294. 翠湖
タクシーの運転手が私たちを公園の入り口で下ろしたとき、わざわざ母の顔をもう一度見直した。
たぶん、彼女が車から降りてきて最初にしたことが、公園の塀の高さと形を仰ぎ見て、それから思わせぶりにうなずくことだったからだろう。
「……」
翠湖は大きくない。
いや、それほど大きくもない、と言うべきか。
木綿城のあの川沿いに作られた大きな公園と比べると、翠湖は街に包み込まれた小さなオアシスのようなものだった。
湖面は穏やかで、水質はきれいだ。
湖心には小さな島があり、島には東屋があり、東屋では何人かのお年寄りが囲碁を打っていた。
湖畔の歩道は梧桐と銀杏の木に覆われ、木漏れ日が葉の間の隙間からこぼれて地面に落ち、まるで砕けた金箔が一面に敷き詰められているようだった。
この季節、銀杏はまだ黄葉しておらず、木いっぱいに緑が茂っている。
だがそれでもなお、翠湖は十分に美しかった。
私たちは湖沿いをゆっくり歩いた。
湖面には何羽かのユリカモメが舞い、時折急降下して水面をかすめるように通り過ぎ、細い波紋をひとつ残していった。
「この湖は」母が一番前を歩きながら、ふいに口を開いた。
「水の色がエリクソン山裾の湧き水と違うわ」
「違いますか?」
「湧き水は透明で、底の石が見える。この湖の水は少し緑がかかっていて、生きているの。湖の中には魚がいて、水草がいて、小さな生態系が一つあるわ」
彼女は一瞬だけ間を置いた。
「悪くない方の違いよ」
ユーナが携帯を取り出し、湖心に向けて何枚か写真を撮った。
私たちは翠湖を一周して、湖畔のベンチに腰を下ろして休んだ。
ベンチの向かいには柳の並木があって、柳の枝が微風にゆらゆらと揺れ、まるでまだ描きかけの水墨画のようだった。
「翠湖は見終わったわ」私は携帯を取り出し、観光パンフレットで丸をつけた場所をめくった。
「次は金殿、城北の山の上よ」
「山」母の耳がぴくりと動いた。
「どれくらい高い?」
「高くないわ。孟勒金塔寺のあの山と同じくらい」
「それは山とは呼べないわね」母が私の言葉を遮った。
「……そうね、山とは呼べないかもしれないわね。でもその上に、全部銅で作られた道教の建物があって、数百年も経っているの」
「全部、銅」母は繰り返して立ち上がり、膝の上の柳の葉を払った。
「行きましょう」
金殿は案の定、山の上にあった。
とても小さな山で、鳴鳳山という名だ。
入り口から石段がくねくねと上へと続き、両側には背の高い松の木が生い茂って、山道全体を深く涼しく覆い隠していた。
陽射しは松の重なり合った針葉を突き抜けられず、わずかな金の糸が数本だけ隙間からこぼれて石段の苔の上に落ち、誰かがその上に文様を描いたようだった。
母は前に歩き、足取りはとても速い。
急いでいるわけではなく、この山が彼女にとって本当に低すぎるからだ。
彼女が石段を上っても、息は乱れなかった。
ユーナがその後ろについて、少しゆっくりだが、それでも疲れた様子はない。
十四歳の体が、叻沙城で何日も熱気に押し付けられたあと、ようやく高原の涼風の中で息を取り戻していた。
私は一番後ろを歩き、登りながら携帯を見ていた。
何かを眺めるためではなく、金殿の背景を確認して、後で母に説明するためだ。
金殿、正式には太和宮金殿といい、数百年前に建てられ、建物全体が黄銅で鋳造され、重さは数百トンに及ぶ。
殿内には道教の神像が安置され、それも銅製で、やはり数百年の風雨を経てなお光沢は失われていなかった。
前世の私は、道教についてそれほど詳しくなかった。
ただ、これが紅龍国土着の宗教で、天人合一や陰陽調和を説くものだということくらいは知っていた。
仏教が来世を説くのに対し、道教は今生を説く。
どう生きるか、どう長く生きるか、どう天地自然と共に在るか。
石段の終わりに、視界がぱっと開けた。
金殿はその平坦な山頂に立っていた。
とても静かだ。
壮大で華やかな大殿というわけではなく、四角四面の、銅でできた建物だった。
殿の本体は大きくないが、一枚一枚の銅板も、一本一本の柱も、銅板に刻まれた文様の一筋一筋も、年月によって深い光沢を帯びていた。
真新しい金色ではなく、歳月に沈殿した暗い銅色だった。
古い道具の光であって、新しい品物の輝きではない。
殿の前には何本かの古木があって、とても太く、二三人がかりでようやく抱えられるほどだ。
殿の入り口には香炉があり、炉の上に青い煙がたなびき、ゆっくりと広がっていった。
空気の中に白檀の匂いが漂っていた。
ほんのりと浮かび、外の山道の松の匂いと混ざり合って、独特の山林の宗教的な気配を生んでいた。
母は殿の前に立ち、すぐには中に入らず、金殿の周りを一周した。
彼女は指先で、その銅の壁にそっと触れた。
とても軽く、まるで伝説の中にしか存在しないものに触れるようだった。
「エリクソンで一番大きな銅壁は、グリンマンランク帝国時代の古い城にあって、銅の扉が一つあったわ。高さはおよそ四メートル。あれでも当時としては大したもので、十数人の工匠が同時に操り、型に一枚ずつ流し込み、鋳造の最中にも魔法で型の温度を安定させなければならなかったのよ。さもないと割れてしまうから」
彼女は手を下ろし、金殿の銅屋根を見上げた。
「あの銅扉の原料は、貴族が三つの銅山を出して換えたものだった。でもこれは」
彼女は目の前の銅でできたこの建物全体を指差した。
「ここには、誰かが銅で殿を一つ建ててしまったのよ」
「すごいでしょう」と私は言った。
「すごいだけじゃないわ」母は言った。
「これは、数百年前の紅龍国が、もう貴族が銅山を三つ出さなくても銅器が作れるようになっていたということよ。銅は一般的なもの、珍しいものではないからこそ、殿を建てるのに使えたの」
彼女は一秒だけ黙った。
「この文明の底力は」と彼女は言った。
「私が思っていたより深いわ」
私たちは金殿の中をだいたい一時間ほど見て回った。
殿内の銅製の神像は荘厳で、目の前の供え台には何皿かの果物が載り、参拝する人は多くないが、来る人は皆、とても静かだった。
線香の煙はとても薄く、鼻をつかない。
母が神像の前に立って長く見入り、ユーナが傍らで、小声で道教の神々の系譜を説明した。
彼女自身もおおまかなことしか言えないながらも。
下りのとき、太陽はもう西へ傾いていた。
高原の黄昏は訪れるのが遅いが、いったん始まると光はとても柔らかくなり、まるで誰かが空の果てに薄い帷を引いたように、すべての色を一段階だけ浅く押し下げていく。
ホテルに戻ると、私たちは荷造りを始めた。
彩雲城がくれたのはたった二日だった。
初日の夕方に着き、二日目は一日まるまる観光の日で、そして今、二日目も終わろうとしていた。
私たちが予約したのは夕方六時半の汽車の切符で、彩雲城駅を出て、彩雲行省の中部へ、風花城へ向かう。
少し不思議な気がする。
叻沙城には二日いたが、去るときに名残惜しいと思う気持ちはなかった。
蚊、熱気、地雷を踏んだ米粉、不味い夜市、これらを足し合わせると、さっぱりと去ることができた。
だが彩雲城には二日しかいなかったのに、荷造りをしているとき、実はもう一日いてもいいのにという微妙な名残惜しさが湧いた。
見どころが足りなかったからではない。
ここでの温度、ここでの風、ここでの過橋米線、そして翠湖のほとりのあの揺れる柳の並木だ。
それらが一緒になって、もう少し留まっていたいような、そんな雰囲気を作り上げていた。
「また来るわよ」ユーナが私のスーツケースのファスナーを閉め、顔を上げて私をちらりと見た。
「ここは拠点にしてもいいって、あなたも言ってたじゃない」
「あれは母さんの言葉よ」
「同じ意味でしょ」
私は苦笑して、最後の一袋の乾燥花のしおりをバッグの横ポケットに押し込んだ。
母は部屋のドアの傍らに立ち、すでにすべての荷物をまとめていた。
彼女の効率はいつも高い。
旅支度なんてものは彼女にとって、おそらく歯磨きや洗顔と同じくらいの日常の用事なのだろう。
「行きましょう」と彼女は言った。
その口調は穏やかだった。
「次の街へ」
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