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リブートオブアーク ―科学と魔法が交差する王国再建戦記―  作者: 和幸雄大


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第二部 第83話 魔導獣軍団

レグノル王城前。

戦場は、静まり嵐の前の静けさだった。

王城の前に立つレグノル軍。

その対面に立つ七聖。

ミハイマール。

静かな声が再び響く。

「最後に言います」

「退きなさい、見逃すから」

「これは秩序を守るための行為です」

セリナは一歩前に出た。

剣を構える。

「……それでも」

「進みます」

短い答えだった。

だが十分だった。

その瞬間だった。

城壁の上で、誰かが笑った。

「いいねぇ、王女様好きになりそう」

軽い声。

その男が城壁から飛び降りる。

黒い外套。

鋭い目。

エミリオだった。

「話が早い方が好きなんだ」

肩をすくめる。

「戦争だろ?」

エミリオは手を軽く振った。

「なら――」

地面が震えた。

ドン。

ドン。

ドン。

地中から現れる異形な獣。

黒い影。

一体。

二体。

十体。

狼だった。

だが普通の狼ではない。

鋼鉄の装甲。

赤く光る目。

牙から魔力が漏れている。

魔導獣。

それが――

百。

いや。

さらに現れる。

バルドが笑った。

「ははっ」

「いいじゃねぇか」

カイが低く言う。

「来るぞ」

エミリオが指を鳴らす。

「行け」

魔導獣が一斉に走った。

地面が揺れる。

牙。

爪。

赤い目。

獣の軍団だった。

レグノル軍の列が揺れる。

民兵が一歩下がる。

その時だった。

ヴォルコフが前へ出た。

白髪の騎士団長。

剣を抜く。

「騎士団」

短く言う。

「前へ」

カイが振り向く。

「ヴォルコフ」

ヴォルコフは振り返らない。

「行け」

「王城は目の前だ」

バルドが笑う。

「殿かよ」

だが表情は笑っていなかった。

ヴォルコフは静かに叫ぶ。

「騎士道とは」

剣を構える。

「最後に残る希望を守る者だ」

魔導獣の群れが迫る。

ヴォルコフが一歩踏み出した。

その後ろでカイの隊が叫びながら走る。

「突撃! 魔導獣にかまわずいけ!」

バルド隊が走る。

セリナ隊が走る。

王城へ。

魔導獣と第3騎士団が衝突した。

金属と牙がぶつかる。

剣が閃く。

血が飛ぶ。

城壁の上。

エミリオが楽しそうに見ていた。

「いいね」

「ちゃんと戦争してる」

だがその視線は――

セリナ達を追っていた。

「さて」

小さく呟く。

「どこまで来れるかな」

レグノル王城。

戦いは、さらに激しくなる。

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