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最弱職「便利屋」が攻略AIで挑む異世界冒険記 ―チート勇者とのAI対決を便利屋スキルで出し抜く―  作者: 便利屋 涼
― 第二次魔獣大戦 ―

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冥王(ハーデス)戦①ーアルマゲドンー

 翌朝、昨晩の喧騒けんそうが嘘のように静かな朝が来た。

 俺たちはスイートルームの円卓を囲み、この街で最後となる豪華な朝食を胃に収めていた。

 焼きたての最高級クロワッサンと、地元産ドラゴンの燻製肉。

 この贅沢も今日で一旦見納めだ。


 身支度を整え、俺たちは荷物をまとめてホテルの出口へと向かった。

 するとそこには、なぜかガルドレイア国防大臣が部下たちを引き連れて待っていた。その手には、お土産用の高級ランチパックが七つも握られている。昨晩の賄賂の件をバラされるのが、よほど怖いらしい。


「おっ、大臣。わざわざ見送りなんて、律儀っすねえ」


「あ、ああ……君たちの旅の安全祈願にね。これ、餞別です。他に何か足りないものありますか?」

 大臣は引きつった笑いを浮かべながらランチパックを差し出し、周囲の部下たちの手前、必死に取り繕っている。


 俺は静かに言い放った。

「エクスポーション」

 そう言って、右手の掌をスッと広げて五本の指を立てる。

「マナポーション」

 と呟き、同様のしぐさで五本の指を見せつけた。


「っ……! し、至急用意させます!」

 大臣は慌てて部下に指示を出し、最高品質のポーションをそれぞれ五本ずつかき集めさせた。


 俺はポーションを受け取ると、大臣に釘を刺した。


「有難うな大臣!もう悪い事すんじゃねーぞ」


「もっもちろんです」


 顔を引きつらせて必死に頷く大臣。しかし、後ろに控えていた部下たちが「ん?」と不思議そうに大臣の顔を一斉に見つめた。

「ち、違うぞ! これはただの冗談じゃ! なあ!?」

 部下たちの訝しげな視線に気づいた大臣は、滝のような冷や汗を流しながら慌てて弁明していた。


 そんな滑稽な姿を背にホテルを後にした俺たちは、ガルドレイアの城門を抜けた。

 その先では、俺たちの相棒である巨大な大鷲のサスケが、大人しく待機していた。


「待たせたな、サスケ。これ、お土産の朝食だ」

 俺がスイートルームからこっそり包んできた豪華な特製サンドウィッチを取り出すと、サスケは「かたじけないでござる」と言って、一口で食べてしまった。


 カイン、エリス、レイナ、リリア、ルーク、そしてサスケ。

 全員が揃ったところで、俺は改めて作戦会議を切り出した。


「……さて、ノア。これから冥王ハーデス戦に向けてどう動くべきだ? ガルドレイアから入り口までのルートと、ライアンたちの動向を教えてくれ」


 そう呼びかけた直後、レイナが事もなげに口を挟んだ。

「ライアン達なら、もう集結してるよ」


「え? レイナ、なんであいつらの動向がわかるんだ?」

 カインが不思議そうに首を傾げる。


「なんとなくね」


《はい。レイナさんの仰る通りです》

《現在皆さんがいる要塞都市ガルドレイアは、冥界の入り口に最も近い人類の拠点です》

《ここから陸路で「絶望の断崖」を越えれば、一日足らずで『冥界の門』へ到達できるでしょう》


「意外と近いんだな」


《動向についてですが、勇者ライアンのチームは既に『冥界の門』の前で陣形を整えています》

《彼らはこれから正面から堂々と宣戦布告を行い、冥王ハーデスの主力軍と激突する予定です》

《開戦と同時に彼らが敵を引きつけてくれるため、そこが我々の侵入の好機となります》


「なるほどな……」

 俺は頭の中で瞬時に状況を組み立て、的確なルートと戦術を弾き出した。

「時間的に逆算すると、思った程距離がないので、サスケや従魔の体力負担も考えて、絶壁迄は陸路で歩くとちょうどいい。ノアの言う通りならライアン達は恐らく最初から超激戦になるはずだ」


 俺の冷静な分析に、仲間たちの表情が引き締まる。


「到着迄あの化け物達に敵戦力を削ってもらい、俺たちは体力を温存して行こう。……だが、油断は禁物だぞ」


《涼さん》

 俺の言葉が途切れたタイミングで、ノアが少し真剣なトーンで告げた。

《ライアンの端末からハッキングした情報を精査した結果、ある重大な事実が確定しました。皆さんにも公表してよろしいでしょうか?》


「おっ、おう……」

 改まったノアの口ぶりに、俺は少し不安になりながらもうなづいた。


《以前から予測はしていましたが……この世界の三大神が人間達の存在を不愉快で不必要な存在だと判断し、【人類粛清計画アルマゲドン】を準備していた事が発覚しました》

《ですから、人類全て、皆さんの家族や知人にも関係あるのです》

《なので今回の戦いは涼さんだけではなく、自分達の、そして人類の存亡をかけての戦いでもある事を理解して下さい》

《ライアンと共にいる七武神たちも、同じ理由で戦っているのです》


((しっ知らなかった……))

 ゼインとアナキンの本当の参戦理由を初めて知ったカインとルークがショックでうなだれる。

 レイナもメフィストが何故ライアンと一緒に参加しているのかを、これを聞いて更に理解した。


 だが、これで全員の覚悟が決まったはずだ。これはただのボス討伐じゃない。俺たち自身の、そして世界のための戦いだ。


「俺もびっくりだが、戦う前に真実が知れて良かった。

 いいか!? みんなの第一目標は冥王ハーデスの首だ!!」


「「「「「「了解!」」」」」」


 俺たちは冥界へと続く陸路を力強く歩み始めた。




――冥界の門前


 勇者ライアンは七武神全員を従え、ここに勢ぞろいしていた。


「いよいよだ。貴様ら、行くぞ!」


「「「「「「了解!」」」」」」


 ギルガメッシュと暗黒騎士ブラックナイトが十メートル以上あろうかという冥界の扉を開けた。

 ライアン達が来る事を先刻承知だった冥王ハーデスは、あらかじめ恐ろしい程の魔獣軍団を迎撃準備させていた。


 ガーゴイル、ミノタウロス、ヘルハウンド、レイスの超大群がライアン達の元へ雲霞うんかの如く押し寄せる。


「スカウター始動!」



――第二次魔獣大戦、開戦。

 最後までお読みいただきありがとうございます!


 現在ストックは無く、可能な限り新規エピソード執筆に励んでおります。

 その為、 誤字や矛盾点等チェック漏れが稀に出てくるとは思いますが、気付き次第、随時修正・加筆のブラッシュアップを行っていきますので温かい目でみて頂けると嬉しいです。


 皆様の評価やブックマークが、何よりの執筆の励みになります。

 今後とも応援よろしくお願致しますm(_ _)m


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