↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シュトヤヌ日和  作者: 京町ミヤ
12/47

名前(2)

翌日の昼休み。シュトラントは庭の片隅で休憩していたフリューリングを見付けたので、声を掛けて一緒に昼食をとっていた。


シュトラントが口に運んでいるのは、今朝母から手渡されたサンドイッチだ。食パン五枚分と具沢山のサンドイッチを一人で平らげるのだが、フリューリングは目を剥いて驚いていた。


(うぅん……普通だと思ってたんだがなぁ……)


フリューリングは自身の手の平よりも小さいクリームパンを一つ食べて食事を終えていた。いやそれは流石に足りないだろう、とツッコミたかったが、人の食事量に口を出すべきではない、と思い留まりぐっと堪える。


「所で、何故わたしを誘って下さったのですです?」


「ん、あぁ……少し聞きたい事があってな」


「何でしょうかです?」


「………………アンタ……」


少し言い淀んでから、シュトラントは意を決して口を開いた。


「ヤヌアールと……どういう関係なんだ!?!?」「友達ですがです」


即答された。しかも、「それ昨日説明されてましたよね?」といったふうに。


「お泊まりがどうとか言ってたけど!!」

「単なるお泊まり会ですです。女子会だと思って頂ければ宜しいかと思いますです」


「恋愛感情抱いてたりする!?!?」

「わたし彼氏いますです」


「俺の知らないヤヌアール知ってたりする!?」

「頭大丈夫ですかです?」


「いや待て、今のは少し語弊があったな……。女友達の前でのヤヌアールってどんな感じなの?」

「同じじゃないですかです?」


ふむふむ、とフリューリングは目を細めて、シュトラントを見上げる。


「成程ですです。シュトラントさんはやっちゃんにほの字なのですねです」


「何故分かった!?」


「むしろ分からないと思ったんですかです!?」


呆れたものですです、と溜息をつきながら、フリューリングは肩を竦めた。

そう、シュトラントは分かりやす過ぎる。今は同期の訓練兵にも「幼馴染のヤヌアールちゃんとは上手くいってるのか?」と聞かれる程に知れ渡ってしまっている。同期のほとんどはヤヌアールの顔すら見た事ないだろうが。


「いやさ、ヤヌアールの交友関係に口出しする気は勿論無いんだぜ? 恋愛とかも、アイツの自由だし……俺が拘束するものでも無いって分かってる。でもよ……す、好きな子が、他の子と仲良くしてたら……何か、モヤっとするというか……」


「ジェラシー感じちゃってるんですねです。可愛らしいと思いますです」


「可愛いって……俺に言う事か? あと……ヤヌアール、友達少ないって言ってたから……。どんな人なのか気になって……声、掛けさせてもらった」


迷惑だったらごめんな、と苦笑をもらすシュトラントを見て、フリューリングはもう一度溜息をついてから、おかしそうに吹き出した。


「ふふふっ」


「な、何がおかしいんだよ……?」


「いえいえ、やっちゃんからお聞きしていたシュトラントさんとは、全く別人のようだったので……つい笑ってしまったのですです」


「えっ!? や、ヤヌアールは俺の事なんて言ってたんだ!?」


ずいっ、と身を乗り出して問うシュトラントがおかしくって、フリューリングは素直に教えてやる事にする。


「強くてかっこいい、大事な人だそうですよ────」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。