↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命の影  作者: AkiraNox


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/31

死闘を繰り広げる

第四の試験


数時間後――。


生き残った子供たちは、再び兵士たちに連れられていた。


誰も口を開かなかった。


これまでの試験で、彼らはすでに多くのものを失っていた。


体力も。


仲間も。


そして――心さえも。


やがて、兵士たちは一行を見知らぬ場所へと連れていく。


そこに待っていたのは――


これまでとは違う、奇妙な場所だった。


子供たちは何も知らない。


ここで何が始まるのか。


そして――


自分たちに何が待ち受けているのか。


ただ一つだけ確かなことがあった。


この場所に来た瞬間から――


彼らの運命は、大きく変わり始めていた。

数時間後――


生き残った子供たちは、別の場所へ連れて行かれた。


そこにいたのは――


4、56、23、16、305、22、43、20、66、32、90、154、163、269、247、24、220、77、306、116。


彼らは兵士たちの後ろを歩いていた。


顔には疲労が色濃く浮かんでいる。


56:

「もう疲れた……」


「どこへ連れていくんだ?」


兵士:

「黙って、さっさと歩け」


子供たちは再び歩き始めた。


しばらくして――


兵士たちが足を止めた。


子供たちは顔を上げる。


目の前には、荒れ果てた場所が広がっていた。


しかし、その中央には――


巨大な闘技場があった。


円形の闘技場。


その周囲には、高い壁がそびえ立っている。


兵士:

「上がれ」


子供たちは一人ずつ闘技場へ入っていく。


4。


5。


6。


7。


8。


9。


10。


11。


12。


13。


14。


15。


16。


17。


18。


19。


20。


21。


22。


23。


全員が闘技場の中に立った。


23:

「これから何をする?」


「また試験なのか?」


4はナイを見る。


「試験は終わったんじゃなかったのか?」


43:

「まさか、もう一度試験を受けるなんて……」


ナイは顔を上げた。


「試験は確かに終わった」


「それは事実だ」


静寂が広がる。


22:

「じゃあ、ここは何なんだ?」


ナイは全員を見渡した。


「ここは試験じゃない」


「これは――」


一拍。


「殺し合いだ」


子供たちの目が大きく見開かれる。


「……何?」


ナイ:

「お前たちはまだ多すぎる」


「これほどの人数は必要ない」


「だから――」


「八人になるまで戦ってもらう」


一人の子供が震えながら尋ねた。


「俺たちに……殺し合えっていうのか?」


ナイ:

「その通りだ」


恐怖が子供たちの顔に浮かんだ。


ナイは闘技場を見渡す。


「この闘技場は広い」


「だが、誰か一人でも外へ落ちた場合、その時点で脱落だ」


一人の子供が眉をひそめた。


「脱落……?」


「それなら、簡単じゃないか」


ナイ:

「違う」


「私が言っているのは――」


「闘技場の外へ落ちた者は……」


「この世から脱落するということだ」


「つまり――」


「死ぬ」


全員が黙り込んだ。


「もしお前たちが殺し合いを始めないのなら――」


ナイは冷たい目で彼らを見た。


「私が全員殺す」


「だから――」


「始めろ」


誰も動かなかった。


子供たちは互いを見つめている。


震える手。


荒い呼吸。


怯えた目。


ミラはカイレンの隣に立っていた。


そして、小さな声で囁く。


「カイレン……」


「これ……まずいよ」


カイレンは彼女を見る。


「どういうこと?」


「ヴァレー・オブ・サバイバルの試験の時から、みんなあなたを殺そうとしていた」


「でも、できなかった」


ミラは他の子供たちへ視線を向ける。


「だから……」


「ここは、あなたを殺すには最高の場所なんだと思う」


カイレンは周囲を見渡した。


全員が自分を見ている。


そして――


ゆっくりと、子供たちの手が動き始めた。


56が唾を飲み込む。


4が目を見開く。


そして――


全員が一斉に走り出した。


標的は一つ。


カイレンだった。


305が全力で彼へ突っ込んでくる。


「悪い!」


「俺は死にたくないんだ!」


飛びかかってくる。


カイレンは目を閉じた。


しかし――


ミラが自らカイレンの前へ飛び出した。


305の攻撃を受け止める。


カイレンは目を開いた。


ミラ:

「逃げて!」


そして305を掴み、横へ投げ飛ばした。


そのまま走り出す。


カイレンも彼女の後を追った。


一歩。


また一歩。


さらに一歩。


だが、そこへ23が突っ込んできた。


カイレンはさらに速度を上げる。


そして前を見る。


22が立っていた。


その顔には――


大きな笑みが浮かんでいる。


それは、見る者の背筋を凍らせるような笑みだった。


22:

「捕まえた」


ドンッ!


拳がカイレンの顔面を捉えた。


カイレンは後ろへ吹き飛び、地面に倒れた。


顔を上げる。


すると、305が目の前に立っていた。


305はカイレンの首を掴んだ。


カイレンは必死にその手を引き剥がそうとする。


305:

「悪い……」


「本当に悪い!」


震えながら笑い始める。


「でも……」


「これ……楽しい……」


その瞬間――


ズブッ!


22の手が305の首を貫いた。


305の目が止まる。


その手は反対側まで突き抜けていた。


血が床へ落ちる。


22:

「こいつは渡さない」


22はゆっくりと手を引き抜いた。


そしてカイレンを見る。


その顔には、まだ笑みが浮かんでいた。


そして――


殴りかかる。


カイレンは間一髪で後ろへ飛び退いた。


攻撃をかわす。


立ち上がる。


そして走った。


全力で。


だが、その後ろから――


116。


117。


118。


119。


次々と子供たちが追いかけてくる。


カイレンは闘技場の端まで追い詰められた。


立ち止まる。


「まずい……」


「こいつらを外へ落とさないと……」


116が突っ込んでくる。


手を伸ばす。


そしてカイレンの腕を掴んだ。


強く握りしめる。


そして――


押し出す。


だが、落ちたのは116の方だった。


その身体が闘技場の外へ落下する。


続いて20が飛びかかってきた。


しかしカイレンは、寸前で横へ身をかわした。


20は勢いを止められない。


カイレンは空中にいる20を押した。


20の身体が闘技場の外へ落ちていく。


次に163と43が同時に迫ってきた。


右から163。


左から43。


逃げ道はなかった。


しかしカイレンは二人の間を一気に駆け抜けた。


二人は闘技場の端で止まる。


43:

「待て……」


「待ってくれ!」


「落ちる!」


163:

「今のは危な――」


ドンッ!


二人の身体が同時に押し出された。


そのまま、闘技場の外へ落下する。


カイレンは落ちていった四人を見つめた。


その瞬間――


ゴォォォォッ!


炎が燃え上がった。


誰かが魔法を放ったのだ。


落下した四人の身体が炎に包まれる。


彼らはカイレンへ手を伸ばした。


「助けてくれ!」


「頼む!」


しかし炎は彼らを飲み込んだ。


やがて――


四人の身体は灰へと変わった。


カイレン:

「うあああああ!」


その場に膝をついた。


手で口を覆う。


今にも吐きそうだった。


だが、何も聞こえなかった。


ただ――


キィィィン……


鋭い耳鳴りだけが、頭の中で響いていた。


カイレンはゆっくりと顔を上げる。


そして――


ミラを見つけた。


彼女は23と戦っていた。


二人の戦いは激しかった。


ミラ:

「うああああ!」


腕を振り下ろす。


ドンッ!


しかし23はそれを受け止めた。


そして彼女の手首を掴む。


そのまま地面へ叩きつけた。


ミラ:

「くっ……!」


痛みに顔を歪める。


23は彼女を地面に押さえつけた。


その一方で――


22、4、56は次々と他の子供たちを殺していた。


カイレン:

「何が起きてる……?」


「違う……」


「やめろおおお!」


その時――


22がカイレンへ向かって走り出した。


身体中が血で染まっている。


カイレンの前で立ち止まる。


彼を見つめる。


その顔には、まだあの笑みがあった。


だが、攻撃を仕掛けるより先に――


ナイの声が闘技場全体に響き渡った。


「もういい!」


全員が動きを止めた。


子供たちは一斉に顔を上げる。


彼らはまだ気づいていなかった。


必要な人数は、すでに揃っていた。


八人だけ。


1. 306- 2. 77- 3. 22 - 4. 23 5. 4 6. 56 7. 24 8. 32


23はミラから離れた。


カイレンはすぐに彼女のもとへ駆け寄った。


「ミラ!」


「大丈夫か!?」


ミラは顔を上げた。


激しく息を切らしている。


それでも――


小さく笑った。


「うん……」


「うん、私は大丈夫」


カイレンはしばらく彼女を見つめた。


そして、そのまま彼女の隣に立った。


残されたのは、たった八人。


しかしカイレンには、一つだけ分かっていた。


試験は終わった。


だが――


あの闘技場で起きたことは、


もっと恐ろしい何かの始まりにすぎなかった。


第四の試験・終


こうして――


第四の試験は終わった。


いや。


正確には、試験という名の殺し合いが終わっただけだった。


数百人いた子供たちは、わずか八人になった。


その中には、カイレンとミラもいる。


しかし、二人の胸に残ったのは、生き残れたという喜びではなかった。


目の前で消えていった命。


血に染まった闘技場。


そして、あの笑みを浮かべながら人を殺していた子供たち。


カイレンは何も言わず、静かに闘技場を見つめていた。


試験は終わった。


だが――


本当の地獄は、まだ始まったばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。