厄毒が蝕むモノー2
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「アルトラ」
話の席に居ないアルトラ。今もあの娘の側を離れようとしないのだろう。案の定、看病のために新しく借りた部屋に入り浸っていた
「アーツ、この子の手は治るのか」
「…なんとも言えない」
『医療』『薬草学』『診断』より
幼い獣人の娘は《手腐り草》を食べ、四肢の末端が黒ずんでいる───血液中に吸収され、血管詰まりを引き起こす薬草。水溶性の毒物のため、清水に漬け込む事で毒性の抽出することができる。毒性は軽減されるものの球根や一度に多量摂取すると症状が発生するため、完全な除去は困難。罹患した場合末端の毛細血管が腐れ落ちる故にこの名がついた
栄養失調に至っていないものの空腹に耐えかねたものと見られる───このことから食うに困り手腐り草を長期間にわたって摂取し続けたか短期間に多量に摂取したか、大事なのは彼女は十分な食事を与えられていないという点だ
「そうか」
「今は胃の洗浄と栄養剤を入れている
症状は悪化しないさ」
アルトラが分からない。何故罪悪感を感じているのか不思議でならない───彼女が死にかけているのは奴隷商が制度を無視した運用をしていたからだ
「そうだな。この件は
お前に任せるべき…だな」
声色に怒りが聞き取れた。低く唸るようなそんな声だ。しかし、アルトラは眠り続ける獣人の少女の手を今一度強く握り離した。その表情に怒りや迷いや後悔の色はなかった
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『状況整理』より
《公爵からの招待状》
───《実力》御披露目式への参加
・アルトラ ・ゴードン ・ティーナ
《アルトラの我儘》
→《違法奴隷・シズク》の処遇改善
───《解毒剤》の『調合』『投与』
───《奴隷商》を問い詰める
・アーツ ・エリア




