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私の執事の秘密のオシゴト。  作者: ruka
本編
7/135

7. 義姉様の話。


と、思い出したところでゾッと背筋が冷える。


ああ…今日は()()悪夢見ちゃうかな……

最近はだいぶ減ったんだけど…


よいしょっ、とベッドから降り部屋に常備している水差しからコップに半分くらい注ぎ飲み干す。

「ふー。 今夜はアシュ、帰ってくるかな……」

昨晩も帰ってこなかった。我が家での仕事以外の仕事を手伝っているらしいんだけど。

さすがに疲れ切っていたから夢すら見ることなく熟睡だったから良かった。


──アシュ、本名(フルネーム)アシュクロフ。私の専属執事。孤児だから家名はない。橙色の髪に茶色の瞳を持つ。

専属なのに今はいないのかとか突っ込まないで欲しい。

雇い主はお父様だし、そのお父様からこっち手伝えと言われたら行かざるをえない。

それでも夜には私のために帰ってきてくれるのだから頭が上がらない。


私のため……私は前世の記憶を由来とする()()()()()()()()

最近は週に1回程度だけど以前はもっとひどかった。(最初の頃は毎晩飛び起きるのが1年近くは続いた。)

そんな中、彼アシュクロフだけがどれだけ夜中であっても私の様子にすぐ気付き駆けつけ、啜り泣く私を落ち着かせまた寝入るまで付いていてくれる。

そんな生活を6年近く送っている。それもあって昨晩のあの時、すぐ頭に浮かんだのは彼だった。


(そういえば、"10歳の頃の約束"とか言ってたっけ…?)


コンコンコンっと扉がノックされる。

入室を促すと私付きの侍女ティアナが顔を出した。

「お嬢さま、昼食の準備が整っておりますがどうされますか?」

「ティア!ありがとう、行くわ。」と返事をすると心得たとばかりにぐ〜っとお腹が鳴ってしまいティアと目を合わせへへへと笑い合う。

……お昼近かったから朝食は少なめにしたの!


ま、『ここは乙女ゲーの世界なのか否か問題』は終わろう。たぶん、違うと思うし…

…王子様と婚約云々は…一旦保留っ 何か私が忘れていることがあるらしいし思い出せたらどうにかなる、と思う…


「そういえば今日はサラ様がご一緒されますよ。」

「えっ!本当に?サラ義姉様(おねえさま)普通の食事が出来るようになったの?」前を歩くティアの横に並ぶ。

「はい。ようやく落ち着かれたようで、今朝も朝食を取られていました。」

「良かった〜…!痩せ細っていくのを見てることしか出来ないの、本当辛かったわ…」ほ〜っと息を吐く。

「そんな!お嬢さまのお陰で相当ましでしたよ。私の知り合いなんて筆舌にし難いとこまでいきましたから…あ、今は元気すぎて大変みたいですが。」くすくすと笑っている。

─大変?─子供が4人いるらしいです─えっすごい!それは大変だ……

なんて話していると食堂が見えてきたので、早くサラに会いたくて小走りで食堂に入る。

「あっ、お嬢さまっ!」


「サラ義姉様っ!!」

「あら、マリアちゃん。もう大丈夫なの?」

少し驚いたもののすぐ笑顔を浮かべてくれるサラ。私は彼女の笑顔が好きだ。

「お嬢さまっ サラ様が驚かれて何かあったらどうするのですか!」

「ご、ごめんなさい…!」

「まあ、大丈夫よティアナさん。扉が開いていたから話し声が聞こえていたわ。」

「ごめんなさい義姉様…本当に大丈夫だった?」

「もうっ!大丈夫よ。」少し呆れながらもふふふと笑うサラ。


──サラ・クローヴィス義姉様(おねえさま)。1番上の兄ウィルフレッドの奥さん。今年で21歳。

現在妊娠5ヶ月、まもなく6ヶ月になるらしい。

顔色も良く元気そうだがつい最近までつわりが酷くてベッドから出られない日々だった。


「本当、マリアちゃんにはお世話になったわ。改めてお礼を言うわね、ありがとう。」

「いいの。私、義姉様のためならなんでもする!だから気にしないで?」


妊娠が判ったら判ったで吐きづわりが始まり、ほぼ何も口にすることが出来ず日々痩せていく彼女を見ていられなくて前世の知識を活用させて貰ったのだ。

何か口に出来るものがないかと自炊生活時代の記憶を引っ張り出しこちらにはなかった調理方法を料理長に伝授した。


伝授することにしたのは"ポタージュ系スープ"。

こちらにもスープはあるがポトフ、シチュー系の具材がゴロっと入っているか具無しのコンソメスープのどれか。

つわりで咀嚼が難しかったサラ。なんとかスープだけは口に出来たがコンソメスープやシチューの汁部分のみでは栄養が心許ない。

何か栄養豊富なスープを、と考えたのがポタージュ系だったのだ。

具材を裏ごしするという発想がなかったのか初めは驚かれたけど、合点がいったあとは料理長も頑張ってくれた。

あと食材に豆類、特に大豆があったのは嬉しかった。(まあ、近い別の何かだったかもしれないけど味は大豆だったから大豆ということで…)

大豆はタンパク質が豊富で本物の肉は食べられそうになかったからかなり助かった。


【小さな人物紹介】

ティア

ティアナ・モーガン 21歳

1番上の兄の乳母の娘。(兄の乳兄弟)

小さい頃はウィルフレッドとジョセフの遊び相手だったが

初等学校卒業後は侯爵家の侍女になる。


Twitterでもたまに裏話などを書いていく予定なのでたまに覗いてみて下されば幸いです(*・ω・)*_ _))ペコリ →@ruka6172

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