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私の執事の秘密のオシゴト。  作者: ruka
本編
59/135

57. 魔法の話。 学園編②

ちょっと緊張するなーなんて思いながら木人の前に立つ。

思いっきり……と思ったのだけど、ふとアシュクロフから約束させられたことを思い出した。

…どうしよう………よし、


──イメージは、某RPGゲームの"サンダー"くらい…


と人差し指を立てて木人に向かってえいっ、と落雷をイメージしたのだが……


バシンッとほどほどの落雷が木人に落ちたは、落ちた。

一瞬、眩しくて目を瞑ったが恐る恐る目を開けると


──木人が真っ二つになっていた。


「……………え。」


どどどどどうしよう。え、あれ強化した石で出来てるって。というかニコラスですら傷ひとつつけられなかったのに──。


もう頭の中はぐちゃぐちゃである。

混乱でその場から動けないでいると

「…大丈夫?」とエリ先生が声をかけてきた。

ビクッと身体が震え、恐る恐る彼女を見る。


「せん、せい……」

もう私はわけがわからなくて泣きそうである。

「大丈夫よ。たまにいるから、そんなに気にしなくて大丈夫。」

と笑顔で優しく諭すようにエリ先生は語りかけてきてくれる。

ちらっと待機中のクラスメイトを見るとみんな唖然としているのが目に入る。


……やらかした…でも小さく、撃ったつもりだったんだけど………


とりあえずみんなのところへ戻るよう促され、よろよろと戻り座る。

「はい、お疲れ様。みなさんの力はわかったわ。これらを踏まえて、少し組みわけするわね。」

力の差でどんな訓練から始めるかさらに分けるらしい。

「まず、ニコラス君とミアさんマリアさんの3人ね。あとは残りの5人で。」

少しまとまってくれる?とエリ先生。

ニコラスがまだ衝撃から戻りきれていない私の側へ来る。

「…マリア、すごいね。まさかあんなに魔法適性高いなんて知らなかった。」とニコラスはすごく興奮している。

ミアも私のほうへ近付いてきた。エリ先生は先に残りの5人に指導をしているようだ。

「マリアさんすごいのね。びっくりしちゃった。」

「あ、ミアさん…ニコラスも……私あんなつもりじゃ……」

「誇っていいと思うよ。」と2人が頷いている。

「え、でも…」

「確か…ヴィンセント殿下も真っ二つにしてるはず」とニコラス。

「そうなの…?」

彼は頷きつつ「といっても"魔法剣"でだけど。」


魔法剣。我が国の王族と騎士団長が主に使う魔法。

一応分類は"魔法"なんだが実際の戦闘は"物理"──

どういうことかと言うと『魔法で武器を創り出して』戦うのだ。

物質化にかなりの魔力を使うのでほとんどの人はまず武器を創り出すことが出来ない。

現在この魔法を扱うことができるのは陛下、現騎士団長、ヴィンセント、エドガーと騎士団員に2〜3人いるらしい。

ヴィンセントは歴代屈指の使い手だとは聞いたことがあるが……


「殿下は片手剣で真っ二つだったって聞いてる。」

「さすが…ニコラス……よく知ってるわね。」

「…まあ、あの木人に強化かけてるの父様だからな。」

「?! なんか、ごめんなさい……」

「なんで謝るの?」「いや、だって私、弁償とか絶対出来ない…」


「弁償なんかしなくていいわよ。」

とエリ先生が笑いながらこちらに来た。どうやら指導が一旦終わったらしい。

「エリ先生…」

「大丈夫よ。あれ、消耗品だしね。」

「あ、そうなんですか?」と聞くと首肯された。

「だから弁償なんか気にしないで。だいたいマリアさんのせいじゃないかもしれないしね?」

「…壊れるまで使い続けてるんですね?」「そういうこと。」

……よかった〜じゃあ私の魔法で真っ二つになったわけじゃないということだ!

ニコラスはなんだか怪訝そうにしているがエリ先生が

「じゃ、貴方たちの訓練を始めましょうか」

といよいよ私たちの授業が始まった。


「といっても、マリアさん以外の2人は小さい頃から訓練しているから実質マリアさんへの指導なんだけど…」

と苦笑するエリ先生。

「え、ミアさんも訓練してるの?」

「そうね、私は神殿の守護もやるから…」…なるほど。


「じゃあまず2人はやりたいことあるかしら?」

「僕は基礎魔力の底上げがしたいです。」

「私は細かい魔力操作が」

とエリ先生から問われ、2人は答えている。

「わかったわ。ではニコラス君はこれを。ミアさんはアレね。」

ニコラスには温度計みたいな魔道具を渡し、ミアにはシャンデリアのような魔道具を示している。

「使い方はわかってるわね?」との問いに頷き、それぞれ行ってしまった。もう私はハテナがいっぱいである。

「そんな顔しないで?今から説明するから」とエリ先生からくすくす笑われてしまった。


結界内ではあるがみんなからは少し離れたところにあるベンチに2人で座る。

「まず…先程の結果からマリアさんはおそらくニコラス君に匹敵かそれ以上の魔法適性があるわ。」

「え。どうしてわかるんですか?」

「使い古されていたとしても木人を壊すのは、はっきり言って容易ではないからよ。」

「なるほど……」

「そのうえで、"貴女がどうしたいか"をまず決めましょうか」

「どう、したいか…」

「…さっきニコラス君は『基礎魔力の底上げ』と言ったわね?あれは言った通りなんだけど基礎魔力というのは底上げができるの。」

ふんふんと頷きながらエリ先生の話しを聞いていく。

「"今現在自分が持っている魔力"を限界ぎりぎりまで使うと回復したとき魔力の上限があがることがわかってるわ。ここは結界の作用で強力な魔法が多く使えるから普通にやるより危険も少なく、早く底上げできるの。」

─某『精神とホニャララの部屋』みたいな感じかな。

「次にミアさんの『魔力操作の訓練』だけど、あのシャンデリアのようなものは魔道具で立っている棒1本1本に魔法で灯りを点すようになっているわ。」

「……本数がすごいのと、かなり隣り合ってますが…」

ミアさんが魔法を放つと隣り合うのにも一緒に灯りがついてしまっている。

「そう。あれを1本1本、順番につけられるようになるまでやるの。ほんの少しの魔力でつくようになっているから揺らいだり調節が上手くいかないとすぐああやって周りも一緒につくわ。」

─私がアシュクロフに頼んだ『ぬるいと冷たいの中間』と似たようなもの?

「で、マリアさんの話しだけど。」「はい。」

「魔力をあげるか、操作を上達したいか…もしくはその他」


「……とりあえず魔力測定、できるんですよね?」

「できるわ。魔道具はまだあるから。」

「あ…壊れたりとか、しませんよね……?」

「………たぶん、大丈夫だと思うわ。…ヴィンセント君でも大丈夫だったから…」

……壊しそうな予感がする。なぜかわからないけど…

「………ちなみに、壊したら…?」

「…………なにも、ないと思うわ。」


そのたっぷりの沈黙が怖い…!!


訓練内容は…ガバガバ設定です…。。。

許してクレメンス。

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