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第六景 雨の中
シャンゼリゼ通りに雨が降り、街明かりがぼんやりと浮かんでいる。夜が深まるエトワール宮から、ジュディは凱旋門の方へと歩いて行った。ふと、シャンゼリゼ通りの終わりに、雨に濡れた鉄道員を見つけた。街頭が照らし出したその顔を見て、ジュディの顔が強ばる。
「サルヴァドーロ……」
サルヴァドーロは片手を軽く上げて、挨拶の代わりにした。
「どうして外に出て……」言いかけて、ジュディは自分の言葉の意味に気づいて、急いで口を手で覆った。
「出ていたら悪いのかよ?」サルヴァドーロは真顔でジュディに呟いた。ジュディは俯き、傘で顔を隠した。正面から見る勇気がない。
サルヴァドーロはジュディの傘を持つと、怖がるジュディの肩にそっと手を置いた。反射のように、ジュディの肩が短く震えた。
「ジュディ。ちょっと良いか?」
ジュディは彼の顔を見上げた。コバルトブルーの澄んだ瞳が、自分を静かに見つめていた。咎めるような色はなく、純粋で素朴な瞳だった。
ジュディは静かに頷き、サルヴァドーロに傘を渡した。




