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第二部 第82話 秩序と混沌
レグノル王城。
かつて王国の象徴だった城は、今はテンレア同盟の軍旗に覆われていた。
黒い旗が城壁に翻る。
聖導軍。
王城はすでに要塞と化していた。
城壁には魔導砲。
塔には魔導弓兵。
城門には重装兵。
完全防衛体制だった。
城壁上から、聖導軍の兵がアルヴァ砦の方角を監視する。
そして。
それを見た兵が叫んだ。
「レグノル軍!」
伝令が城内へ走る。
兵が呟く。
「……来た」
谷を抜け、王城前まで進軍してくる軍勢。
レグノル王旗。
レグノル王家の紋章。
新生レグノル軍だった。
王城の前。
カイが軍を止める。
「ここまでだ」
軍勢が静かに止まる。
ヴォルコフが城壁を見上げた。
「堅いな」
バルドが笑う。
「燃えるじゃねぇか」
カイは冷静に状況を見る。
「正面突破は損害が出る」
その時。
セリナが前へ出た。
王城を見上げる。
「……レグノル」
小さく呟く。
そして剣を抜いた。
その瞬間だった。
王城の門がゆっくりと開く。
城内から現れたのは――
黒い鎧の軍。
聖導軍。
その先頭に立つ者がいた。
ミハイマール。
静かに言う。
「止まりなさい」
その声は戦場全体に響いた。
「これ以上の進軍は」
「秩序への反逆です」
七聖の一人が、そこに立っていた。
レグノル奪還戦。
ついに――
七聖との戦いが始まる。




