320. インゲリア王国内部会議 その一
王宮の議事堂は、白い石灰岩で築かれた長方形の大広間で、床には海峡の対岸から運ばれた濃い灰色の大理石が敷かれ、長年の踏み込みと磨きによって、表面は柔らかな光沢を帯びていた。
広間の両側には、三人がかりでやっと抱えられる石柱が八本ずつ立ち、柱の胴にはインゲリア歴代の海軍提督たちの浮き彫りが刻まれていた。
彼らは湾刀や望遠鏡を手にし、視線をそれぞれ別の方角へ向け、衣の襞や髪の筋の一本一本まで、職人の鑿によって細やかに彫り込まれていた。
石柱のあいだには深い青のビロードのタペストリーが掛かり、タペストリーには金糸でインゲリア王国の紋章が刺繍されていた。
翼を広げた一羽のアホウドリが、爪に折れた錨鎖を一本握りしめている。
国王アルジャーノン・ランカスターは、広間の突き当たりの玉座に座っていた。
玉座の材は濃い色のクルミ材で、背もたれの頂には三層の波の模様が彫られ、肘掛けの両端には、丸く磨かれたターコイズが一つずつ嵌め込まれていた。
彼は深い紫の王袍をまとい、袍の襟と袖口には金糸の刺繍の縁取りが施され、腰の革帯には短剣が一振り掛けられ、鞘には不揃いな宝石がいくつか嵌められ、高い窓から斜めに差し込む光の中で、ばらばらと光の粒を反射していた。
彼は手に羊皮紙の巻物を一枚握っていた。
紙の端は、彼の親指によって折り目が一つ付けられていた。
「あの忌々しいエリクソン人どもめ」と彼は言った。
声は高くなかったが、口調は石を噛みしめたかのようだった。
「よりによって、我らが祖先の残した北部領土に目を付けるとはな」
彼が話すとき、視線は羊皮紙から離れなかった。
紙には情報が一つ書かれていた。
内容は長くはなかったが、その情報量は、彼に紙の端を揉んでしわにさせるには十分だった。
情報に記されていたのは、数日後にエリクソン公爵夫人ヘレナと、その一人娘、つまり後継者であるクローディアが、ハーランド帝国北部沿岸で展開しようとしている軍事行動のことだった。
上陸の時期、投入予定の艦船数、先遣部隊の規模。
数字は正確ではないものの、大まかな枠組みは十分に明らかだった。
彼は羊皮紙を肘掛けに叩きつけた。
紙が木の表面に当たり、くぐもった乾いた音を立てた。
広間はしばらく静まり、それから列席する大臣たちの列から、一人が歩み出た。
その男はやや痩せ型で、濃い茶色の長衣をまとい、腰の帯には飾り用の銀の鍵が一連ぶら下がっていた。
顔は長く、頬骨が張り出し、一対の目が、ものを言う前に一度細められた。
まるで、まず風向きを確かめてから、どちらへ向かうかを決めるかのように。
彼は広間の中央まで歩き、玉座の方へ向かって拱手した。
口を開いたとき、その声には、わざと低く抑えた悲痛さが乗っていた。
その悲痛さは本物のように聞こえたが、よく聴けば、それは声の表面に浮かんでいるだけで、奥へ沈んではいないことが分かった。
「恐れながら国王陛下。今、ハーランド帝国内部の戦いはまさにたけなわ。これこそ北部領土を奪い返す絶好の好機でございます。今出兵せずして、北部領土はいつ取り戻せましょうや」
彼は一拍置き、目尻で玉座のアルジャーノンを横目に見た。
国王が自分の言葉を遮る気配がないのを確かめると、そのまま続けた。声はいくぶん高くなっていた。
「そして、あのちっぽけなエリクソン公国。あれは乱に乗じて独立した新興国にすぎず、その軍など、我がインゲリア王国軍の敵ではありませぬ」
この言葉を言い終えたとき、彼の口元はわずかに上へ持ち上がった。
その幅はとても小さく、誰にも尻尾を掴まれない範囲に、きっちりと収まっていた。
彼は自分が今、賢いことをしているのを分かっていた。
国王の感情に寄り添って話し、国王に「自分は彼と同じ側に立っている」と思わせること。
この戦が勝てるかどうか、どれほどの軍費が要るか、補給線をどれほど長く引くか。
それらは彼の考慮の範囲にはなかった。
彼の役職は文官で、担当は人事の任命と礼儀典制だった。
戦に負ければ、責任を問われるのは海軍と陸軍の将軍たちだ。
勝てば、彼は従龍の功となる。
彼の先導で、彼の背後に立っていた数人の大臣たちも互いに視線を交わし、それから次々に歩み出て、口々に同調した。
「北部領土は古来、我がインゲリアの属領にございます」と言う者もいれば、「ハーランド帝国は今、自国のことだけで手一杯、これこそ天が与えた好機です」と言う者もいた。
声は広間に低い唸りとなって集まり、潮が満ちる前に浅瀬で響く、あの反響のようだった。
アルジャーノンは玉座に座り、その声を聞きながら、すぐには態度を示さなかった。
彼の指はクルミ材の肘掛けを軽く二度叩き、それから止まった。
あの唸り声が次第に頂点に達しようとした、まさにそのとき、一つの声が列の左側から割って入った。
「陛下、それがしは、この策はいかがなものかと存じます」
声は大きくはなかったが、とても落ち着いていた。
ちょうど沸騰しようとしている鍋に、石を一つ投げ込んだようだった。
水しぶきはあまり上がらなかった。
だが水面の波紋は四方へ広がり、それまで同調していた者たちを、期せずして黙らせた。
墨色の軍服を着た男が、列から歩み出た。
彼は四十代前半といったところで、背丈はさほど高くなかったが、肩幅が広く、そこに立つだけでしっかりした印象を与えた。
彼の軍服は体に合っていて、肩章には過剰な飾りがなく、ただ襟元に銀の海錨のブローチが一つ留められていた。
それはインゲリア海軍士官学校の卒業記念章だった。
彼の髪は深い茶色で、短く刈り込まれ、もみあげには白髪が数本、黒髪に混じって見え、高い窓から差す光の中でわずかに光っていた。
彼は広間の中央まで歩き、あの濃い茶色の長衣の文官の隣に立ち止まり、それから玉座の方へ向かって拱手した。
「陛下。今、我が軍が出兵すれば、直面するのは、より結束したハーランド帝国であるかもしれません」
彼はそこまで言うと、一瞬言葉を切り、その一言を空気の中にもうしばらく留めてから、続けた。
「なにしろ今、法理の上では、北部領土はなおハーランド帝国に属しております。かつて我々がそれを有していたとはいえ。もし我々が、彼らの内戦がたけなわのときに、突如として外から干渉すれば、我々の望まぬ結果を招くかもしれません。すなわち、ハーランド内戦の双方が、外敵の脅威の前に一時停戦し、矛先を揃えて外へ向ける、という結果です」
彼はアルジャーノンの目を見て、穏やかな口調で続けた。
「ひとたびハーランド帝国内部の二つの勢力が、我々の行動ゆえに再び結集すれば、そのとき我々が相対するのは、もはや四分五裂した帝国ではなく、たとえ既に傷ついてはいても、国を守るという旗の下に再び団結した、完全な一つの国家です。そのとき、現在のインゲリアの軍力をもってしては、おそらく彼らの敵ではありません」
彼は一拍置き、言った。
「ゆえに、それがし、陛下に熟慮あらんことをお願い申し上げます」
彼が話すとき、声を張り上げることも、わざと低く抑えることもなかった。
彼の口調は常に安定した範囲に保たれ、まるで同僚に技術案を説明しているかのようだった。
煽りもせず、退きもせず。
一言一言が事実の上に立っていて、感情を決定に介入させなかった。
少なくとも、彼自身の発言の部分では、そう制御していた。
広間は数秒で静かになった。
アルジャーノンはすぐには答えなかった。
彼は玉座に座り、片手を肘掛けに置き、もう片方の手で、すでに折り目の付いたあの羊皮紙を握ったまま、視線をライオネル・オブライエンの顔に置き、しばらく留めた。
アルジャーノン・ランカスターは、無論、馬鹿ではなかった。
彼は感情に火が点きやすいが、その火はたいてい長くは燃えなかった。
とりわけ、誰かが水をかけてきたときには。
彼は先ほど、確かにこう考えていた。
ハーランド帝国内戦の隙に乗じて北部領土を奪い返せれば、それは彼の在位中の最大の功績となり、インゲリアの王室年代記に、丸々一ページを占めるに足るだろう。
幼い頃から聞かされてきた、祖先の遠征についての伝説や歌。
寝室の壁に掛けられたインゲリア艦隊が帆を上げて出港する姿を描いた油絵。
即位式の折に繰り返し唱えられた「祖業を光復せよ」という誓いの言葉。
それらの声が、彼の頭の中で、一つの低い共鳴となって集まっていた。
だが、ライオネルの言葉は、その共鳴の弦に指を一本押し当て、それを止めた。
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