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奈落の空  作者: ぴこ
旅立ち編
13/179

13話 道に迷うのも旅の醍醐味

さて、二人旅の始まりです。

「…今日も空が高いなぁ…」


目が覚めた視線の先には空が広がっていた。

いつの間に寝てしまったんだろ…


ゆっくり空が流れていく。

空を切り取る民家の屋根もゆっくりと流れて…はぁっ?


そうだ!

俺はあの女にボコられて意識を失ったのか!?


「空が…うわっ!」


そうだ今は空は俺たちの頭上に広がるものじゃない。


下方に広がっている俺たちを呑み込む奈落だ。


急いで俺は起き上がる。


アブねぇ…寝返りうったら落ちて死ぬとこだった。

俺はボートの隅に半身出た状態で無造作に転がされていたようだ。


「あら、起きました?」


俺を寝返りひとつで死ぬような状況にしておいて、

彼女…東条ルシルは反対側に腰掛け読書をしていた。


この女に人の心はあるのか?


「助けてくれてありが…」


そういや俺さっきメチャクチャ殴られたよな…感謝しづらいな。


いや、でもおパイ揉んだな。

助けてもらってるし。

おパイ揉めたし。


「…とう。さっきは。」

「また邪なこと考えませんでしたか?」

「全然。」

「…まぁいいです。それよりもうすぐ着きますよ。」

「えっ?」


俺は回りを見回す。

そこは林沿いの道だった。

まぁ元道か。

道なんて無いわけだし。


ボートはどうゆう原理かさっぱりわからないけど地面から10メートルくらいの場所をプカプカ浮いて進んでいた。

時折、ルシルが団扇で扇いで船脚を維持している。


見上げるとさっきより少し地面が遠い気がするな…気のせいか?


「気のせいじゃありませんよ。」


怖いな心を読まれるの。


「心を読んでるんじゃありません。

顔と目線や仕草から読み取るんです。」


「それはすごいな。俺にも出きるかな?」

「人並みの観察力があれば、誰でも出来るんじゃないですか?」

「俺は並み以下だと?」

「あえて言いませんが。」

「言ってるよね?あえて言ってるよね?

それもう言ってるのと変わらないよね?」

「わかりました。もうそれでいいですよ。

貴方は並々ならぬ変態です。

最低のゴミ野郎です。

貴方に比べたらウジ虫だってまっとうに生きる尊い命です。

満足しましたか?」


俺泣いてもいいよな…嫌怒っていいんじゃないか?


「何を泣いているんですか?

私だって人を意味なく罵倒するのは心が痛みますが、貴方がどうしてもとせがむから…」

「いつ俺が欲しがったか!」

「えっ…違いましたか?」

「はぁ…もういいよそれで。

で、気のせいじゃ無いって?」


「私の目測だとだいたい海抜20メートルくらいが水面みたいですね。まぁ水に浮いてる訳じゃないんですが。」


「海抜?」


「…貴方高校生くらいですよね?

学力がひどく低いんですか?」

「…バカとかアホとか言われる方がまだ優しく聞こえるな。」

「このド低能が…」

「だから欲しがってないからな。」


「…海抜てのは海からの高さのことです。」


おうスルーですか。

そして何で少し不満げなんだよ。

やっぱりお前が罵倒したいだけだよな?


「五月蝿いゴミ虫。」


ふぁっ?


「で、さきほど貴方を助けたのは海抜5メートルくらいの場所でしたが今は山に向かってますからね。

だんだん地面に近づいてる感じですね。」


俺も男だ…今はゴミ虫はスルーしよう。


「山?これ何処に向かってるの?」

「山手中央病院ですけど。」

「えっ?」


確かによく見ればこの景色は山手病院の近くの景色だ。

逆様だからすぐわからなかった。


「あの…俺が行きたいの慈英会病院なんだけど…」

「あら、あの近くの?

ごめんなさい、夜勤がどうとかって話してたからてっきり救急がある山手かと…」


なるほどそうゆうことか。


ってか山手と慈英てけっこう離れてるよな…

俺どれだけ気を失ってたんだ?


「だいたい二時間くらいですよ。」


相変わらず俺の心の声と会話できるのかこの娘。

もう便利だと思うことにしよう。うん!


「では戻りますか?」

「そうだな。めんどうかけるな。」

「はい、面倒ですが、早合点したのは私ですから。」


面倒なんだ…

彼女は今度は逆向きに団扇を扇ぎ始めた。


「いや、俺が扇ぎますよ。」

「あら、ありがとう。クズでも役にたつことがあるのね。

ある程度スピード乗るまでで大丈夫ですから。」


我慢…我慢だ俺…


「…わかりました。」


俺は彼女から団扇を受けとると、ブンブン扇ぐ。

フラストレーションを一振りごとに込める。


「あんまり頑張るとバテますよ。」

「大丈夫!男だから!」

「…まぁ無理しないでくださいね。」

「オッケぇえええっ!」


俺が団扇を一振り扇ぐごとにボートはどんどん加速していく。


けっこー面白いなこれ。

こんな小さいな団扇なのに、グイグイボートを押してくれる。


調子に乗ってきて鼻歌なんか歌っちゃったりしてね。


鼻歌なんか歌ってたら、また嫌みでも言われるかと思って

ちらりと彼女の様子を伺うが、別に嫌な顔なんてせずボートの縁に座り涼しげな顔で読書をしていた。


もしかしたらそんなに嫌われてないかもな。

口は鬼悪いけど。


だが俺達の快適な旅は長くは続かない。


もちろん俺の体力的な見栄とは違う理由で…

環境設定以外の試練用意しました。

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