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失恋戦士〜ステータスが、失恋の回数の累乗強くなる  作者: キサラキ
第2章 一年編〜水瓶座の刺客
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部活動を見学、演劇を計画

教室の扉を豪快に開いて、ザック先生が入ってきた。


「よう!俺がこのクラスの担任を務める、ザック・シュタイナーだ!一年間よろしくな!入試で担当だった生徒諸君!また会えたことを光栄に思う!」


ザック先生の挨拶に、一部の生徒が、「やりい!」などと喜んでいる。

どうやら、ザック先生は知ってる人にとっては当たりの先生らしい。


「今日の日程は入学式だけだから、これで解散となる!ああ、そうそう!マグナイツには部活動がある!所属するかしないかは自由だが、これから広場で各部活が勧誘を行う、いい機会だから見にいくといい!運命の出会いがあるかもな!あっ、ちなみに俺は騎士道部の顧問をやっている!興味があるならば、いくらでも聞くといい」


そう言って、先生は教室を後にした。


自由になったので、マキナとチマリと会話を始めた。


「なあ、部活どうするよ?」


マキナが尋ねる


「部活ですか、チマリは入試に精一杯で考えもしませんでしたね」

「だよな、部活ってどんななのかな?」

「とりあえず、見に行きましょう」

「そうだな!よし、行くかヒイラギ!」

「おう!」

「あっそうだ」


チマリはそう言って、ジェラノールさんの方に向かった。


「ジェラノールちゃんも一緒にどうですか?」


ジェラノールさんは、急に話しかけられて戸惑う。


「え?えっと、何の話?」

「部活勧誘ですよ!私たちと、一緒に観に行きませんか?」

「えっと、チマリちゃん、だったよね」

「はい!」

「私も一緒に行っていいのかな?」

「もちろんですよ!仲良くしましょ!」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

「良し!では行きましょう!ヒイラギさんマキナさん!行きましょう!」


チマリとジェラノールさんは、さっそく打ち解けたように歩いて行く。


「女子ってすごいな」

「うん。チマリも侮れないな」

「思わぬライバル出現?」

「バカ」

「ま、いい機会だし、親睦を深めなよ」

「ああ、そうするよ」


遅れて、俺とマキナは二人を追いかけた。


二人に追いつくと、めっちゃ仲良くなってた。


「ねえねえ、ジェラノールちゃん!」

「もっと気楽に呼んでいいよ」

「えー、じゃあ……タンポポちゃん!なんてどうでしょう?」

「え?ああ、ダンデライオンだからか」

「はい!」

「いいね、可愛くて。じゃあ、私もチマリちゃんのことを何かあだ名で呼ぼうかな」

「はい!」

「じゃあ……そうだ、チマりん、なんてどうかな」

「いいと思います!タンポポちゃん!これで私たち、お友達ですね!」

「うん、よろしくねチマりん」

「はい!あっ、ヒイラギさんマキナさん遅いですよ!早く早く!」


チマリは振り向き、ニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべながら俺たちを呼んだ。

チマリのくせに!

てか、本当に仲良くなりすぎだろ!女子やべえ!


近づくと、チマリが耳打ちをしてくる。


「ふっふっふ、一つ貸しですよ、ヒイラギさん」


俺の親友たちが、いい人すぎる!


そして、俺たち四人は広場にたどり着いた。

広場には、とても数えようとは思えない規模で人がいた。


「おおおー!すごいです!人がいっぱいいますよ!」

「そうだな!これは想像以上だよ」

「どこから見ようか迷うね」

「近場から見てくか」

「あ、うん」


無視はされないけど、ジェラノールさんが冷たい。てか、タンポポってあだ名が可愛いから、心の中ではタンポポさんと呼ぼう!


「見てくださいよ!眷属魔法部ですって!行きましょう!」


チマリは、楽しそうに進んで行く。


眷属魔法部では、デモンストレーションとして、花の眷属を魔法で作っていた。

タンポポさんは、大興奮していたが、俺とマキナはチマリの眷属のが高度だと思い、そこまで感銘は得なかった。

チマリ自身も、なんだ、という顔をして興味を失っていた。


「今の魔法、すごかったね!あれって勉強すればできるのかな」

「あれくらいならすぐにできるようになりますよタンポポちゃん!今度、私がもっとすごいのを見せてあげます」

「え?本当!楽しみだな!」

「じゃあ、それまでにヒノスケには懐いてもらわなきゃな」

「もう、懐いてますよ!」

「どこがだよ」

「全体的にです!ですよね、ヒイラギさん!」

「ん?ああ、明らかにそうだったよな」

「ですよね!ほら見たことか!」

「明らかに、マキナの方に懐いてた」

「だよなー」

「ヒイラギさんの恩知らずー!」


いつものようにふざけて話していると、

タンポポさんは、クスリと笑った。


「三人とも、とっても仲良しなんだね。幼馴染、とか?」

「いや、俺たちは入学試験で受験番号が連番だったんだよ、それで仲良くなったんだ」

「え、それじゃあ知り合ってまだ全然じゃない」

「いやー、チマリが世話を焼いてやってね」

「そうだっけ?」

「いや、全然」

「裏切り者!」

「おっ、あれ、騎士道部じゃないか?」

「見に行くか」

「私、騎士道は興味ないです」

「まあまあ、見るだけ見ようよチマりん」


騎士道部では、先輩方が手合わせを行なっていた。

レベルも高く、迫力もある良いデモンストレーションだったが、どうも面白くなかった。

決められた型通りに動いている感じが否めない、もっと自由な動きの方がいいのではないかと思った。

タンポポさんはどうやら気に入った様子。


「すごかったね、チマりん!もう、ほんとすごいよ、さすがマグナイツって感じ!」

「分かりました、分かりましたから!チマリを揺さぶるのをやめてくださいー」


興奮のあまり、チマリを振りまくっていた。

そんなところも、可愛い。もうほんと、あの笑顔が可愛すぎる。


「いやー、ここを歩いているだけでいろんなスキルをストックできるね!」


マキナは、もう別の目的で楽しんでいた。


「演劇部とかはないのかな?」

「演劇ですか、うーん、多分ないですね」

「やっぱり、魔法とか剣術とか実践的な部活が多いよね」

「まじか、演劇ないのか」

「演劇、好きなのか?」

「演技をするのが好きなんだ」


前世は演劇部だったからね。

脚本も自分で書いたりしてたから、この世界でやるぶんにも何も問題はない。


「あっ、じゃあ、やりましょうよ演劇」

「どういうこと?」

「秋に、学園祭があります!そこで演劇をやるのはどうでしょうか!ヒイラギさんの魔法の矢なら演出にもぴったりですし」


学園祭なんてあったのか、いいなそれ!

マキナたちと演劇できたら、楽しそうだ。

ちなみに、この世界にも四季があり、日本と同様に春から新学期が始まる。つまり、今は四月である。


「俺は賛成ー、このメンバーで演劇やるの楽しそうだし」

「俺も!演劇やれるなら大歓迎」

「えっと、私、騎士道部に入ろうと思ってるんだけど」

「そうですか。でも!気が向いたら、一緒に演劇やりましょう!部活じゃないから、自由参加です!」

「それなら、うん、いつかね」

「でも、脚本とかどうするんだ?」

「俺が書けるから、書くよ」

「おっまじか、さすがヒイラギ」

「じゃあ決まりですね!しばらくしたら、少しずつ活動しましょう!チマリも演劇には少しばかり興味があったので、いい機会です!」


こうして、秋に演劇の公演をすることを、俺たちは決めた。

まあ、当分は学校生活に忙しくて、何もできないとは思うが。


その後、俺たちはいくつか部活を見て、寮への帰路に着いた。


寮では、チマリがヒノスケを出して、懐いてもらおうと必死に格闘していた。マキナはそれを横で見ながら、新しいスキルをいくつか試している。

二人とも、この日も俺の部屋にいた。

もう、この部屋は溜まり場なんだね。

演劇の話はしばらくは動きません。

次回からは、タンポポと仲良くしようとヒイラギが奮闘していきます!


作者は、ただの高校演劇ファンです。

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