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最弱職「便利屋」が攻略AIで挑む異世界冒険記 ―チート勇者とのAI対決を便利屋スキルで出し抜く―  作者: 便利屋 涼
― 第二次魔獣大戦 ―

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冥王(ハーデス)戦②最強の部隊

「スカウター始動!」


ライアンの左目前の緑色の走査線が走り、レンズに敵情報が流れ込む。


■ SCAN・SYSTEM ― START■

《空間魔力波形スキャン……完了》

《対象:魔獣 約1300体》


■ TARGET ANALYSIS(対象分析): DEMON BEAST(魔獣) ■


▶【ガーゴイル:LV18】

 ┗個体数:約1000

 ┗属性:風/岩 、特性:集団飛来・硬質化 、弱点:雷属性


▶【ミノタウルス:LV27】

 ┗個体数:約100

 ┗属性:地、特性:猛進チャージ・巨大戦斧による重撃、弱点:魔法全般・単調な攻撃パターン


▶【ヘルハウンド:LV25】

 ┗個体数:約100

 ┗属性:火 、特性:集団追跡・火炎ブレス 、弱点:氷属性・水属性


▶【レイス:LV28】

 ┗個体数:約100

 ┗属性:闇/霊 、特性:物理攻撃無効・精神汚染 、弱点:聖属性・火属性


■ SCAN・SYSTEM ― END ■


 視界に浮かぶ絶望的なまでの数の魔獣軍団。

 しかし、ライアンの口元には不敵な笑みが浮かんでいた。

 IQ300の天才であるライアンにとって、この程度の戦術分析に自身のAI『ルシフェル』の力を借りる必要はなかった。

 一日二回という限定的な起動権を、こんな所で使用するほど、彼のレベルは低くない。

 

「戦力差は把握した。なら、出し惜しみはなしだ」


 ライアンは空と大地を埋め尽くす魔獣の群れを一瞥いちべつし、背後の仲間に声を張り上げた。

「アナキン! 特大のやつを二体呼べ! 上空の羽虫と地上の雑魚を一気に蹴散らすぞ!」


「任せろ」

 アナキンが前へ踏み出し、短く咆哮した。


 「出でよ! バハムート! ベヒーモス!」


 直後、眩い光と共に二つの巨大な魔法陣が出現する。

 陣の中から、漆黒の装甲を纏った『バハムート改』と、山のように巨大な『キングベヒーモス』が顕現した。


 上空へ飛翔したバハムートが、顎門あぎとから極大の閃光――ギガフレアを放つ。

 圧倒的な熱波が空を薙ぎ払い、一千体のガーゴイルたちは悲鳴を上げる間もなく、一瞬でチリとなって消滅していく。

 地上では、キングベヒーモスが暴虐の限りを尽くしていた。

 十メートルはあろうかという前脚がミノタウルスを頭から踏み砕き、鋼の巨尾が一振りされるだけで、数十匹のヘルハウンドが血飛沫ちしぶきを上げて吹き飛んでいく。


「メフィスト! 物理の効かない幽霊どもはお前の担当だ。一瞬で消し飛ばせ!」


「了解。これ以上の足止めは無用ね」

 メフィストが咥えていた煙草を細く吐き出し、杖を振り上げる。


「【紅蓮爆界クリムゾン・ブラストフィールド】―――!!」


 凄まじい威力の広域の炎がレイス達を襲い掛かった。

 炎が弱点のレイスたちは跡形もなく消し飛ばさてしまった。


 「よし、陣形を組むぞ! アナキン、メフィスト、ラヴィアン、それに新入り! 貴様たちは俺たちが囲んで守る!」


 ライアンの号令と同時に、アサシンのゼイン、三相槍トライデントを装備した巨漢のギルガメッシュ、暗黒騎士のイグナイトが即座に躍り出て、後衛を護る強固な四方陣が形成される。


「ライアン、みんなにシールドマジックやっとくかい?」


 ラヴィアンの問いかけに、ライアンが前衛たちへ声を投げた。


「欲しいやついるかー?」


 しかし、誰一人として手を挙げる者はいない。


「まだ、余裕らしいぞ」


 ライアンは不敵に笑うと、自身の武器である聖剣エクスカリバーを構え直した。


「向かって来る残敵を掃討しろ!」


 大技を生き延び、死に物狂いで迫る魔獣たちを、円陣の中心から光が貫いた。

 新入りのレイバンが構えるは、神話の威光を宿す『アポロンの弓』。

 一度に三本の矢をつがえて放たれた一撃は、三体のガーゴイルの急所を同時に射抜いた。


 前衛も黙ってはいない。

 暗黒騎士のイグナイトが『暗黒斬ブラック・スラッシュ』を放ち、分厚い魔獣の群れを漆黒の波動で両断する。

 ゼインは影から影へと滑るように移動し、『影道刃乱舞シャドウ・ブレードダンス』で音もなく次々と敵の首を掻き切っていく。

 ギルガメッシュは三相槍トライデントを振るい、凄まじい膂力りょりょくと槍捌きで群がる魔獣たちを串刺しにして暴れ回った。

 そしてライアンの聖剣エクスカリバーは生き残ったレイスでさえも切り裂く事が可能だった。


 

 なんと、ライアンたちは1300体はいたはずの魔獣軍団を僅か五分で掃討してしまった。


「よし、みんな。移動するぞー」

 ライアンの号令で各々が戦闘態勢を解く。


「戻れ」


 アナキンの短い声と共に、役目を終えたバハムート改とキングベヒーモスが光の粒子となって消えていく。


 この八人の武神を前にしては、魔獣一個師団でさえ全く相手にならなかった。



――冥界の王室。


 水晶を覗いていた冥王ハーデスが言う。

蠅王ベルゼブブよ、貴様の報告どおり、やつらはとても人間とは思えない強さだな」


「はっ。流石ルシファーの仲間だけあり、小癪こしゃくにもきゃつらは手強うございます。念の為、ケソカを雇いました」


「何?あの胡散臭い奇術師か?」


「はい、でも戦力としては申し分ないです。前回もギルガメッシュの拘束に役立っていたので」


「まあいい。しかし、たかが人間如きに作戦会議が必要だとは。本当に目障りな蠅どもだな」


 ベルゼブブがピクリと反応する。


「あっ!すまんすまん。貴様も蠅じゃったな。言い方が悪かった。ハッハッハ」


(ジジイ、殺すぞ!?)


――冥王戦は妖しく中盤へと突入していく。

 最後までお読みいただきありがとうございます!


 現在ストックは無く、可能な限り新規エピソード執筆に励んでおります。

 その為、 誤字や矛盾点等チェック漏れが稀に出てくるとは思いますが、気付き次第、随時修正・加筆のブラッシュアップを行っていきますので温かい目でみて頂けると嬉しいです。

 皆様の評価やブックマークが、何よりの執筆の励みになります。

 今後とも応援よろしくお願致しますm(_ _)m


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