07 敵国の門番の兵士を骨抜きにする
ゴワンドは街に出かけた。
お酒とうふ~んな女性を探すためだ。
上機嫌だったのは気のせいだろうか。
わたしと王子は宿で待機だ。
王子も一緒に行こうとしていたのをわたしが止めた。
別に王子に他の女性を会わせたくないとかそんなことではない。ただ、なんとなく行かせたくなかっただけだ。
さて、敵国なので土地勘がない。
ゴワンドはまずは酒場に入ってウイスキーを飲みながらつまみをたべた。そして酒場のマスターに尋ねた。
「この辺りに酒屋はないか?」
「この通りをまっすぐ行って2個目の角を曲がったらすぐだ」
「それと、女の子の店も」
マスターがにやにやした。
「こんな昼間からか。裏通りにいくらでもあるよ」
この様子は王子と私は水晶で全部見ていた。音は聞こえないので会話の内容まではわからない。
「飲んで食べておいしそうですね」
「うむ、よだれがでそうだ」
「ちなみにわたしは皮付きの鶏肉をパリパリに焼いて塩胡椒で味付けしたのが好きです」
「ワインが合いそうだな」
「ところで、王子は何歳ですか?」
「私か?私は16歳だ」
「その年だとお酒飲めないですよね?」
「王族は16歳にもなればアルコールを飲むことはできるぞ」
そうだった。ゴワンドと再会した時もしっかり飲んでた。
「リリアは何歳なのだ」
「何歳に見えます?」
「そういうめんどくさいのは要らないよ?」
「ごめんなさい……14歳です」
「なんだ、リリアこそアルコール飲めない年じゃん」
「悪魔は14歳にもなればこっそりアルコール飲めるんです」
ふふん、どうだ、という顔で答えた。
「いや、こっそりって自白してるし」
やがてゴワンドは酒場を出て、酒屋に向かった。
「さきに酒を注文して準備させておくのであろう」
店員と言葉を交わすと、裏通りに入っていった。
「これから女性を集めて、それから帰りに酒屋で酒を受け取るのであろう」
「どんな女性なのでしょうか。どきどきしますね」
「……」
「人数と値段の交渉をしているようだな」
最後は握手をしていた。商談成立のようだ。
「あれ、なにか店の人に耳打ちされてますよ」
「ゴワンドさんすごく迷ってる。どうしようかなーって顔をしてる」
「あれは多分……ついでにうちの店で遊んでいきませんかと誘われてるんだろう。ゴワンド、そんな時間は無いぞ」
イグザット王国の良心、ゴワンドにかぎってそんな誘いにはのらないよ。
「お、ゴワンドすごく悩んでいる。悩みすぎて泣き出したぞ。腕に力を入れすぎてプルプル震えてるな。でも、ちゃんと断ったみたいだ。偉いぞゴワンド」
ゴワンドさん、何度も後ろを振り返り、悔しそうに酒屋へと向かいましたとさ。
酒屋で酒をうけとり、3人の女性とともにゴワンドは門番の詰め所へと向かった。
ゴワンドが門番に声をかける。
「水晶の映像にセリフをあてよう。俺がゴワンド役をやるからリリアは門番役をやってくれ」
え?
王子は勝手に始めた。王子、暇か。
ゴワンドは持ってきた酒を指さし、どうぞと勧めている。
<こちらの街でも商売始めたんで、お近づきの印にぜひどうぞ>
門番はいやいや、困るよと断っている。
<いやいや、困るよ。仕事中だしさ>
ゴワンド、門番の肩をぽんぽんとたたいている。
<細かいこと言わないでさ。戦争も終わったし、怪しいやつなんて来ないって>
門番ちょっと押され気味だ。
<いや~、でも>
ゴワンド、連れてきた女の子たちに指示してお酒を運び込む。
<さあ、運んじまいな。しっかり相手もするんだぞ>
<オッケー>
門番がゴワンドの腕を引っ張って中に入れようとしている。でも断っている。
<是非一緒に飲んでいってくれよ>
本当は王子がゴワンド役だけど、ここはわたしがやっちゃえ。
<いや、飲んでいきたいのはやまやまなんだけど、うちのボスが妙に時間にうるさくって厳しいんだ。変に細かいんだよな>
王子が水晶から目を離し、わたしの方を見た。
「冗談ですって、冗談!」
ゴワンドは門番の兵士たちに酒を大量に渡し、女性をその場に置いて見事に任務を果たしてきた。
帰り際、何度も後ろを振り返り、名残惜しそうな顔をしていたけど。
ゴワンド……。
門から宿屋は近いので、3分くらいで帰ってきた。
「殿下、目的は達成できました。あとは門の衛兵がどの程度油断するかですが、しばらく時間をおいて確認する必要があります」
王子に報告するドワンゴは武人の雰囲気がする。
「それにしても、今回は時間に余裕がなくてつらかったですな」
<時間があれば女の子と遊べたということだな>
<時間があれば女の子と遊べたということよね>
私と王子は目を合わせてにやっと笑った。
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