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最弱職「便利屋」が攻略AIで挑む異世界冒険記 ―チート勇者とのAI対決を便利屋スキルで出し抜く―  作者: 便利屋 涼
― 第二次魔獣大戦 ―

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冥王(ハーデス)戦④EMERGENCY

※前回と今回の魔獣設定微調整しました

――冥界の深部。

 壁面に脈打つ紫の燐光を放つ苔が不気味に空間を浮かび上がらせ、地面の亀裂から噴き出す赤黒い業火が、辛うじて視界を確保している。

 

 ライアンたちは死の静寂が支配する薄暗い回廊を突き進んでいた。

 すると、少し開けた広場に、行く手を阻もうとする死の軍勢が現れた。

 その中心で浮遊する、紫マントを羽織り派手な王冠を被ったオーバーロードが、禍々しい輝きを放つ指輪を掲げ、地を這うような声で告げた。


『……冥王ハーデス様は仰せだ。貴様ら全員を殺せば、この【冥王指輪ハデスリング】』を授けると。……皆殺しだ』


 その言葉に呼応し、アンデッドの大群が咆哮を上げ、死臭を振りまく軍勢がじりじりと距離を詰める。

 その絶望的な包囲網の中で、ライアンは立ち止まり、口元のマイクに呟いた。


「スカウター始動!」


 闇に潜む魔力反応を次々と数値化していく。


■ SCAN・SYSTEM ― START ■

《空間魔力波形スキャン……完了》

《広域戦力分析:全約100体の反応を確認》


■ TARGET ANALYSIS(対象分析) ■


▶【オーバーロード:LV57】

 ┗個体数:1

 ┗属性:冥・虚無 、特性:死の権能(絶対命令)・上位魔法無効 、弱点:未知


▶【エルダーリッチ:LV41】

 ┗個体数:10

 ┗属性:闇・冥 、特性:多重詠唱カヴン・魔力障壁 、弱点:神聖属性


▶【ドラゴンゾンビ:LV37】

 ┗個体数:10

 ┗属性:闇・死 、特性:腐敗の吐息ブレス・強固な骨格 、弱点:炎属性


▶【アンデッド・キメラ:LV35】

 ┗個体数:約30

 ┗属性:全(混成) 、特性:三頭同時詠唱・自己再生 、弱点:物理切断


▶【アンデッド・サイクロプス:LV33】

 ┗個体数:約50

 ┗属性:闇・土 特性:腐敗の剛腕 ・ 不浄の魔眼、弱点:聖属性 ・ 単眼への精密射撃


■ SCAN・SYSTEM ― END ■


「なるほど……冥王ハーデスめ、いよいよ本気で来たか。だが、奴の面を拝むまで『ルシファー』はまだ使わん」


 ライアンは一歩前へ出ると、戦場に響き渡る声で鋭く命じた。


「アナキン! 従魔はいけるか?」


「……あと五分だ。五分だけ耐えてくれ」


「了解した。ラビアン!皆に物理と魔法防御バフをかけてやってくれ」


「ようやく私の出番ね」

 ラビアンが大きな耳をピクっとさせて優雅にロッドを振るう。瞬時に、七武神の周囲を幾重もの強化魔法が包み込み、彼らのポテンシャルを限界以上に引き上げていく。


 ライアンは『イージス盾』を抜き放ち、前線を見据えた。


「ギルガメッシュ! 俺とお前はタンクだ。念の為――俺のお古のドラゴンシールドはあるか?」


「……心得ておるでござる」

 ギルガメッシュは三又槍トライデントを背中の魔導武器庫に収めると、重厚な『ドラゴンシールド』と、禍々しい妖気を放つ名刀『初代鬼徹』へと装備を変更した。


「メフィスト! ボスはあのオーバーロードだ。焼き払え!」


「わかった。アイツと魔法対決ね」

 メフィストがプッと煙草を吐き出し、詠唱を開始した。


 その瞬間、敵軍が一斉に牙を剥く。

 五十体のアンデッドサイクロプスが地響きを立てて突進し、空からはドラゴンゾンビが腐敗のブレスを吐きかける。


「不快な臭いでござる。だが抜かせぬわッ!」

 ギルガメッシュがドラゴンシールドを構え、サイクロプスの突進を正面から受け止める。衝撃波が周囲をえぐるが、彼は一歩も退かない。同時に鬼徹をひらめかせ、炎を吐きながら肉薄したキメラの首を瞬時に跳ね飛ばした。


 後方で詠唱中のメフィストの圧倒的な魔力量に、十体のエルダーリッチが即座に反応した。


「界律より乖離せよ――終焉を担う爆炎よ!

 収束せし魔力よ、一点に極まりて、すべてを灼き穿て!

 祈りも慈悲も不要なり――ただ眼前の敵を滅ぼすのみ!

 傲慢なる不死を呑み込み、その身も魂も跡形もなく焼き尽くせ!

極限虚無アブソリュート・終焉爆炎砲ブレイズキャノン】―――!!」


 次の瞬間、極限まで圧縮されたメフィストの直線的な極大魔法が、鼓膜を破るような轟音と共にオーバーロードに向けて放たれた。

 これはライアン戦でレイナが使用したものだった。


 ボスを守ろうとエルダーリッチたちが瞬時に展開したアンチマジックの障壁は、その熱量に触れた瞬間にガラス細工のように霧散した。閃光を纏った爆炎の濁流は、標的を庇った十体のリッチを物理法則ごと消滅させ、さらに放射線状にいたアンデッド達を十体以上巻き込み、そのままオーバーロードを呑み込んだ。


 爆風が収まり、黒煙が薄れる。

 全身を焦がしボロボロになりながらも膝を突いて耐え忍んだ骨だけになったオーバーロードの姿があった。


「……ほう。今のを食らって、まだ形を保っているか。だがちょうどいい。お前のトドメだけは俺が貰うぞ」

 ライアンはイージスの盾を低く構え、冷酷な眼差しで距離を詰め始める。


 オーバーロードが何やらブツブツ言い始める。

『……コンドハ、ワタシノバンダナ……【死刑宣告デス・センテンス】!!』


 ライアンに向け致命の即死魔法が放たれた。


「まずい!メデューサよ!跳ね返せ!」


 ライアンがイージスの盾を構えると、盾に埋め込まれたメデューサの顔の両目がカッと開き、死の魔法を跳ね返すと、その先にいたアンデットサイクロプスの身体がゆっくりと崩れ霧散した。


(流石はオーバーロード。アンデットでさえ屠るか)


「ラビアン!即死耐性バフを皆に追加だ!」


「あいよ!」

 ラビアンが再びロッドを振るう。

 ラビアンの超上級防御魔法により、ライアンと七武神の結界はなんと五重にもなっていた。


 盤石の加護を得たことで、戦場の主導権は完全にライアンたちの手に渡った。


 すると、炎の矢に持ち替えたレイバンの三本の炎矢が戦場を横切ると、キメラの魔法障壁をものともせず貫通し、三体ずつ残存兵力を間引いてく。


 そこら中に影のある戦場はゼインとイグナイトにとって、実は得意フィールドだった。

 影に潜り放題のゼインがサイクロプスの脚の腱を片っ端から切っていき、倒れた所をイグナイトがこれまた片っ端から斬殺していった。

 ここに来て最強のコンビネーションが完成していた。


『コッ、コノママデハ……』


 アナキンが叫んだ。

「よしライアン!いけるぞ!」


 ライアン含め七武神の誰もが、これでほぼ勝ち確だと思った瞬間、それは鳴り響いた。


《EMERGENCY!》

《EMERGENCY!》

《警告!強敵接近!!》

 最後までお読みいただきありがとうございます!


 現在ストックは無く、可能な限り新規エピソード執筆に励んでおります。

 その為、 誤字や矛盾点等チェック漏れが稀に出てくるとは思いますが、気付き次第、随時修正・加筆のブラッシュアップを行っていきますので温かい目でみて頂けると嬉しいです。


 皆様の評価やブックマークが、何よりの執筆の励みになります。

 今後とも応援よろしくお願致しますm(_ _)m


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