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奈落の空  作者: ぴこ
旅立ち編
12/179

12話 ミーツ ガール

僕はスレイヤーズ世代なんで強い女の子が大好きです。

このアマぁ…

かわいいのは顔だけかよ!


ガコン!


再び彼女がラクロススティクをフルスイングし、俺のいる自転車置き場の足場を下から殴打した。


「だからなんで叩くんだよ!」


さらに下からスティックの先で何度も突いてくる。


「聞いてんのか!落ちたら死ぬんだぞ!」


俺の声が届いたのか、彼女は足場を突き上げてくるのをやめて小首をかしげる。

くっ…かわいじゃないか…美人てのは得だな。


「また失礼なこと考えたんじゃないかと思ったんですが違います?」


なに?怖い!エスパー?


「さきほども貴方がお困りの様でしたから、

助けなければとボートを急がせたのですが、

何やら不埒な視線を感じて怖くなりまして、

これは貞操の危機と、助けるのをやめて手早く殺そうとしたんですが…間違ってましたか?」


うん、この娘に隠し事無意味だ。

しかも迷いなく最後の選択に殺人を選んでくる。

エスパーてよりシリアルキラーじゃねえか!


ホントは関わっちゃいけないが正解だと思うんだけど、今ここにある危機を乗りきるのが優先だ。


ここは俺の48の隠しスキルに頼るしかない。


俺は今にも割れそうなプラスチックの膝立の姿勢になると両手を天に突きだしその上に巨大な気を集める。

そしてそれを彼女に投げつける!

…様に地面に手をついた。


「申し訳ありませんでしたあああ!」


土下座。

完全なる謝罪の姿勢。

俺の習った姿勢は頭を地面には完全にはつけない。

少し頭を地面から浮かす。

ここに相手が頭を踏みしめたときに額を地面に打ち付ける余地を残す。


この僅かな隙間をキープし平伏すのが体がプルプルして哀れさを誘うのだ。


幼い頃に見てうっすら覚えている。

男女がケンカしたら男が勝つことは無い。

もうひたすら謝るしか道はないのだと…


オヤジが教えてくれた必殺技。

ただこの技が殺すのは相手ではなく自分の自尊心だけど。


あぁオヤジ…これが辛くて出ていったのかな…


俺は僅かに浮かせた額が床に付かない様に必死にキープした。

額には玉のような汗が浮かび床を濡らした。

帰宅部の俺にはこーゆーキープするだけとかでもつらい。


「はぁ…わかりました。頭をあげてください。謝罪を受け入れます。

まるで私が悪者のようじゃないですか?」


「ありがとう。これからは俺、心を入れ換えるよ!」

「そこまで言うと、うさんくさいですよ。

で、あなたそんなところで何しているんですか?」


俺は土下座が抜けきらないまま正座して答えた。


「いや、行きたいところがあって。

どうにか進もうと悪戦苦闘しているとろなんだけど、進退極まっちゃって。」

「行きたいところ?」


彼女は特に興味無さそうにボートの縁に座りなおした。


…ってか今さらなんだけど、なんで浮いてんだあのボート?


「俺の母の病院。」

「お母様の?」

「母さんは看護師で今朝まで夜勤だったんだ。

いつもならとっくに戻ってくる時間なんだよ。

でも今こんな事態じゃん?

何かあったんじゃないかってな…」


彼女は少し思案する。

ダメか?

まぁ冷たそうな…



「そうですか…そうゆうことなら微力ながらお手伝いさせてもらいます。」


「え?」


「どうぞお乗りください。

幸いスペースに余裕がありますから。」

「マジで!?」

「不埒なこと考えたら直ぐ叩き落としますからね。」


「考えません!絶対考えません!」

「ならいらっしゃい。」


彼女が俺が降りるために開けてくれた場所に、俺は考え無しに飛んだ!


ボムンッ!


3メートル以上、上からボートに高二男子が飛び降りたらば…

当然荷重は俺の方に一気に傾く。


「きゃあ!」


尻から着地した俺の上に彼女はバランスを崩して倒れこんできた。


ムニュ

おふっ…


彼女を支えようと支えた俺の左手には彼女の小さくないオッパイが掴まれていた。


ほわっ!


あっ…これが夢にまで見たラッキースケベか…

もう死んでも…


ゴスッ!

拳で殴られた。

ゴスッ!ゴスッ!

なんの躊躇も無く拳が振り抜かれる。


「ちょ…まっ」


抵抗むなしくさらに三発左右から強かに殴られた。


嘘っ!嘘です!

死んでもよくないです!

死にたくない!

死にたくない!!


拳が重いってこうゆうのか…

ワケわからんこと考えながら俺の意識は刈り取られていく…


「不埒もの…」


気を失う寸前、俺に馬乗りになったまま

胸を抱えそう呟く彼女の恥ずかしそうな顔はどのパンチより俺の頭を激しく揺さぶったのだった。



母さん…俺マザコンじゃなくてマゾなのかも…

強すぎました。

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