第11話:脅す / Threat
重い鉄の扉が耳障りな摩擦音を立ててゆっくりと開いた。
私ははっと顔を上げ、銀白色の長い髪が動きに合わせてわずかに揺れた。薄暗い油ランプの灯りの下、入口に三つの人影が現れた。
先頭の人物はすらりとした長身で、深い黒のローブに身を包み、顔には薄いヴェールをかけており、冷たく鋭い目だけが露わになっていた。その目は揺らめく灯りの中で幽かな光を反射し、底知れぬ古井戸のようだった。後ろには同じくヴェールをかけた二人が続き、動きは揃っており、微かながらも明らかな威圧感を放っていた。三人が揃った瞬間、狭い牢房の空気が一気に重く冷たくなり、得体の知れない不気味な雰囲気が漂った。
教会の関係者なのか? それとも、闇に潜む別の勢力なのか? 心臓が思わず早鐘を打ち始め、強い警戒心と不安が胸に広がった。しかし、表面上は平静を装い、冷静に相手の視線を受け止めた。今こそ、決して隙を見せてはならない。
私たちは無言で視線を交わした。時間が引き伸ばされたかのように感じられ、一秒一秒が神経を刺すようだった。自分の心臓の鼓動がはっきりと聞こえた――重く、早かった。様々な考えが頭の中を駆け巡った――彼女たちは誰なのか? なぜここにいるのか? 私はどこまで正体を露呈してしまったのか? しかし、決して心の動揺を露わにしてはならない。一度でも動揺を見せれば、すべてを相手に明け渡すのと同じことだ。
相手の目は微塵も揺るがず、静かで冷たく、強い観察の眼差しで私を値踏みするように見つめていた。まるで物品の価値を計るかのように、あるいは予想通りのものを確認するかのように。牢房の空気はますます重くなり、背中はすでに冷たい汗でびっしょりだったが、私は平静な表情を崩さなかった。
やがて、先頭のヴェールをかけた女性が口を開いた。声は低く澄んでおり、成熟した女性らしい落ち着きがあったが、感情は一切感じられない冷たいものだった。
「名前は?」
私は唇を軽く引き結び、声はかすれていたがなるべく落ち着いて答えた。
「……セレナ。」
ヴェールをかけた女性はわずかに首を傾げ、答えの真偽を測るようにした。しばらくして、彼女は波のない声で続けた。
「君は孤児院の者だな。ここに来た目的は何だ? ただ魔法書を盗むためだけか?」
私は目を上げ、相手の底知れぬ瞳を真正面から見つめ、口元に自嘲めいた冷静な笑みを浮かべながら、内心では最善の対応を必死に考えていた。
「……そうだと答えたら、信じますか?」
相手はすぐに答えず、ただ圧迫感のある視線を向け続けた。私は隙を突いて問いかけた。声はなるべく平静に保つ。
「ここは一体どこですか? 今は何時ですか?」
しかし相手は沈黙したままだった。後ろの二人も石像のように動かない。どんな質問をしても答えは返ってこない。その完全な無視が、胸の中の不安を毒の蔦のように絡め取り、締め付けてくる。だが私は表面上、冷静さを崩さなかった。
私は深く息を吸い、募る焦りを抑え、もう一度尋ねた。
「……どうやって私の存在に気づいたんですか? あの時、周囲に誰もいなかったはずなのに……」
ヴェールをかけた女性はようやく反応を見せ、ほとんど聞こえないほどの嘲笑を漏らした。声は低かった。
「……君が教会に足を踏み入れた瞬間から、魔力は感知されていたんだよ。本人が気づいていないとはね。」
彼女は少し間を置き、独り言のように呟いた。
「どうやら……この程度か。」
その言葉は胸に重く突き刺さった。
マグリット修女の繰り返しの警告が、脳裏に一気に蘇った。彼女は何度も灰堂で、弱々しくも厳しい声で言い聞かせていた——絶対に、絶対に誰の前でも魔力を放ってはならない。体内の暴れ狂う力を徹底的に抑え込めと。なのに私は……一番大切な時に、一時の油断でこんな初歩的なミスを犯してしまった。
後悔と自己嫌悪が、激しい波のように押し寄せてくる。どうしてこんなに愚かだったのか。この状況で魔力を抑えきれなかった自分が情けなくて仕方ない。しかし私は歯を強く食いしばり、表面上は冷静な表情を保ち、目には一切の動揺を映さないようにした。絶対に相手に弱みを見せてはならない。
それで、私はどうなる?
まだ問いかける間もなく、相手はわずかに身を引いて牢房の鉄扉を押し開けた。重い蝶番が耳障りな音を立てる。二人のヴェールをかけた人物が即座に入ってきて、左右から私の腕を荒々しく掴んだ。強引に連れ出すつもりらしい。
「大人しく従うのが賢明だよ。」ヴェールをかけた女性——ノラが少し近づき、明らかに脅しを含んだ声音で言った。「明日は君の14歳の誕生日だよね?この日を穏やかに過ごしたいだろうね。」
!!
彼女たちは……私の本当の年齢や誕生日まで調べ上げていた。私のことをかなり詳しく調査済みらしい。胸が重く沈む——今は素直に従うしかない。そうでなければ状況がさらに悪化するだけだ。
「安心しろ。ただ場所を移すだけだ。」ノラは続け、声にわずかな笑みが混じっていた。「こんなじめじめした場所にずっと居たいわけじゃないだろう? もっと快適な場所に移ろう。」
そう言うと、二人が荒々しく私を引きずり始めた。鎖が耳障りな音を立て、手首に焼けるような痛みが走る。私は歯を食いしばり、声を上げないように耐えながら、頭の中では脱出の可能性を必死に探っていた。
その時——
「ノラ! もういい!」
廊下の奥から、聞き覚えのある弱々しいが意志の強い声が響いた。
あの声は……マーガレット修道女だ!
(第十一話 終)




