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私の執事の秘密のオシゴト。  作者: ruka
本編
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6. 色々整理する話。


「………………はあ…」


ここは自室のベッドの上。

誰もいないから大の字になって寝そべっている。


昨晩、お父様から衝撃の事実を告げられた。

私は頭が真っ白になり何も考えられなくなって、顔色も悪くなったらしくヴィンセントが今日はここまでにしよう、と切り上げてくれた。

両親に連れられ挨拶もそこそこに退出しようとしたら

「──マリア嬢…… 10歳くらいの頃の約束、覚えてない?」

(頭全然回ってないんだけど…10歳…? 10歳……なんかあったっけ……)

「───ごめんなさい、覚えてません…」

「そうか……… いや、すまない忘れてくれ。」寂しそうな笑顔を浮かべるヴィンセント。

「はぁ… では失礼致します。」


───約束…?10歳… 10歳と言えば─…


帰宅用の馬車の中、両親の向かいに座りぼんやりしていると

「マリアちゃん本当に、覚えていないの?」とお母様から問われ、ゆるゆると首を横に振る。

「…まあ、婚約のことも覚えてないようだから一旦追求するのは止めようじゃないかアイリーン。」

「えぇ…… そうね。 マリアちゃん、無理に思い出そうとしなくていいからね?」

「はい、お母様。」心配そうな両親の顔が目に入る。

「さあ今日は帰ってゆっくりしよう。」

「そうね。帰ったらお母様とお風呂に入りましょう、ね?おとっときの入浴剤を入れるわ。」

「はい!」少し気分が上がる。いつまでも暗い顔してられないし。

2人に向かって笑顔を見せると安心したような笑顔が返ってきた。


お母様のおとっときの入浴剤は珍しく外国からの輸入品だった。

バラが定番なんだけどなんとこれは桜のような香りがする。

桜があるのか桜に似た別のものなのかはわからないけれどすごく癒やされた。

そしてお母様の美貌に度肝を抜かれた。子供が3人いて畑仕事をする40代にはまったく見えない…さすが侯爵夫人……



『明日は訪問も来客もないし、畑仕事も手は足りているからやらなくていい。ゆっくり、頭の中を整理しなさい。』

『何か気になる事とかあるならすぐに聞いてちょうだいね?

…黙っていた私たちも悪いけれど、選択肢を残しておきたかったのよ…ごめんなさいね…』

『そんな顔しないでお母様。少し冷静になった今なら、わかります。』

『私たちはお前のことを愛している、それだけは信じて欲しい。』

『はい。お父様、お母様。私も2人が大好きです!』

2人に抱きつくとしっかりと抱きしめ返してくれる。

『さあもう休みなさい。おやすみマリア』『おやすみなさいマリアちゃん』

『はい、おやすみなさい。』



───そうして朝もゆっくり起き、のんびり朝食を取ってから今に至るわけだが。


一晩寝て気持ち的にはスッキリしたのか様々な考えが浮かぶ。

王太子になる王子様と婚約……ふむ…

まず思うのは…"まさか乙女ゲーじゃないよね?"てこと。

一歩間違えば世界が破滅とか家や私自身が破滅などしたくもない。

ヴィンセントとは同い年じゃないし確かに聖女いるけど彼女も年が違うから、学園モノとかじゃない、はず……

…学園モノじゃない乙女ゲーもあるみたいだったけど、あのジャンルは手を出したことないからまったくわからない。

あとは…恋愛小説に、とかいうのもあるみたいだったなあ……


つらつらと()()()()()()()()()()()()()()()


私には"マリア・クローヴィス"の人生の前の人生、前世の記憶がある。

"それ"はこちらに生を受けたときから頭の隅にあった。

成長し物がわかる年頃になって"それ"を認識し、普段は引き出しに入れておいて少しづつ引っ張り出し、理解していった。

(暇なときにそれを引っ張り出してみて、本や映画のように眺める幼少時代だったわね。)

完全に分けて考えていたお陰で変に大人びたり達観したような幼少時代にはならなかった。


『日本人で32歳、OLで1人暮し。』それが前の人生の最期の時点でのプロフィール。

オンライン、置き型、携帯型、ソシャゲ…乙女ゲーには食指が伸びなかったけどゲーム大好きゲーマー。

(ファンタジーRPGが特に好きで現実世界でも魔法が使えたらなあと妄想するのも大好きだったからコチラで魔法が普通と知ったときは大歓喜した。)

オンラインゲームをしながら画面の向こうのフレンドとボイスチャットをする日々を過ごしていた。


──()()()()がなければ同じ生活を続けていたんだろうな。


…その日は、自炊をしていたため食材を買いに近くのスーパーへ行った。

卵が安かったなとか、野菜ちょっと高騰してきてるなとか思いながら食材抱えての帰宅途中。

「キャァァァァ!」「な、何をするっ」「誰か!!」「いやぁぁぁぁ」

突然辺りが騒然となる。

えっなになに?!と声がした方を探してみると、


包丁を握りしめた男が私に突進してくるところだった。


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