表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱職「便利屋」が攻略AIで挑む異世界冒険記 ―チート勇者とのAI対決を便利屋スキルで出し抜く―  作者: 便利屋 涼
― 第二次魔獣大戦 ―

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/83

伝説の超能力戦士

 俺たちは祭りの後、その足でガルフの造船所へと向かい、手に入れたばかりの鉱石を親方の前にドンッと積んだ。


「持ってきたぜ、親方。頼む」


「おお!? まさか本当にあのドルフのスケベ野郎を陥落させてくるとはな。上出来だ」


 ガルフは蒼海石を満足げに撫でると、周囲のドワーフたちに向かって大声で怒号を飛ばした。


「野郎ども、仕事だ! 徹夜でこの船をポセイドンの海に潜れるように改造するぞ! 急げ!」


 活気づく造船所を見つめながら、俺は次なる舞台である絶対渦潮の海の底へと思いを馳せていた。



――モンスタードーム前。


 空から巨大な炎龍が突風と共に、巨大な黒ドーム前へと舞い降りた。背から降り立ったのはルークだ。

 彼は重厚な扉を押し開け、中にいたゲド爺さんに一言告げた。


「これ、メフィストさんからゲド爺さんにって」


 そう言ってルークが差し出したのは、ずっしりと重みのあるピンクの豚の貯金箱だった。


「こっ、これはひょっとして……」



――五年程前


「ゲド爺、金を貸してくれ。今日はレイナの誕生日だからご馳走を食わせたいんだ」


「今までお前に貸して返ってきた事あったか?」


「真面目になろうと思って、店をやめてブタの貯金箱を買ったんだ。いつか金貨一杯にして返すから」


「まあ気長に待つよ」



――現在


 金貨で一杯になった重いピンクの豚の貯金箱。それを見た瞬間、ゲド爺さんは一瞬で『全て』を理解した。

 あの日の約束が、今、果たされた意味を。

 しわがれた目から、ポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちる。

 ゲド爺さんは貯金箱を抱きしめ、ただ静かに泣き崩れた。


 泣き明かすのを静かに待ってから、ルークは真っ直ぐな瞳で彼を見据えた。


「爺さん。これはエルダーリッチが落としたレアドロの『オリハルコン魔石』だ。これで僕のミスリルゴーレムを、オリハルコンゴーレムにしてくれ」


 ゲド爺は涙を拭い、力強く頷いた。

「よかろう。やってやるわい」

 ゲド爺はすかさず、ドーム内の設備にオリハルコンの魔石を掲げた。


魔獣進化魔法ビーストエボリューションスペル!」

 魔石が神々しい光を放ち、ミスリルゴーレムへと降り注ぐ。ルークもまた『超能力調伏フォース・ドミネーション』を展開し、強大な力へと変貌していく巨兵を完璧にコントロールしてみせた。


 眩い光を取り込んだミスリルの装甲は、一切の不純物を持たない伝説の金属、最高硬度を誇る『オリハルコンゴーレム』へと見事に昇華を果たした。

 ルークが視線を向けると、巨兵は新たな主の圧倒的な魔力に呼応し、ズシンと地響きを鳴らして恭しく片膝をついた。


 「流石ゲド爺さん!最高の出来だよ!」


 ルークはオリハルコンの巨兵を従え、ドームの外へと姿を現した。

 ちょうどその時、上空から巨大な翼が突風を巻き起こし、アナキンが従属するバハムート・改を駆ってドーム前へと降り立った。


 ドームを警護していた炎魔神イフリート、ルークの炎龍、そして姿を現したバハムート。

 三柱の強大な召喚獣が、三角形を描くように相対した。

 ギチリ、と空間が軋む。極まる三獣が放つ圧倒的な熱量と覇気により、周囲の温度が爆発的に跳ね上がった。

 

『『『久しいな』』』


 三獣の重低音が、同時に大気を震わせる。


 これら最高峰の炎獣が三柱揃って顔を合わせるのは、実に約百年ぶりのことであった。


そして二主人も交錯する。


「ルーク」

「アナキン」


 交わした言葉はそれだけだった。だが、すれ違う二人はそれ以上何も話さずとも、互いの心の内と覚悟を深く感じ取っているようだった。


 ルークが炎龍と共に飛び去っていくのを見送ると、アナキンはバハムート・改を引き連れ、巨大なドームの内側――ゲド爺の工房へと足を踏み入れた。


「爺さん。これはヘルケルベロスが落としたレアドロ魔石だ。これでバハムート改をもう一段格上に引き上げてくれ」


 アナキンが漆黒の魔石を無造作に放り投げると、続けて鋭い視線をゲド爺へ向けた。


「それと……精神と時の部屋を、もう一回使わせてくれ」


「ば、馬鹿なことはやめろ! これ以上の負荷は無理じゃ……死にたいのか!?」


 血相を変えて止めるゲド爺だったが、アナキンの揺るぎない覚悟を見てハッと息を呑んだ。


「お前……もしかして、シュナイダー一族の中で百年に一度だけ現れるという伝説の『超能力戦士サイキックソルジャー』を目指しておるのか……?」


「ほう、流石ゲド爺、よく知っているな」

 ゲド爺は深く嘆息し、やがて諦めたように重く頷いた。


「……わかった。お前ならなれるかもしれない。最後の一度だけあの部屋に入る事を許可しよう」


「ありがとう。じゃあこれでルークにだけフェンリルの存在を教えた件を許そう」


「(根に持っておったか……)」


 ――そして、現実の時間が一時間経過した頃。

 重い扉が開き、そこには以前とは全く異なる底知れぬ圧を纏い、紅銀の眼を輝かせるアナキン姿があった。


「お、お前……ひょっとして……」


「ああ。なんとか成れたようだな……伝説の戦士に」

 紅銀色に輝く眼と同じ色に、アナキンの髪までもが染まっていく。


「さあ、次はこいつの番だ」


 アナキンはドーム内で待機していたバハムート改へと向き直る。

 ゲド爺がドームの力を借りて『魔獣進化魔法』を放つと同時に、アナキンも圧倒的な力で『超能力調伏』を行った。


 漆黒の魔石が怪しい光を放ち、二つの力がドーム内で共鳴してバハムート改へと降り注ぐ。


 眩い光が収まるとそこには、神々しい波動を放つ更なる絶望の象徴――『バハムート零式』が顕現していた。


 圧倒的な力を得た零式と共にドームの外へ出たアナキンは、ゲド爺さんにお礼を述べた後、その背に飛び乗り大空へと飛び立っていった。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


 現在ストックは無く、可能な限り新規エピソード執筆に励んでおります。

その為、 誤字や矛盾点等チェック漏れが稀に出てくるとは思いますが、気付き次第、随時修正・加筆のブラッシュアップを行っていきますので温かい目でみて頂けると嬉しいです。


 皆様の評価やブックマークが、何よりの執筆の励みになります。

 今後とも応援よろしくお願致しますm(_ _)m


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ