃れようと身をそらすがバランスを崩して転げ、扇ぐのを止めた。


さらに旋回して襲いかかるカラスをルシルが

ラクロススティックで追い払った。


「いいから扇いで!右手のマンションを曲がって!」

「了解!」

俺はボートの縁に転がったまま団扇を扇ぐ!


ボートは無理な体勢からグングン加速し始める。


見れば先ほど追い払われた影が遠くで旋回している。

少年に群がっていたものからも数羽こちらに向かって旋回し始めている。


またこちらに襲って来ようとしている。

しかも数を増やして。


「来ますよ!」

「任せろ!」


俺は扇ぐ手を早くする。


「なんて愚かな!

私は曲がれと言ったでしょ!

そんなに速度を上げたら曲がりきれませんよ!」


カラス達が群れをなしつつ迫ってくる。

アパートの角を曲がる瞬間を狙ってるんだろ。

けっこう賢いよなカラスて。


「代わってルシル!」


俺はを団扇をルシルに渡すとボートの縁に足を突っ張りアパートの角に縦に通った雨樋を握り引き寄せる。


グンッ!


「コナクソオオオオオオオオオオオオッ!」


雨樋を支点にボートは急激に向きを変え、商店街に全力ターン!


鳥達はの突撃は空を切り一匹は壁に激突。

他はボートの側を通りすぎ再び旋回に入ろうとしている。


が、こっちは高速旋回も相まって先ほどより距離を空けることに成功していた。


「ザマァ!」

「何処か建物に入りましょう!」

「だな。」


舟のすぐ先に6、7階建てのビルが見えた。


「あそこの非常階段につけましょう」


ルシルは一扇ぎしてボートの速度を補うと

団扇を俺に渡し操船を任せる。


「わかった。ルシルは?」

「あれをどうにかしないとボートが沈むでしょ?」


落ちるの間違いじゃないのか?

まぁ今はどーでもいい。

俺は操船に集中。


ビルまで後10メートルくらい。

迫ってくる影は3つ。


ルシルは迫って来る影にラクロススティックを持って向き合う。

どこから取り出したのか鉄球をカラスに向けて放つ。

一羽に命中!

空に落ちていく。


一羽はルシルの顔面目掛けて突っ込んで来る。

もう一匹はボートに。


ルシルは難なくスティックの柄でカラスを追い払う。

俺もボートに迫るカラスに鞄を振って抵抗する。

デカイ!怖い!無理!

カラスはギャーギャー騒いでいるが騒ぎっぷりなら互角だろう。


ルシルを襲ったカラスは一旦離れ旋回。

そこに鉄球がが直撃した。

そのまま落下していく。


ルシルはそのまま俺に襲いかかっているカラスに上からスティックを振り下ろした。


カラスの頭が砕け空に落ちていく。


カラス怖い。もともと怖いけどこんな世界で遭遇したい敵じゃないな。


なんか見たこともない怪物とかじゃなくてよかったよ。


けどありふれた脅威ってのも怖いな。


あの林がテリトリーだったのだろうか?

商店街の入口ではまだ数羽のカラスが旋回していた。


近寄らないようにしなければ。


そんなことやってるうちにビルの非常階段にたどり着いた。


「危なかったですね…」

「あんなに狂暴だったっけ?カラスって?」

「…ちょうどいいですし、ここでお昼にしましょう。」

「いいね。疲れたよ。」


さて、何か食べ物は手にはいるだろうか?

主人公がレベル1でもルシルさんが12くらいだからあまり苦労にならんな

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