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私の執事の秘密のオシゴト。  作者: ruka
本編
13/135

12. 確認する話。


ヒュッと誰かが息を呑む音がした。


「…っ、俺は「……は?アシュクロフお前、マリアに手を出したのかっ?!」アシュクロフの話を遮ってウィルフレッドが食ってかかるもサラが「ウィル、落ち着いて。まずは話を聞きましょう?」と優しく声をかけている。

「だけどサラ…!」

「まだ彼は何も言ってないわ?」


「…で?実際どうなんだ?」と今まで黙っていたジョセフが口を開く。

どうやら彼も少し怒っているようだ。

(私って結構兄様たちから愛されてるのね… じゃなくて!!)


「ま、待って! …私から迫ったのだからアシュは悪くないわ!それに…昨晩のこと、伝えてないから」「迫ったってなんだ!マリアまさかお前…!」「まだ何もないわよ!!って違うそうじゃなくて…!」「なにが違うんだ!」……

そんな妹に育てた覚えはないだの、一体いつからそんな仲なんだだの、私が誰と恋人になろうがウィル兄様には関係ないでしょだのウィルフレッドと口論になってしまった。

…というか普通父親とする口論じゃないのこれ…


「もう止めなさい。」

とお父様の呆れた声がし、ハッと気付くと使用人たちはすごく驚いた顔をしていてお母様は笑いを耐えているしサラはオロオロしていてジョセフは呆れ顔で紅茶を飲んでいる。

渦中のアシュクロフを見ると…なんと口を手で抑え声を殺しながら笑っている…目が合うと姿勢を正すも顔がにやにやしているではないか。

うう、と恥ずかしくなり顔に熱が集まるのがわかる。

「と…っ とにかく!昨日の今日なのだからもうちょっと時間を下さい。」わたわたと時間を稼ぐために待ったをかける。

「まあ…それもそうだな。ウィルフレッドも、いいな?」お父様に促され渋々引き下がるウィルフレッド。

「…しょうがないわね。今日のところは許します。けれど近いうちに必ず、説明して貰うわよ?」とお母様から釘を刺されるのでこくこくと頷く。

「さ、部屋に行きましょう?ウィル?」とサラが促し、ではおやすみなさいと2人連れ立って部屋を後にする。

ウィルフレッドが「アシュクロフ、間違い起こしたら許さないからな。」と言い残して。


「…ジョセフ、マリア。お前たちも行きなさい。」

「わかった。」「わかりました。」お父様に促され私たちもおやすみなさい、と退出する。…アシュクロフが付いてきてくれるか不安だったけどちゃんと後ろから付いてきてくれてるようだ。呼び止められもしなかったから、大丈夫だろう。


談話室を出て少し歩くとジョセフが話しかけてきた。

「まあ、そのなんだ。…あんま無茶とか無理すんな。」助けが必要だったら出来る限り力を貸すから、と頬をかいている。

「ジョセ兄様……ありがとう!」「兄貴だって、アシュクロフのこと嫌ってる訳じゃないと思うぜ。急なことで混乱してあんな言い方になったんだろ。」とちらっとアシュクロフの方を見ている。

兄貴はマリアのこと義姉(ねえ)さんとは別次元で溺愛してるからなー、ははは。と笑っている。


「じゃあな、おやすみマリア。」とジョセフがひらひらと手を振りながら部屋へと入っていくので「うん、おやすみなさい」と手を振り返し私も自室へと向かう。


私の部屋は悪夢で夜中に起きることがあるため迷惑にならないよう屋敷の端の方に、今はある。

だからまだ少し歩かないといけないので歩きながら軽く頭の中を整理することにしよう。


……というか展開が急すぎて少し頭が痛い。…アシュ、恋人とか言われてびっくりしただろうな。

実はここ2年、昼間はほとんど会っていない。別の仕事を手伝っているとかで朝早くから屋敷にいないのだ。(夕食時には戻ってきているけど朝は私が起きる前にはいなくなっている。)

なのに、私が悪夢にうなされると必ず現れる。…いつ寝てるのかしら。


はっきり言って恋だの愛だの、はよく分からない。初恋も、うぅん…かなり遠い記憶……むしろないのではないかってレベル。

だけどお父様とお母様、ウィル兄様とサラ義姉様(おねえさま)を見ているといつか私も素敵な恋をして、心から愛し愛される男性(ひと)と…そんな風に思う。

だから王子の婚約者だのなんだの、と言われても困惑しかないしそれにもし、白紙にしたいなら今すぐに結婚しなさいって言われたら……アシュ─アシュクロフだったらいいかなって。


…アシュクロフは私をどう思っているのかしら。ただの『雇い主(お父様)の大事な娘』?でもそれだけではない、と自惚れていいと私は思ってる。

─だってもう5年以上は私を悪夢から救い出してくれているのだから。


悪夢を見始めて、最初は家族やティアが面倒を見てくれていたけれど…少しづつみんなの寝不足が重なり家の中が壊れ始めた。

私もそれがわかったからうなされて飛び起きても隠すようになったのだが、それが逆効果だったみたいでみんな更にイライラが募りそれがどんどん風船のように膨らんでいってそれが弾けそうになった丁度その頃、彼が我が家にやってきたのだ。


ブクマありがとうございます。

とにかく書いてみよう!と始めた代物でしたが反応頂けて嬉しいです。

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