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私の執事の秘密のオシゴト。  作者: ruka
本編
61/135

59. モテ期?の話。

「───て感じ…」

「そうですの…そのようなことが……」

シャロンに軽く説明をしながら教室へと戻ってきた。

おかえりー、なんてトラビスが手を振っている。

ゴミ箱を規定の場所に置きながら教室を見回すがもう私たち以外は残っていないようだ。


「それで、マリア。…行きますの?」

「まあ、何かあっても嫌だし…食堂でお茶くらいなら大丈夫でしょ」

トラビスがなになに?といった顔をしている。

「…(わたくし)たちも見える位置で待ちますわ。」

「うん、ありがとう」

あとで説明しますわ、とシャロンから言われ頷くトラビス。

そうして3人で食堂へと向かった。


放課後の食堂は案外人がいて驚いた。

みな各々プチお茶会をしたり1人で静かに楽しんだりしているのが見える。

ニコラスはどこかな、と探すとテラス席にいるようだった。

(わたくし)たちは中から見てますわ、とシャロンとトラビスが席を探しに行ったので、私はロイヤルミルクティーを1杯、手に持ちニコラスのいる席に向かう。


「…ニコラス。」

「ちゃんと来たね。嬉しいよ」

と破顔する彼の斜め向かいに座る。


「ね、ヴィンセント殿下との話は噂…なだけだよね?」

といきなり核心をついてきた。

「……ただの噂よ。」…そうとしか答えることが出来ないのが事実だが。

「…わかった。──ところでマリアはどんな男性が好み?」

「ぶふっ……ゲホゲホ…っ そ、それ本人に聞く?!」

予想外すぎてミルクティーが変なところに入った。

「いや、だって…こそこそ嗅ぎまわるの苦手で。だったらもう直接聞いたほうが早いかなって」とニコラスはにこにこしている。

「……変な方に思い切りがいいわね。…私でもわからないわ。……強いて言えば、『好きになった人が好み』かな…」

まあ、好みは?と聞かれて浮かんだのはアシュクロフだったのだけど…

「ふーん…じゃあ、今好きな人は?」

「だからぁ!どうしてそう」「どうなの?」

「…っ 教えるわけないでしょ…」ムスッとした顔を隠すようにミルクティーを飲む。


「…じゃあ僕を好きになってもらえる可能性もあるのか。」


ね?と同意を求められても……

「私からは、何も言えないわ…」

「ま、でもこれからほぼ毎日マリアを口説けるから殿下より有利だよね。」

「……なんで私なの?」

ヴィンセントにしろニコラスにしろなぜ私なのか…


「僕は前からマリアが好きだよ。

…と言ってもはっきり自覚したのはこの間のデビュタントの日だけど。」


「………へ?」

…こちらの世界の男性はさらっとこういうこと言っちゃうの本当にすごいと思う…


ニコラスは気にせず話を続ける。

「あの日、君がヴィンセント殿下と踊るのを見てすごい衝撃を受けて、しかもどこかに連れて行かれるのがすごく嫌で嫌で。

その時は"なんでこんな気持ちに?"って思ったんだけど立太子の日にもう一度会って、ようやくわかった。」

彼は少し顔を赤らめている。

私は驚きすぎて動けないでいるがニコラスは

「あ、今日は用事があるんだった。…また明日ね、マリア」

と私の髪を一房取り、そこにキスをし、手を振りながら帰っていった。

しばらく呆然としていたのだが

「……マリア、大丈夫ですの?」とシャロンから肩を叩かれ、飛んでった意識を戻してくる。

「………大丈夫じゃない。…次から次となんなんだ」

本当になんなんだ………


「…まさかマリアにこんな時期がくるなんてね、思いもよりませんでしたわ。」

「……それは一体どういうことですかね?シャロン様?」

「そのままの意味よ。」「わからない!」

「はぁ〜…もう帰ろう帰ろう。いろいろ考えても意味がない。」

だいたい、いろいろ物事が起きすぎてよくわからなくなってきた。

「しばらくは学業に専念しようそうしよう。」

うんうん、と1人納得する私を呆れ顔で見るシャロンと、なぜかわくわくした顔をしているトラビス。


「──帰ろ?」

と私が言うと2人が頷いて、3人でおしゃべりをしながら下校した。



屋敷に着くと珍しくアシュクロフが玄関で迎えてくれた。

「ただいま!」「おかえりなさいませ。」

今日も彼はいい笑顔で出迎えてくれるのがとても嬉しい。


自室でくつろぎモードに入ったところでアシュクロフに今日あったことを話す。…ついでに謝らないといけないから。

「アシュ、ごめんなさい。約束守れなかったの。」

「約束?」「うん、強い魔法の力見せるなってやつ。」

なにがあったんです?と怪訝顔の彼に起きた事を話していく。


「──だから、約束守れなかったの…ごめんなさい。」

「……まあ、起きてしまったことはもう、しょうがないです。その先生以外には見られなかったのでしょう?」

「…見られてた。」「は?」「見られてたのよ、ニコラスに…」

さっ、と私の隣に座るアシュクロフ。

「ニコラスって……ニコラス・イルミネ?」

と私を真っ直ぐ見つめてくる彼に首肯する。

「…そう、それで『黙ってて欲しかったら放課後お茶を共にしてくれ』って言われて…」「…言われて?」アシュクロフの声が少し低くなる。

「……了承したの。学園の食堂で休みの日以外で少しの時間でいいからって!」

と最後の方は早口になってしまった。

彼の顔が見れなくて、なんだか怖くてギュッと目をつぶって俯く。

「…………なんでお茶なんかを?」…アシュクロフの声が、すごく冷たい。

これは答えないといけない雰囲気だ。


「……私のことが、"好きだ"って告白されて…」「は?」

ヒィ!アシュクロフが怖い!


……というかなんで私が責められてるみたいになってるんだろう…


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