↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Pale Witch | 蒼白の魔女「第二章連載中」  作者: Roi
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/33

第25話:アンナさんの小さな習慣 / Anna's Little Habits

 今回のエピソードは、日常生活コーナーのサイドストーリーとして位置づけられています。第26話は、第24話の続きから始まります。

 アンナさんと旅を始めてから、私は彼女に一つの決まった小さな習慣があることに気づいた。


 朝の簡単な乾パンでも、夜の香ばしい焼き肉でも、食事の時間になると必ず手を止め、胸元の小さな十字架にそっと手を触れ、両手を合わせて頭を下げ、目を閉じ、静かに何かを口にした。


 最初は独り言だと思っていた。ある夕方、焚き火のそばに座っていると、炎が彼女の平凡だが整った顔を温かく照らした。彼女はいつものように胸元の十字架を愛おしそうに包み込むように両手を合わせ、低い声で言った。


「今日の食物と加護を女神に感謝します。旅の無事を、そして愛する人々の安寧を。」


 そう言ってから、ようやく食べ物を手に取って食べ始めた。


 私は思わず尋ねた。「アンナさん……信者なのですか?」


 彼女は顔を上げ、優しく微笑んだ。炎の光の中で目が特に柔らかく見えた。


「はい。私の故郷では女神を崇拝しています。この『テラ』と呼ばれる世界では、女神が唯一の神です。誰も女神の本当の姿を見たことはありませんが、私たちは皆、女神の存在を固く信じています。」


 彼女は私に一緒に祈るようにとは言わなかった。ただ静かに食事を続けた。指輪が炎の光をかすかに反射し、まるで無言の証人のようだった。


 その日から、私は彼女のこの習慣に注目するようになった。


 天気が悪くても、旅がどれほど辛くても、彼女は決して省略しなかった。


 最初はただ静かに見ていた。後にある時、彼女が両手を合わせた瞬間、私も思わず両手を軽く合わせた。何を言えばいいかわからず、ただ数秒目を閉じて心の中で「今日の食物に感謝します」と思っただけだった。


 アンナさんは何も言わなかった。ただ小さく頷き、黙って認めてくれたようだった。


 次第に、これが私自身の小さな習慣になっていった。


 林道を歩いているとき、木の葉の隙間から差し込む陽光が斑模様を描くと、彼女が祈るときの穏やかな表情をふと思い出す。夜に星空を見上げるときも、心の中で「女神のご加護を」と呟くことがある。


 本当に信じ始めているのかどうか、自分でもわからない。


 でも少なくとも、未知と危険に満ちたこの道の上で、こんな優しく小さな習慣があることで、少しだけ孤独を感じずに済むようになった。



(第25話 終)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。